営業事務にやりがいなんて見い出せなかった


20代の時に営業事務をしていたが、やりがいなんてなかった。

職種だけですべてをひとくくりにはできないので、
あくまで私が勤務していた会社の話として聞いていただければと。



中小の通販会社だったのだが、朝はデータ入力から始まる。

前日までの注文分をパソコンに入力していく。

普通に考えると注文を受けながら
システムに打ち込んでいくほうが手間がかからないが、
ITに極端に弱い古い体質の会社だったので、
そういった取り組みはできなかった。



しかも単純作業なので、社員がやる必要もない。

営業事務の中でもデータ入力の仕事なんて
バイトを雇えばよさそうなもの。

やりがいがなくても人は集まりそうだったが、
募集できない事情があった。


というのも、その会社の営業手法がグレーすぎて、
実態を知る人を増やしたくないという社長の意向があったから。

どのみち次々に社員を使い捨てにする
離職率の高い会社だったので、
正社員を雇ってもリスクは減らない気もしたが・・・。



午後になると商品の梱包とか、入金確認等の作業が続く。

こちらもバイトで十分対応できる業務内容だし、
入金確認に至ってはシステムを組んでもらえば
自動で行えるのではないかと思う。

営業事務の社員を雇うよりも、
プログラマーに依頼した方が安上がりになるはずだが、
70代の社長や役員にそんな話は通じない。



しかも私がいた営業事務の部署は慢性的な人員不足と
パワハラという問題を抱えていたので、
もうやりがいとかそういう崇高な目的どころではなかった。

2つの問題を発生させる直接的な原因は1人の上司で、
パワハラを行って次々に部下を潰すため、
人が育たずに人員不足という流れができていた。


そもそも営業事務というのは、
経理や総務に比べると不人気職種。

求人サイト等で募集しても応募があまり来ない。

やりがいとかキャリアアップとか、
そういうことを考えれば仕方がないだろう。


結果、他の部署の希望者を営業事務に配置していたのだが、
私も当初は経理志望だった。



こうして新人を無理やり獲得していたが、
1人の上司が退職に追い込んできた歴史があるため、
空回りに終わる結果になってきた。

1年以上たって入社してきた後輩の1人も、
2ヶ月以内に去っていった。


毎日が恫喝にさらされる修羅場の日々だと、
仕事にやりがいなんて求める気もしなくなる。

ただ苦痛から解放されることが望みになるので。



営業事務の仕事はタイムトライアル的な単純作業が多かったが、
DMを考えたりするのは数少ないクリエイティブな仕事だった。

私が勤めていたのは通販会社なので、
販促手段としてDMはとても重要。

メールではなく郵便なのでコストもかかる。


当然大手の通販会社とも競合するため、
それなりに見栄えがいいものを送るなり、
コピーライティングのスキルを使うなりしないと
反応が取れるはずはない。

しかし、そこは素人集団だった。

特に高性能でもなんでもない社内のプリンターを使い、
粒子の荒いDMを印刷して送っていた。


毎月送っていたが、結果が素晴らしいわけはない。



その会社を辞めて自分でビジネスを持つようになってから
色々と学んできたが、当時のDMはひどかった。

コピーライティングの観点から見ても
タブーばかりをおかしている。

注文が取れないのも当然だし、
誰一人として知識を持っていないのが分かる。

営業事務の素人集団だったため、
コピーライティングを学んだ方がいいということにすら
誰も気づかないという始末だった。



営業事務の仕事にやりがいを見出そうとか、
そんな気持ちは入社数日後には消えていた。

この上司の下でこれから働いていくのかということに、
すでに絶望し始めていたから。


仕事にやりがいを感じるなんて都市伝説のような感覚が
サラリーマン時代にはあった。



独立してからはやりたくないことはしないし、
仕事は選ぶようにしている。

やりがいというと大げさだが、
成長につながらないことはしたくない。


単純作業のような営業事務的な仕事は、
外部のSOHOの人に任せることもできる。

いわゆるクラウドソーシングのサービスができたことで、
別に人を雇わなくても
仕事ごとに請け負ってもらえるので。



自分は本質的に価値を生み出す作業に専念して、
他のことは人に任せる体制ができた。

おかげでやりがいを感じる仕事ができるようになったし、
自由な生活を送れるようにもなった。



今でもあの会社で営業事務を続けていたらと思うとぞっとする。

その仮定の末路を想像すると、
こちらの道に来てよかったと心底思う。


独立してから、役立つスキルはあったか?

会社から独立し、すでに8年が経とうとしているが、
営業事務をしていて役に立ったことがあるかと
ふと思い返してみた。

サラリーマンとしての経験という広い意味ではなく、
よりピンポイントのスキル単位で。

考えてみると、皆無。

何しろ、当時の仕事のほとんどが
今ならシステムで自動化できることで、
わざわざ手入力するメリットなんてない。


では、タイピングスピードが上がったのは
多少でも貢献しているのではないか?

たしかに当時は時間に追われるように、
というより実際に追われながら
キーボードを叩いていた。

さながら早打ち競争のように。

しかし、当時使っていたのはテンキーの数字と
ごく限られたアルファベットのみ。

社内以外では使えない暗号のような文字列を
ひたすら繰り返し入力していただけだった。


現在使っているパソコンには、
そもそもテンキーが付いていない。

タイピングのスピードが早いのは役に立つが、
営業事務の経験によって改善したという実感はない。



やりがいのない仕事だっただけではなく、
どうやら独立してから役に立つスキルもほとんどなかったらしい。

そもそも人間がやらなくていいような仕事だったり、
バイトに任せればいいような内容だったため、
独立して自分で行うようなものではない。

仮にシステムによる自動化ができなければ、
外部のSOHOさんにでも有料で依頼すればいいだけ。

自分は価値を生み出す仕事に専念した方が
収入を増やす上でも、顧客の満足度を上げる上でも有意義。


スキルとも言えないスキルしか身につかなかったと思うと、
つくづくムダな期間だったと思わざるをえない。



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執筆者、伊田武蔵
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