海外生活の光と闇(準備から渡航、現地でのストレス、仕事等)




日本を出て海外生活をスタートしてからは、周りに移住仲間が増えていった。

日本で就職をして、現地に派遣されている駐在員もいれば、独立起業系の友人や、現地就職をしたり、留学やワーキングホリデーを使って、特定の国に住んだりと、かなり色々な人と話しをする機会に恵まれてきた。

私自身はこれまで、フィリピンのマニラの中にあるマカティ市と、マレーシアのジョホールバルという町に住んできたが、フィリピンでは永住権であるクオータービザを、マレーシアではリタイアメントビザであるMM2Hをそれぞれ取得してきた。

海外生活については、多くの人が良い方向にも悪い方向にも、誤解をしている感じがあるので、体験者として実態をまとめてみようと思う。


準備から渡航まで

まずは、海外生活を始めるため、日本を出る準備が必要だが、これは一部の人にとっては非常に簡単になる。

というのも、基本的には市役所や区役所に行って、住民票を抜いたりとか、住民税の手続きをするだけで、役所に行ってからだいたい2時間ぐらで終了する。

日本で自宅を所有しているとか、それ以外にも処分しなければいけないものがあったりすると、準備が大変になることがあるが、この辺りはかなり個人差がでるところ。

渡航については、航空券を取得して、いきなり現地に行くという手もある。

フィリピンのように、観光ビザでも更新し続けて、2年まで住めるという国であれば、最初は観光ビザで入国をして、それからクオータービザやその他のビザを取得するという手もある。

マレーシアの場合も90日までは、ノービザで滞在することが可能なので、最初から準備万端にしたおく必要はない。

その一方で、就職先を見つけておかなければいけないとか、そういった場合もあるので、複雑な手続きが必要な場合については、個人差や各国による差が大きいということになる。

最もシンプルに考えると、日本側の手続きとして、まず役所に行って住民票を抜き、荷造りをして、相手の国に飛ぶだけということになる。

海外生活をしていてわかるのは、多くの国において、フルファーニッシュドと呼ばれる物件が多く、家具や家電は元も備え付けになっていることが多いので、これは自分自身で用意する必要がない。

その為、最低限の持ち物だけ持っていけば、暮らし始めることはできるので、日本国内で引っ越す場合よりも、遥かに少ない荷物で行くことができるし、私の場合は飛行機に持ち込める手荷物の範囲内に収めた。


日本を出る時に持っていきたい便利グッズと必需品

ではどのようなものを持って海外生活をスタートしたかというと、当然ながら最低限の着替えとか、海外でお金を引き出すためのキャッシュカードやクレジットカード。

全世界対応のプラグや変圧器等がある。

ちなみにこの変圧器に関しては、重いうえにかさばるので、途中で知人に譲ることにした。

意外なところで、便利グッズというか、役に立ったのは印鑑で、海外で不動産を借りたりする分には、契約の際も全てサインで事足りるが、日系の会社を通じて不動産投資をするような場合であれば、印鑑が必要になるので、かさばるものでもないし、一つ持っていっておいてよかった。

あとは割り箸も役に立つ便利グッズとしてどうかと思っていたが、実を言うと、多くの国では売られていたり、コンビニ等でも用意されていたりするので、以外と必要がない。

細かいことを言うと、輪ゴムとか小さな封筒の方が役に立つ。

輪ゴムは荷物をパッキングする時に必要だし、10本ぐらい持っていると、何かと重宝する。

封筒については、海外生活を初めてから、周りの国に行って、色々な通貨が手元に増えてきた時に、それぞれの国の通貨を仕分けしておくのに便利。

後は私の場合はパソコンとか、iPad等を持ってきたが、それ以外で必要なものというのも、大抵は移住先の国で調達することができるので、日本から必死になって様々なものを持ち込むということは、基本的に必要ない。


海外で暮らす上で感じるストレス

日本を含め、どんな場所で生活するとしても、必ずストレスというものはある。

海外に住み始めて、特有のものとしては、やはりサービスの質が悪いということがある。

例えば、フィリピンのコンドミニアムに住んでいた時には、その土地では高級な部類に入る物件であるにも関わらず、アドミンと呼ばれる管理室の体制がボロボロで、水道代の支払い等の手続きをするたびに問題が起きて、2度足を運ばなければいけないという事態に陥った。

これは新興国ばかりの話ではなく、ヨーロッパ等でも真冬に暖房が壊れて、修理を依頼しても、それが完了するまでに3日かかるとか、そういったことは何度も耳にしたことがある。

