オーストリア移住は海外居住者から見ても大きな利点が

インスブルック
ウィーンやザルツブルグで知られるオーストリアに移住しようかと、
次に住む場所の候補の1つとして考えてみた。

先日は隣国のスロバキアの首都、ブラティスラヴァも訪れた。

ここからはウィーンまで日帰りで行ける距離。

この時には、改めてオーストリアに行く目的もないので、
そのままチェコへと移動した。

オーストリアへの移住を考えた理由はシンプルで、
住みやすい環境のように見受けられるからというのと、
ビザの面での強みがあるから。


ウィーンの住環境


ウィーンは大きすぎない街で、地下鉄もあって市内アクセスがいい。

世界的に知られる国立歌劇場や楽友協会もあり、
オペラやクラシックも気軽に楽しめる。

こんな芸術の街にしばらく住んでみるのも、
新たな刺激を得られていいだろう。

単なる旅行として訪れただけでも刺激的だったが、
これが定住するとなればなおさら。

日本に住んでいた頃も、
マレーシアやフィリピン、台湾に居を構えても、
クラシックコンサートが身近な環境はなかった。

また違った環境に身を置くことで、
五感を刺激できるのは間違いない。

以前にウィーン楽友協会でコンサートを鑑賞したが、
非日常の中にも心地よい陶酔があった。


ウィーン以外にも魅力的な選択肢が


大都市ではなくオーストリアの中規模の街や地方で
暮らすのも面白そうな国。

食事も美味しいし、都市部以外のところで
静かな生活を送ってみるのもいいのではないかと。

ボーデン湖やノイジートラー湖に散歩に行けるような場所、
あるいはヴァッハウ渓谷沿いやアルプス山脈を臨む地域で
のんびり田舎暮らしを楽しむのも乙なものだろう。

世界一美しい湖畔の街と形容されるハルシュタットも
移住先の下見と観光を兼ねて行ってみた。

たしかに素晴らしい街だが、
旅行者向けに物価も高め。

むしろザルツブルグからハルシュタットに行く途中の
ザルツカンマーグートの町や村の中に
面白い場所が潜んでいそうな感じがした。

オーストリアはこれまでに住んできたフィリピンやマレーシアとは
まったく違う雰囲気や歴史、街並みを持つ国のため、
興味は尽きない。

また、シェンゲン協定に加入している国には珍しく、
ビザなしで6ヶ月滞在できるというメリットもある。

通常は3ヶ月しかいられないので、
この点は大きなメリットとなる。

ヨーロッパはビザを取るのが難しい反面で、
どこかでビザが取得できれば大部分の国に住める。

イングランドやアイルランドは別としても、
シェンゲン協定を実施している国であれば
国境でのパスポートチェックすらないので。

その意味で言えば、
ヨーロッパのどこかの国に住めるという状況、
たとえばドイツ移住が可能な下地ができれば、
それはポーランドでもフランスでもオランダでも
基本的には住めることを意味する。

