バイリンガルの脳の構造の問題点、極端に頭が悪くなる場合も


幼少時代から2か国語を使ってきたバイリンガルの脳の構造は、
一歩間違えると普通の人よりも厄介なことになる。

というのは、言語能力は単一言語の人より優れているものの、
他の重要な能力が犠牲になってしまうため。


たとえば思考力。

人間が物を考える時、
ほとんどの人は音や図形ではなく言葉で思考する。

その時に十分に習熟した言語がない場合、
深く追求して考えていくことができなくなってしまう。

小学2年生の言葉の能力しかなかったら、
いくら難しいことを根気よく考えようとしても
おのずと限界がある。


バイリンガルはこれが起こる可能性があって、
日本語と英語が両方そこそこはできるものの、
どちらも中途半端だと脳内で色々なことを考えられない。

結果的に思考力が未発達になってしまうことがある。


この影響は他にも色々あって、
理解力や文章力、説明能力等、多岐に及ぶ。



人間の脳の容量は計り知れないし、
バイリンガルでもこうした問題を抱えない人も多い。

そもそも国によっては2か国語を話せるのが
当たり前ということもあるぐらいなので。


ただ、中途半端な環境で教育することによって、
弊害として呼吸するように自然に使いこなせる言葉が
1つも身につかない危険性は理解しておいたほうがいいと思う。

これは中学生以降のように
十分に母語が身についた後には関係なく、
あくまで幼児期の言語を覚えていく過程での話。

逆に言うと、言葉をもっともスムーズに覚えていく時期でもある。



そのため、親としては子供をバイリンガルにするなら
脳が柔軟なこの時期を重視するのは自然な成り行き。

リスクを理解して注意した上で、
あえて2か国語以上を学ばせるのならいいと思う。

日本においては特別視されるだけで、
世界的に見たらそこまで珍しい話でもないので。



ただ、その時も教育カリキュラムを適当に組まないとか、
そういう基本的なことは注意の上で実施した方が
子供が後になって苦しまずに済む。

子供をバイリンガルにする方法なんて
調べれば効果的なカリキュラムも開発されているし、
それに対応している教育機関もある。

中途半端な知識を動員して親が独自の方法で教育するより
プロに任せた方が妥当なのは当然のこと。


今では脳の働きに留意した教育法も色々と開発されているし、
語学習得の専門家だっている。

我が子のこととは言え、
素人が口を出せば前時代的な教育になるだけ。

それは子供にとっても悪影響ではないかと。




バイリンガル教育の悪影響を語ってきたが、
もちろん悪いことばかりではない。

脳は刺激するほど進化するわけだし、
早いうちから国際感覚を身につけておくのも
もちろん役に立つこと。

プラスの側面については色々なところで説明されているので、
あえてマイナスの可能性について言及した。


子供の可能性を伸ばすためには
複数の言語を覚えさせることによるメリットもあるので、
デメリットも理解した上で取り入れたらいいのではないかと。

日本語以外に話せる言葉があれば、
生きていく上で可能性の範囲が広がるのは間違いないので。



私は海外で生活しながらも、
英語も話せるようにならないし、特に学ぶ気もない。

フィリピンやマレーシアでバイリンガルの人を見ても、
(日本人ではなく現地の人で)
言葉を覚えることで対抗したところで
ジリ貧なのが目に見えているので。

トリリンガルの人とも会ってきた上で、
語学よりビジネスの力を磨くほうが収入は安定するし、
大きな額を稼ぐこともできるのは明白。

大人になってから学ぶのなら、
英語よりもビジネススキルだと思っている。


世界的に見たバイリンガルの価値

日本人は日本語しか話せない人が主流だが、
国によっては状況がまったく違う。

たとえば、マレーシアの中華系はマレー語と中国語は
当たり前に話すことができる。

プラスアルファで英語も使えたりするので、
バイリンガルどころかトリリンガルになる。


中華系以外でもマレー語と英語というのは、
ある程度教育水準の高い人なら話せる事が多い。

では、彼らはいくらの収入を得られているのか?


職業にもよるが、月に10万円程度だったりする。

これが2か国語、3ヶ国語を話せる人に対して
労働市場が示している価値。



これがフィリピンになると、
タガログ語(フィリピンのメインの言語)と
英語を話せる大卒の人材であっても、
首都マニラで就職して新卒で月収3万円程度。


バイリンガルになって英語や中国語を駆使して働くということは、
こうした人達と競合するということ。

高い付加価値を生み出せる人材が
語学力にも恵まれていれば道は違ってくるが、
世の中の大部分の人にそんな付加価値はない。

日本人は優秀だと言われるが、
現実の社会を見てもらいたい。

語学力さえあれば世界で活躍できる人が
どれだけの割合で存在するだろう?