日本のサービス水準というのは世界的に見ても、かなり特殊なので、同等のレベルを要求するのは難しい。

こういったところでストレスを感じる人は多いし、それは新興国、先進国を問わずに、共通して言えること。

食事に関してはアジアの国であれば、和食が充実していることが多く、私が住んでいたフィリピンのマカティでは、リトル東京というエリアもあり、特に食べることに関してストレスを感じることはなかった。

ここら辺の食事事情というのは、国によって大きく変わってくるので、心配であれば予め調査をしておく必要がある。

ちなみにマレーシアのように糖尿病率が高い国とか、肥満率が高い国というのもあるので、現地の食事では気を付けなければいけない。

これはアメリカのような、わかりやすいケースばかりではなくて、一見ヘルシーに見えるマレーシア料理のようなものであっても、油の使いすぎや、甘いものの摂りすぎになりやすいといった落とし穴があったりするので、気を付けていただきたいところ。


他国での仕事事情

日本を出て働きたいと思った場合、主な選択肢は3つとある。

まず1つ目は海外駐在員で、日本で就職をしてから、海外に転勤をする場合。

2つ目は現地就労の場合で、駐在員と比べると、給料が著しく安い傾向にある。

駐在員だと住宅手当等も出るので、手取り額で言うと、倍以上の差が出るようなケースもある。

3つ目は自分で起業をしたり、場所にとらわれないような仕事を作っておいて、それを海外生活を初めてからも続けること。

私の場合は3つ目のパターンに当てはまる。

基本的に地賃金と物価というのは、相関関係にあるので、賃金水準が高い国というのは、物価水準も高く、逆に物価が安い国というのは、きゅうゆ水準も低い。

そうなってくると自分で仕事を持っておいて、収入は高く保ちながら、物価水準の安い国に住むというのは、ある意味で鞘取りとなり、大きな価値を得ることができる。


新興国でも生活費は意外に高い

その国の平均月収が月に2万円や3万円であったからといって、その金額で日本人が暮らすことができるかというと、それはまた別の話。

老後に年金で海外生活を送り、余裕のある暮らしをしようと思っている人が、新興国の現実を見て、唖然とするということがあるが、基本的に東南アジアの国々というのは、タイでもフィリピンでもマレーシアでも、あるいはそれ以外の多くの国でも、継続的にインフレが続き、物価というのは上昇している。

更に言えば、以前のような円高水準になればともかく、現在のような円安であれば、日本円換算をした場合には、それなりの生活費がかかる。

外国人向けのコンドミニアムというのは、現地においては高級物件と分類されるので、一等地にあるようなところであれば、単身者用でも月に10万円近くすることも珍しくないし、本当に良い物件であれば、月に15万円とか20万円とか、どんどん金額は上がってくる。

もちろん生活コストを抑えようと思えば、夫婦2人でコンドミニアムに住んで、食事もローカルレストラン等を織り交ぜながら暮らせば、2人で月に15万円とか、そのくらいで抑えることも可能ではあるが、海外生活=コストが抑えられるという図式が、もうすでに崩壊しているし、オーストラリアのような国においては、日本以上に物価が上昇しているので、移住することによって、出費が減るところか、むしろ5割から10割程度増えることになり兼ねない。


ビザを取りづらい世代も

20代のうちはワーキングホリデーという選択肢があるし、50代以上になると、多くの国でリタイアメントビザを取ることができる。

マレーシアのMM2Hのように、年齢制限がなかったり、フィリピンのSRRVのように、35歳以上で取れるリタイアメントビザも、存在するにはするが、こういったものは少数派で、大抵の場合リタイアメントビザというのは、50歳か55歳、もしくは60歳以上という年齢制限が課されていることが、世界的に見ると常識となる。

そうなってくると、30代と40代というのは、言ってみれば谷間の世代で、簡単にはビザが取れない。

現地で就労するような場合であればともかく、私のように自分でビジネスを持っていて、現地に根差して仕事をする気がないような場合であれば、所得できるビザはかなり限られてくる。

フィリピンで永住権を取ったのは、そういった事情があって、選択肢が限られていたので、まずはしっかりとした権利を、確保しておきたかったから。

基本的にビザ事情というのは、時間が経つほどに、厳しくなっていく傾向にあるし、取れるうちに取っておくというのが基本となる。

事実フィリピンの永住権についても、徐々に条件が厳しくなっているので、この辺りは、のんびりと構えていると手遅れになり兼ねないので、海外生活を送りたいと考えているのであれば、移住先のビザの条件を調べておくとか、早めに調べておくということは、必要な対策になる。



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執筆者、伊田武蔵
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