色々と例外はあるが。

そしてヨーロッパ内には住みたい国が複数あり、
街単位にするとますます数が増えてしまう。

そんなわけで、魅力的な場所でも優先順位が下がり、
フランスのようにだいぶ後回しになったりすることもある。

これに対してオーストリアの場合、
とりあえずビザなしで約半年住めるため、
本格的に移住というほどではないにしても
軽めのロングステイぐらいなら旅行感覚で可能。

ここが周辺国とは違うところ。

隣国のスロバキアや近くにあるポーランド等は魅力的だが、
ビザなしでは90日の滞在が限界。

その期間が倍になるのは大きい。

わざわざアジアまで戻って長距離移動を
3ヶ月おきに行う必要もなくなる。

バンコクから片道14時間もかけて
フライトで体を痛めつけたり、
移動を前に物憂げな気分にならずに済む(笑)。

ウィーンやザルツブルグのような芸術の街に住むのか、
緑や湖の美しい地方都市に住むのかは悩みどころだが、
どっちに転んでも素晴らしい体験になるだろう。

ただし、オーストリアに滞在している期間は、
他のシェンゲン協定加盟国の滞在日数にもカウントされる。

たとえば、ウィーンに180日滞在したとすれば、
そこからイタリアに行くことはできない。

すでに日数を消化済みなので。

そこから他のシェンゲン協定実施国に行く場合には、
改めて3ヶ月以上置くことが求められる。

その意味で、あくまで独立した制度として
他から確立された地位を保っているわけではないが、
それでも180日の滞在可能期間は魅力的。

これは上手に活用したいところ。

ヨーロッパは季節によって過ごしやすさが変わるし、
1月のウィーンは凍てつくような寒さだった。

降り積もった雪が凍り、
シェーンブルン宮殿のリスも毛並みがボロボロになるほど。

寒さに震えながら名物のザッハートルテを食べられるケーキ屋に
暖と甘さを求めて駆け込んだ記憶がある。

さすがに、あの時期に長々と滞在したくはない。

できれば気候がいい時期に訪れたいので、
オーストリア移住は半年弱をめどに
今後考えていきたい。

その際は春から秋にかけていられるのがベスト。

どの年に実現するかは未定だが、
ずっと弓を引いて狙いすましてタイミングを待ち構えるというより、
ひょんなきっかけで実現する可能性が高そう。

案外移住なんてそんなものだし、
海外での非定住生活を続けているとフットワークは軽いため、
実現は難しくない。

そんな感じで軽めに考えているが、
実際に住むタイミングが来る可能性は高いと思っている。

追記:5都市を巡った結果

ザルツブルグの大学広場
つい2日前まで、
インスブルックを皮切りにザルツブルクへ行き、
その後はザルツカンマーグート地方の
バートイシュル・ハルシュタットと周り、
最後にグラーツへ足を運んできた。

今回のオーストリアの旅ではウィーンは省き、
他の主要都市を中心に周った。

現在はグラーツから隣国のスロベニアに南下し、
首都のリュブリャナに滞在しつつ、
3日後にはイタリアのトリエステに向かう予定。

それはそうと、
今回のオーストリア滞在は移住の可能性を探るためのものだった。

特にシリア難民の影響を見るという目的もあり、
ピリピリした雰囲気も想定していたものの、
そういった雰囲気はこれといって感じなかった。

その反面、あまり良くない印象が大きかったことも事実。

オーストリア人といえば、
芸術と音楽の国のイメージが強いだけに
文化的で教養がある感じを受けがち。

しかし、今回ウィーン以外の街を巡ってみた感想としては、
豊かな観光資源を食いつぶしている印象。

イタリア人やギリシャ人に近い気質を
意外にも感じる結果となった。

確かに南イタリアのすぐ近くだし、
インスブルックはチロル地方に分類されるが、
チロルは4カ国にまたがり、
その中にはイタリアも含まれる。

そのぐらいの地理的要因を考えても、
働かない南欧気質の影響を受けていても不思議ではない。

観光客が多く集まるエリアでも
レストランの店頭のメニューに英語表記がなかったり、
鉄道のネット予約の仕組みがヨーロッパの中でも特殊すぎて
外国人にとっては意味が不明だったり、
バスや鉄道の係員の態度が悪かったり、
ホテルの従業員の質も決して高いとは言えなかった。

正直、これではオーストリアに移住して暮らすのは
ストレスが大きすぎて無理だろうと感じた。

物価の面で考えても、
予想外にドイツとの差が縮まっている。

それでいてサービスの質は低い。

逆にスロベニアと比較した場合、
事前に聞いていた情報とは異なり、
諸々の質も物価もオーストリアとの差が狭くなっていた。

通貨もユーロであることが共通のため、
国境を越えたことを意識できなかったほど。

以前はプラスの方向で考えていたオーストリアへの移住だが、
今回は逆の方向にシフトした。

たしかにインスブルックはアルプスのふもとで
すぐそばに山々を感じられるのは圧巻。

インスブルック
しかし、住みたいだろうかと考えた時、
いまいちという印象は拭えない。

では、ザルツブルクはどうか?

グラーツは?

そう自問自答した時に、
積極的に肯定的な回答が浮かんでくることはなかった。

当初の結論とは逆方向に反転してしまったが、
これもリアルな事実なので
ありのままに書き記しておくことにした。

誤解を招かないように断っておくと、
インスブルックもザルツブルクもウィーンも
ハルシュタットもグラーツも、
観光という視点では魅力的な街。

短期旅行の先としては大きな価値があるし、
訪れた事自体は後悔していない。

ただし、暮らすという観点から見た場合に
期待を裏切られたというだけで。

短期の旅行とロングステイでは意味が違うので、
その点は誤解のないように補足しておく。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

電子書籍のプレゼントページへ



よく読まれている記事