東南アジアの不動産が安い時代は終わった


シンガポール以外は新興国で構成される
東南アジアの不動産は安い上、
今後の経済の伸びや人口増加によって
未来が明るく投資対象として条件が良いというのは
すでに過去の話となった。

国によって物件価格の上昇のスピードや
タイミングはまちまちではあったものの、
すでにシンガポールやタイ、マレーシアのように
この地域で経済が強い国はもちろん、
スリランカやカンボジア等の発展が遅れている国でも
コンドミニアムの価格が上昇している。

たとえば、1ベッドルームの部屋が1,000万円以上というのは、
カンボジアの首都プノンペンや
スリランカの首都のコロンボでも珍しくはない。

日本の地方都市のマンションの一室よりも
平米単価も高いということに。

まだまだ生活が不便で、
交通網も整っていない街ですら
このレベルになってしまった。


あまりに急激な価格上昇の理由


東南アジアの各国、あるいは各都市の発展度、
経済の伸び等の指標に即した形で物件価格が推移すると考えると、
この地域の不動産の高騰ぶりは説明できない。

まして人口の伸びで理解しようとしても、
そこまで急激に不動産需要が伸びるほど
人口爆発が起こっているわけでもない。

たしかにフィリピンをはじめとして、
年齡別の人口構成が美しいピラミッド型を描く国は多い。

先進国がのきなみ少子化に陥っているのに対し、
東南アジアは人口が増加傾向。

しかし、住宅需要が数年で跳ね上がることはさすがにない。


むしろ主要要因となっているのは、
世界中の投資資金が東南アジアの不動産市場に流れ込み、
それが物件価格をお仕上げたという部分。

つまり将来の価値の上昇を見込んで、
今の段階でお金が流れ込んできた。

アメリカやヨーロッパ、日本が量的緩和をしたことで
市場にお金が余るようになった。

かと言って、通貨を発行した国で消費する必要はなく、
自国にチャンスがないと見た投資家やヘッジファンド、銀行等は
海外に目を向ける。

そして不動産価格が安かった東南アジアも
その対象になった。


こうして実需とはかけ離れたスピードで
東南アジアの不動産価格は上昇した。

国によってルールが違うが、
フィリピンやタイのように
土地は所有できない国が多く、
外国人が投資しやすいコンドミニアムの価格は
特にわかりやすく上昇している。

ちなみに、フィリピンの場合には
コンドミニアムの区分所有権でなら
土地を所有することは可能。

タイではそれも不可能なので、
私が購入したコンドミニアムは
借地権を設定して建物を所有している。



すでに東南アジアの不動産が安かった時代は過去になり、
価格はつり上がっているが、
それに伴うリスクも露呈し始めている。


低すぎる利回りと深刻な空室


東南アジアでの新興国の中では、
タイとマレーシアは両巨頭と呼んで差し支えない位置にいる。

シンガポールはすでに先進国に分類できるレベルなので、
別格として。

そして、このタイとマレーシアは
不動産価格の上昇タイミングも早かった。

やはり東南アジアに目を向けた人も、
いきなりASEANの最貧国付近に目を向けるわけではなく、
ある程度情報が得やすく、
視察等に行くにも便利で
法制度も確立されている国をまずは目指す。

こうしてタイやマレーシアは当初から資金が集まった。

ある意味、他の国の将来を占う先行事例。


では、両国はどうなっているか?

物件価格の上昇は家賃の値上げよりも
はるかに強烈に進んだ。

結果、住人にとっては住みやすさが大きく損なわれず、
投資家にとっては利回りが得られなくなった。

バンコクやクアラルンプールはこの傾向が顕著。

賃貸付けに成功しても、
実質利回りが2%という物件も。

これでは家賃によるインカムゲインを獲得するのは無理。



しかも過剰な開発によってコンドミニアムが乱立し、
賃貸付けが難しくなっているという事実もある。

たとえば、クアラルンプールには
パビリオンというショッピングモールがあり、
その上は居住棟になっている。

この街を代表するモールに直結のコンドミニアムとなれば、
引く手あまたにも思える。

しかし、実際に所有していた知人によると、
半年以上借り手が付かない状態だったらしい。

これだけの一等地であっても、
簡単には借り手が見つからないほどに
供給過剰になってしまっている。


首都以外に目を向けてみると、
私が以前に投資修行のために住んだ
マレーシアのジョホールバルでは、
ただでさえ人口密度がスカスカなのに、
大規模開発を進めていた。

開発前ですらシャッター通りが散見されるのに、
高層ビルを次々に建設する必要性が見られない。

元々、マレーシアは人口密度が低く、
日本の8割ほどの面積の国土に
3,000万人程度しか住んでいない。

クアラルンプールを除けば、
基本的に土地は余っている。

あとはビーチリゾートとして人気があり、
島であるために土地が限られているペナンは
高層コンドミニアムを建てるのも分かる。


しかし、人口が国内2番手のジョホールバルでさえ
土地が余っているのが現状だった。

なお、人口が3番手のイポーは
ろくに高層ビルが建っていない。


このような需要のないところに立派なコンドミニアムを建てても、
当然ながら高い家賃を払って住みたい人は足りない。

私はジョホールバルに住んでみて、
投資をすることはやめた。

その判断は当たっていたようで、
投資をした友人の話を聞いても賃貸付けで苦戦していて
適当なタイミングで処分したいということ。


タイやマレーシアがこのような状態の中、
続く東南アジアの各国はどうなるのか?

見ている限り、
同じ道をたどる予感がしてならない。


大きな値下げというピンチとチャンス


すでに世界の投資資金は先進国に回帰し始め、
東南アジアの不動産価格の上昇ペースは鈍化している。

今から投資しても望ましい結果が得られないのは
プロであるほどに痛感しているところで、
むしろ先進国の株式や不動産に資金を戻す動きに切り替わった。

とは言え、まだまだ物件価格は高いところにとどまっている。


この状態で、リーマンショックのような経済危機が来たらどうなるか?

不動産の場合、株式に比べると下落速度が遅く、
比較的ゆっくり落ちていく。

そのため、経済危機の時に株を空売りするよりは、
不動産を底値で拾うのはタイミング的に後。

ある意味、焦らずのんびり動き出せばいい。

逆に言えば、じりじりと
タイミングを待たなくてはいけないとも言えるが。



これはチャンスにフォーカスした場合の話だが、
すでにコンドミニアムや戸建て・土地等を
所有している場合はどうか?

私もタイとフィリピンでコンドミニアムを所有しているが、
当然ながら金融危機によって物件価値は毀損する。

今よりも安くなるのは当然で、
少なくとも一時的にはマイナスになる。

長期保有を前提にしていればいいが、
売却を考えている物件については
買い手も減って流動性に問題が起きることも予想される。

つまり、今の価格では売れなくなる恐れがある。


その状態でじっと耐える資金力があればいいが、
金融危機が来た場合には、
キャッシュが不足する人も続出する。

株式やFXで資金を飛ばしたり、
不景気のあおりで倒産や失業にあい、
給料が得られなくなったり。

手持ちの資産を現金化しなければいけないとなると、
高値で購入した不動産を
安くなったタイミングで売らざるを得ず、
しかも不動産市場の流動性が下がれば
ますます早期の売却は困難に。

泥沼になる。


すでにこういったリスクの方が、
東南アジアの不動産投資においては
目立つようになってしまった。



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執筆者、伊田武蔵
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