ほとんどの人は、
会社に雇用されないと生活すらできないのが現実。

その状態で語学だけを学んだところで、
将来が安心なわけがない。


まして21世紀前半は中国、
21世紀後半はインドの時代と言われる。

これらの国で働くことが人生の質を上げるかということも
現実的に考えなくてはならない。

海外で生活をしたり、
様々な国を周って住環境をチェックしてきたが、
私は中国やインドに住みたいとはみじんも思わない。

しかし、語学しか取り柄がないと、
そういった場所で高収入とはいえない条件で
働く未来が待っている可能性もある。



バイリンガルが悪いと言いたいわけではなく、
日本においては過剰に高度なスキルと誤解されているということ。

世界的に見れば、
月収3万円の労働者が持っていたりする能力のため、
そうした現実を前提にする必要がある。


バイリンガルであり続けるコスト

言語の厄介な性質として、
自転車の乗り方や泳ぎ方のような手続き記憶と異なり、
使わずに放置すると忘れていくという点がある。

私の友人の子供、たしか小学5年生だったと思うが、
彼は日本語、中国語、英語のトリリンガル。

元々両親が大阪出身の日本人なので、
母語として日本語を使うことができる。

加えて教育のために一家で中国のジュハイという
マカオの隣町に移住した経緯を持ち、
その時に中国語を話せるようになった。

ちなみに、一家で中国語を使えるのは子供だけ。

両親はさっぱりだったと言う。


反日感情が強まって危険な気配を感じた頃に
中国を後にする決意をして、
彼ら一家はセブに移住した。

私はジュハイでも、セブでも彼らと会ったが、
子供はセブでどんどん英語を上達させている一方、
中国語の能力は失われていたという。

脳は不要な情報を整理していくため、
使用頻度が低い言語は削除されてしまう。

そのため、約9ヶ月ぶりに香港へ旅行に行き、
現地の人と話す機会を積極的に作ってみたところ、
数日のうちにみるみる聞き取りも話すのも
回復してきたらしい。


トリリンガルになれたのはいいが、
使わないと言語能力は衰退していくため、
定期的なメンテナンスが必要になる。

しかも、手放すことを決めないかぎりは一生。

このコストはお金だけではなく、
手間や労力、精神的な負担も含む。


スカイプ英会話のようなサービスもあるので、
昔に比べればどこにいても言葉の練習がしやすくなったし、
それはメンテナンスにも使える。

とは言え、子供をバイリンガルにしたいのであれば、
一定水準を越えたところでゴールではない。

一生ものの能力にするためには、
その後も衰えないように時折使う機会を設ける必要がある。


脳を使うほどいいのは子供だけ?

一般に脳は使えば使うほど機能が上がるとされる。

本来の潜在能力のごく一部しか使用されておらず、
眠っている領域を起こすには頭を使うこととされるが、
これは脳の機能の解説としては正しい。

ただし、大人について言うのであれば、
意志力や忍耐力には限りがあることも判明している。


大人になってからバイリンガルになろうとするのなら、
その勉強のために意志力が消耗する。

言い換えれば、
他の部分に費やせる意志力が減少するわけで、
たとえば仕事に対する情熱は必然的に落ちる。

ビジネスマンならタイムマネジメントは常識だが、
やる気のマネジメントはあまり浸透していない。

まして仕事以外の取り組みまでコントロールしている人は
少数派ではないだろうか。

もし仮に働きながらバイリンガルになろうとしているのなら、
英語や他の外国語がマイナスにならないだけなら、
事実上の失敗と言える。

なにしろ、その時期の他の活動に本来向けられるはずだった
意志力を失ってしまっている分だけ損失なのだから。

これはムダな資格の勉強をする場合も同じ。



逆に子供の場合、
脳に適度な負荷をかけることは
将来に向けて忍耐力や意志力を養うことにつながる。

もちろんプレッシャーをかけ過ぎれば、
トラウマになったり、有能感を持てなくて
何事にも消極的になってしまったりといった弊害もある。

ただ、やりすぎなければプラスに働く。


未来に向けて備える時期の子供と
結果を出す時期にある大人では事情が違うので、
バイリンガルになるというゴールは同じでも
ゴーサインを出すかどうかの判断材料は違ってくる。



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執筆者、伊田武蔵
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