海外4ヶ国の病院で治療を受けて気付いた3つの注意点


これまで海外の病院で、病気や怪我の治療を受けることが何度かあったし、それ以外にもタイで病院見学に行ったり、友人が体調を崩したので、診察に行く時に付き添ったりしてきた。

振り返ってみると、私自身が治療を受けたのは、フィリピン、タイ、マレーシア、中国の4ヶ国の病院。

そのうちタイは、バンコク在住の日本人の間でも有名なサミティベート病院と、アムルンラード病院に行ってきた。

中国に関しては、治療費が12元。

当時のレートでだいたい150円ぐらいという、わけのわからない公立っぽい病院と、外国人向けの病院。

マレーシアとフィリピンに関しては、完全に外国人向けに営業している病院だった。

尚、フィリピンのマカティメディカルという病院では、カタコトの英語を話せる女医さんがいたし、タイのサミティベート病院やアムルンラード病院に関しても、日本語の通訳がいて、仮に英語やタイ語が全く話せないとしても、診察や治療を安心して受けられる環境が整っている。

マレーシアに関しては、こういったサービスはなかったので、全てカタコトの英語でやり取りをした。

海外生活が長くなってくると、このようなこともあるので、海外で病院に行く際のポイントについて紹介しておくことにする。


外国人向けか地元民向けか

特に新興国の場合、外国人向けの病院と、地元の人達が行くような病院では、はっきりとした格差が存在する。

例を挙げると、フィリピンの場合、適当に病院に行ってしまうと、未だに野戦病院のようだったというような感想を聞くこともあるが、マカティメディカルを始めとして、いくつかの有名病院に関しては、全くそんなことはなく、日本と比べても遜色のない設備が整っているし、建物自体も新しくて、とてもきれいなものになっている。

マレーシアにおいても、同様の環境があり、もし仮に海外旅行中に体調を崩したような場合であれば、ホテルのフロントで近くの病院を訪ねることもあると思うが、その時は必ず外国人向けのところを紹介してもらうように、付け加えた方がいい。

もちろんほとんどのホテルのスタッフは、気を利かせてそういったところをチョイスしてくれるとは思うが、そうではない場合もありえるので、一応一言付け加えておいた方が安全。

特にゲストハウスとか、安めのホテルに泊まっている場合だと、治療費の負担の大きい外国人向けの病院ではなく、ローカル向けのところを紹介される可能性もあるので、念のため注意しておくことをお勧めする。

日本人にとって、不安やストレスを感じるような環境であれば、ただでさえ怪我や病気によって、体調が悪化しているところ、ますます免疫力が落ちるようなこともなり兼ねない。

そういった意味で最低限外国人向けの病院を選んでおいた方が、海外で治療を受ける上では、安心ということになる。

更に言えば、外国人の診察や治療に慣れていれば、薬の量の調整も多少はしてくれるかもしれないという、淡い期待をすることもできる。


病院に行く時の必需品

日本と違い、国民皆保険制度を導入している国は少ないので、病院側としては全ての患者が治療費を支払えるとは思っていない。

当然ながら、治療費を取りっぱぐれることになれば、その件については赤字ということになり、病院側としても望ましいことではない。

その為、海外の病院では保険が利かないと、支払い能力を問われるとかそういったこともあり、治療費を払えることがわかるまで、診察をしてもらえないということもある。

そこで必要になるのが、まずはクレジットカード。

これを持っておくことによって、支払い能力があるであろうことを証明することができる。

もちろん限度額になっているとか、VISAやマスター等のブランドが、病院で取り扱っているものと異なって、使えないといった可能性もあるが、持っていくに越したことはない。

できることなら、JCB以外のブランドのカードを持っておいた方が良い。

というのも、JCBは海外では使える加盟店が限られていて、最近はますます減少傾向にあるため。

VISAやマスター、アメックス辺りを二つ以上持っていると心強い。

更にもう一つ、持って行っておきたいのはパスポート。

やはり身分証明書の提示を求められることが多く、これまでタイ、フィリピン、マレーシアの3ヶ国では、どの病院に行っても必ずパスポートの提示を要求された。

この時に、パスポートがなくても治療を受けられるのかどうかは定かではないが、もしかしたら拒否される可能性もあるし、そうではなくても、余計なやり取りをして精神的に消耗しなければいけなくなり兼ねないので、とりあえず身分証明書としてパスポートは持参しておくことをお勧めする。


保険は利くのか

所謂、海外旅行保険に入っていなかったとしても、クレジットカードに旅行保険が付帯されている場合には、原則としてその保険を使うことができる。

但し、私のように3ヶ月以上に渡って、日本を出たまま海外に留まっている場合であれば、その限りではない。

一部のクレジットカードの旅行保険に関しては、日本を出国した日を基準に3ヶ月ではなくて、そのクレジットカードを使って、旅費の一部を支払った日から3ヶ月というものもあるので、そういった条件というのは、できれば旅行前に確認しておきたいところ。

短期の旅行であれば、複数のクレジットカードを持っておいて、その旅行保険を合算することによって、多少の怪我や病気の治療であれば、大抵の場合は対処することができる。


日本以外での治療が不安なのは幻想?

これまで4つの国で病院にかかってきたが、正直なところ初めて海外で治療を受けたマレーシアの時は、とても不安だった。

医師の言ってることが100%わかるほどの英語力はないし、薬の効き方というのも人種等によって違ってくることは容易に予想がつく。

しかしながら、4つの国で治療を受けてくると、だんだんそういった感覚にも鈍感になっていって、最近ではあまり何も考えなくなった。

そもそも日本で、日本人の医師から治療を受ける場合であっても、十分な説明をしてくれる医師ばかりではないし、インフォームドコンセントが提唱されてから何年も経つが、それが医療の現場でしっかりと定着しているかと言われれば、そうとも言い切れない部分がある。

もちろん昔ほど、殿様商売をしている医師が多くもないのかもしれないが、結局のところ、医師という専門職の言う事を聞かざるを得ないというのが患者側の事情で、そういった意味で言えば、相手と話しているのが日本語であろうと英語であろうと、実際的な問題としては、それほど多いな違いがないのではないかと思う。

どちらにしても、医師の言いなりになるということであれば、言語の壁というのは、実を言うとそう大きな結果の差は生まない。

ただ単に、感情的な波風だけの問題であるということを認識すると、それだけでもいくらかは肩の力が抜けて、気分が楽になった。

海外で生活する上で、体調を崩すたびにいちいち日本に帰国するというのは、現実的ではないし、どうしたって現地の病院でお世話になることはある。

あまりにも医療水準が低い国であればともかく、大抵の国に関しては、そこまで心配する必要がないのではないかと、最近は思えるようになった。



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執筆者、伊田武蔵
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