セブにはヤギがいる




セブの不動産視察をするために、車で色々と走って回っていたら、野良犬ならぬ野良ヤギを何匹も見つけることができた。

東南アジアの国というのは、どこの国も野良犬がかなり多い傾向にある。

基本的には普段おとなしくしているものの、タイのウドンタニのようにかなり共謀な目つきの野良犬もいるので、時には恐怖を覚えるようなこともある。

それに対してヤギというのは、比較的穏やかだし、何しろ草食動物なので、基本的には人間を襲ってくるとか、噛みついてくるということはない。

更に言うと、セブのヤギというのは、比較的小型なので、特に威圧感もなく、餌付けなどをしていたら、面白いのではないかと思った。

そこら辺の道にヤギが普通に歩いているというのも不思議な光景ではあるが、セブに4ヶ月ほど滞在をして、語学留学をしている友人の話では、あまりにもごく普通の光景だったので、何も感じなくなっていたことに驚いたという。

確かに私もマレーシアにいる時には、野良犬を見ても、いつもの光景のように感じていたものの、マカティに移ってからは、そういったことを年に2、3回しか見ることがなかったので、かなりアジアの特殊な空気に浸っていることに気付いた。

それぞれの国で、常識や非常識というものの境界線はずれてくるので、暮らしている場所によって自分の感覚というのも動いてくる。

常に一定の感覚があるわけではなく、無意識のうちに感覚がずれていたということは頻繁に起こることなので、こういったことも、いくつかの国での生活を経験していると、かなり興味深い現象として出てくる。

ヤギが歩いている町を普通だと思う人もいれば、野良犬が歩いているのを当たり前のこととして感じる人もいて、更に言えば、動物は猫ぐらいしか歩いていないのが当たり前だと思うような場所で暮らしている人もいる。 

これは例えば同じ日本でも、農業をしている人であれば、牛や馬がいるのは普通かもしれないし、田舎の方であれば、たぬきとかそういった動物が出てきても、取り立てて驚かないということもある。

何が正しいかということではなくて、お互いの共通言語が実はずれているということを意識しておくと、人とのコミュニケーションもうまくいくことが多いのではないかと思う。

お互いに前提としている、条件が違っているわけなので、自分の常識をいくら相手に押し付けてみても、向こうが反発してくるのは当然のこと。

もしくは、行き違いが起きてしまったりとか、うまくコミュニケーションが取れないことになる。

ヤギの有無一つを取ってみても、それに関する感想というのはそれぞれに異なるわけだし、様々なデリケートな問題において、他人との間に価値観の相違があるということを考えておくと、もっとスムーズに相互理解ができるのではないかということを感じた。
 



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執筆者、伊田武蔵
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