ダブリン(アイルランド)の治安と目の前で起こった事件

ダブリンの川
アイルランドの首都、ダブリンの治安には、
到着早々に不安を感じる出来事があった。

基本的にはヨーロッパの中でも安全と言われる国だが、
さすがに何もないわけではない。

私が事件に遭遇したのは、
レストランで注文を終えたタイミングだった。

ダブリンで事件に遭遇

夜の7時前、といってもアイルランドでは
9時過ぎまで日が落ちない夏なので、
外も明るくてよく見える時間帯。

名物料理のフィッシュ・アンド・チップスを頼んだ後、
店に面した道路でどよめきが起こった。

悲鳴のようなものではなく、
まさにどよめき。


外を見てみると、
1人の若い男が60歳ぐらいの女性に馬乗りになり、
すぐに周囲に止められていた。

暴行現場

その後、次々に人が集まってきて、
マッチョな若者が男を羽交い締めにしていた。

最終的には車のボンネットに男が押し付けられ、
10分以上若者に何か言われていた。

女性の方が特に怪我はなく、
何か叫びながらではあるが去っていった。


この話を聞くと、いかにもダブリンの治安は悪そうに思える。

しかし、未遂とも思えるちょっとした暴行事件と考えると、
どこの国でも起こっていること。

むしろ周囲が即座に止めてくれるというのは、
安全面ではプラスに評価してもいい気がする。

アイルランド人が親切なのは、
ロンドンからダブリンに移動してから感じていた。

こうした危機の場面でもすぐに助けてくれるのなら、
その点はむしろ安心材料とも考えられる。


ちなみに、この件の原因は分からないが、
店の人と他のお客との話を聞いていたら、
前日にも同じことがあったという。

当事者が同じかどうかは分からないが、
男は前の日にも同じ通りで問題を起こしていたということだったし、
よく見ると格好が若いだけで男も年を取っていた。

ただし、顔を見ると50代にも見える反面、
恐ろしく不健康な30代にも思える。

見るほどに不思議な顔をしていた。


2日連続でそんな事件が起こっている通りなので、
数日は通らないようにしていた。

とは言え、治安が悪いエリアには見えなかったので、
何日かして通りかかったところ、
被害者の女性が道行く人に手を出してお金を無心していた。

つまり、この人も毎日同じ通りにいるらしい。

ひょっとすると縄張り争いのようなトラブルだったのだろうか?

何しろ事の発端が分からないので、謎ばかり深まる。


犯罪統計を見る限りでは、
車上荒らし、万引き、空き巣、薬物、暴行及び傷害、
自動車泥棒、スリ及びひったくりの順で
多く起こっているということ。

日本人が被害に遭っているケースについては、
スリが最多とされている。

このあたりは予想通りであり、
ダブリンに特別な傾向があるわけではない。


アイルランドでは、ダブリン以外にベルファーストも訪れた。

ベルファーストの繁華街
郊外の道

こちらは領土としてはイングランド領になり、
通貨もユーロではなくポンドが使われている。

街中にイングランドの国旗がやたら多いのは、
主権の主張なのだろうか。

かつては独立運動による過激派のテロも頻繁だったが、
IRAの爆破事件も下火になって久しい。


ダブリン・ベルリン両都市も特に治安が悪い雰囲気はなかったし、
危険の兆候を感じたのは上記の一件のみ。

それ以外は安全そのものだった。


さすがに初の訪問数日で事件を目にしたのは驚いたものの、
アイルランド人はドイツやオランダのように極端に体も大きくないし、
別にギスギスした雰囲気もない。

むしろ人のいい国民性だと感じている。

個人的には気に入ったし、
できることなら1年ぐらいロングステイをしてみたいとすら思った。


客観的な指標を見てみると、
13位という好成績。

10位がスウェーデン、12位がノルウェーときて
アイルランドが続く。

その後、14位以下はスロベニア、チェコ、ドイツと
ヨーロッパの国が連続でランクイン。

17位にシンガポールが入っている。

シンガポールと言えばアジアの中でも
トップクラスに安全な国として知られるが、
アイルランドのほうが順位が上となっている。


気候面で見ると、夏は気温が上がり過ぎず、
30分以上歩いていても汗をかかないぐらいなので
気持ちのいい気候になる。

晴れた日でも最高気温は25度を切るぐらいなので、
とても心地よい夏を過ごせる。

最高気温が30度近くになるポルトガルやスペイン、
その他の北欧以外のヨーロッパ各国より
7月や8月は過ごしやすい。

ただし、おかげでハイシーズンはホテル不足で、
少なくとも3週間前には予約を済ませておきたい。

7月に訪れた時には、
居心地の良いホテルは軒並み満室で、
延泊もできない状態だった。

いかにも泊まり心地が良くなさそうにホテルに
妥協して泊まったのも1度や2度ではない。

夏のダブリンやベルファスト、ゴールウェイの過ごしやすさは
ヨーロッパでは周知の事実となっている。


ダブリンは治安のデータを見ても問題なく、
住みたい街の1つになった。

ダブリンの街並み
川
アイルランドの住宅

何年も前からアイルランドには来たかった。

ただし、それは旅行者として。

魔女の住む森のようなダークヘッジも今回見ることができたし、
アイルランドの草原や断崖、海等の自然も楽しめた。

それでもこの国の魅力が尽きることはなく、
むしろ住環境としても良いことを知ることができたのは今回の収穫。

もっとも、例によってビザが障壁となるので、
住みたいからといって勝手に住み着くことはできない。

それでも、90日まではビザなし滞在も可能なので、
将来的にその期間を目処にダブリンに住むこともあるかもしれない。


アイルランドの人は親切な印象が

ヨーロッパの中でも国によって、
歩いているだけでも国民の違いを感じることがある。

たとえば、イタリアはあやしげな男が頻繁に寄ってくる。

長距離鉄道を降りた場面等、
旅行客向けに法外はチップを要求する男たちを中心に
関わると厄介な人物が近づいてくる。


ブルガリアは国民の大半が軍人なのではないかと思うほど、
妙に殺伐としている印象があった。

そこそこ愛想の良い人の層が極端に薄く、
無骨で無愛想な人と極端ににこやかな人の
両極端に分かれるイメージがあった。


アイルランドに関しては、
ペラペラと余計なことを話すわけではなく、
しかし親切という印象がある。

不言実行の雰囲気も漂っているし、
個人的には好きな性質だった。


初めてダブリンに着いた日には、
ホテルの近くでいまいち道が分からなくなっていたが、
散歩中と思われる小柄なおじいさんが近づいてきて
ホテルまで案内してくれた。

その後、来た道を引き返していったところから察するに、
道の途中だったわけでもなく、
わざわざ親切に付いてきてくれた模様。


ホテルでの対応等も含め、
アイルランド滞在中は人の良さに触れることが多かった。

これはダブリンでも、ベルファーストでも共通して言えること。


自然の美しい国で、人柄も良い。

この世界一周が終わった後、
確実に再び訪れるであろう国が1つ増えた。


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