海外駐在妻の悩みを聞いてみたら根が深かった

先日、海外駐在妻から悩みを含めて
タイでの生活について聞く機会があった。

バンコクのカフェ

考えてみると、
これまでにもマレーシアやフィリピン、
タイ、インドネシア、ドイツ等、
様々な国に住む海外駐在妻に話を聞いてきた。

というより、今後の住環境を考えるため、
各国の移住者に会ってきたので、
起業家や駐在員、現地就職組、
ワーホリで来ている人、リタイア世代等、
色々な人がいた。


今回は、一般にはうらやましがられることが多い
海外駐在妻が抱える悩みについて。

やはり自分から望んで日本を出て他の国に来たわけではないので、
悩みも様々だった。



文化や言葉の壁

会社の意向で夫が特定の国に派遣され、
それについていくのが海外駐在妻という立場なので、
住んでみたい国に住めるとは限らない。

特に興味を持てない国の場合もあれば、
中には当初嫌だと感じる国の場合も。

実際に住み始めてから考えが変わる人もいるが、
やはり抵抗を感じ続ける場合も。


たとえば言葉の問題で言えば、
英語はそれなりに使える場合であっても、
赴任先の国で英語が通じるとは限らない。

かと言って、
夫も半永久的にその国に住むわけではなく、
期限も不明確。

そうなると、新しく言語を習得するモチベーションも起きない。

結果、言葉の壁がずっと立ちはだかることも。

タイのように英語があまり通じない国の場合、
どうしてもこの傾向は拭えない。

しかもタイ語は文字も独特で、
簡単にマスターできないのが一目瞭然で、
アルファベットを使う欧米圏の言語と比較しても
とっつきづらい。


文化的な違いというのも、大きな悩み。

マレーシアに移住した夫妻の場合、
夫はそれなりに海外駐在の立場に満足しているようだった。

コンドミニアムは会社が家賃を払ってくれるし、
各種の手当ても出て収入も増える。

収入が上がって支出が減るのだから、
可処分所得は相乗効果で増えていく。


しかし、妻の方はマレーシアのトイレの汚さに慣れず、
夫婦の間で意識に温度差があるようだった。

マレーシアではトイレットペーパーを使わず、
水で流す文化がある。

そのため、基本的にトイレはビショビショ。

この衛生環境には、
便座に座る機会が多い女性の方が
男性以上に嫌悪感を覚えるのは自然な成り行きだろう。

高級ショッピングモールやホテルであれば、
このような問題は解消されるが、
一般のレストラン等のトイレになると入るのは気が重い。

こうした文化的な違いによる悩みの中でも、
衛生面に関するものは根深い。


他にもトイレ関連だと、
台湾は新しいコンドミニアムを除いて
基本的にトイレットペーパーを便器に流せず、
詰まるのを防ぐためにゴミ箱に入れる。

これも日本人にはなかなか厳しいものがある。



駐在妻同士の集まり

悪名高いと言ってもいいほど、
頻繁に耳にするのが海外駐在妻同士の交流。

もちろん苦にならない人もいるし、
むしろ日本人同士で話せるのがストレス解消になる人も多い。

だが、ある意味で社宅の中での付き合いのような閉じた世界なので
合わない人には本当に合わない。


こういったことを嫌い、
あえて日本人の多く住むコンドミニアムを避けるケースも。

ただし、海外駐在妻の場合、
会社の方で部屋を手配することが多いため、
こういった選択肢が乏しい。

同じ会社の人だけではなく、
わざわざ会社や役職で序列を付けた
日本人社会が形成されている街もある。


たとえば、フィリピンの首都マニラにあるマカティ市。

ここには私も住んでいたが、
リトルトーキョーという日本人街がある。

と言っても、数軒の和食レストランと
日本の食材店が集まっているだけなのだが、
ここでは頻繁にカラオケ大会等が催されている。

その際も、
わざわざ審査員は社名と役職付きで紹介される。

駐在員同士の序列に基づく形で
わざわざ小さな社会を形成したがるのは
日本人サラリーマンの特性なのだろうか?


こういった風土が肌に合わないと、
夫の仕事にも影響しかねないということで
海外駐在妻の大きな悩みになることがある。

ちなみに、私は個人でビジネスをしている立場なので、
こういった面倒なしがらみに囚われずに済んだのは幸い。



ヒマすぎて辛い

日本だとパートをしていたのに、
夫の海外赴任についてきてからは外で働くこともできず、
急に暇を持て余すケースがある。

海外では言葉も話せず、
その国の常識もない人でしかないため、
ちょっと働こうと思っても職を探すのは難しい。

また、ビザの問題で働けないこともある。


近所に友達がいるという環境でもないし、
日本での生活とはルーティーンが一変してしまう。

それをプラスの方向に行かせる人もいるが、
そうではない人もいる。

いくらマッサージが安い国でも、
さすがに毎日何時間もマッサージで時間は潰せない。

周囲は見ず知らずの外国人ばかり。

夫は昼間は働きに行ってしまうし、
とにかくやることがない。

そんな悩みも男女問わず聞く機会があった。


個人事業主に近い形でビジネスをしている
プログラマーの友人夫妻は、
基本的に夫も普段は仕事をあまりする必要がない状態を築いていた。

彼らはセブに移住したのだが、
ヒマを持て余したのは夫だった。

妻はバドミントンのサークルに入り、
そこで友達も作って充実したセブ生活を送っていたが、
夫の方は何もすることがなくて困った上、
自宅のネットが遅くてそれも悩みのタネだった。

結局、現地のSIMを買ってテザリングすることで
ネット経由で日本のテレビを見ることができるようになり、
ひとまず悩みが解消したらしい。



子供が学校になじめない

日本の中でも転校は子供にとって大きな出来事。

まして海外の学校となれば、
スムーズに環境に順応できるとは限らない。

まして夫は仕事に出かけ、
昼間は子供と自分だけになる海外駐在妻にとって、
子供の学校問題はなおさら身近な問題になってくる。


外国人の多い街なら、
インターナショナルスクールも複数あったり、
日本人学校がある街もある。

しかし、子供に合う学校を見つけるのは
容易ではない場合も。

あっさりとなじむ子供もいるし、
彼らは親よりも現地の言葉を早く吸収できる。

ただ、そうではないケースは悩ましいところもある。



今回は海外駐在妻のデメリットにフォーカスしたが、
実際はメリットも多い。

日本人が多く赴任している東南アジアなら、
日本で暮らしていたら経験できないような水準の暮らしを満喫できる。

それも少ないコストで。


現地就職をする人に比べ、
海外駐在組は収入も多くて恵まれた立場にある。


ただし、自分で住む国すら決められないのも事実。

この点は会社に雇われる立場として、
決定的な弱点と言えるだろう。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
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