シビウ到着1日目




もともとこのシビウという町には、やってくる予定もなかったが、シギショアラからハンガリーとの国境の町、アラドへの中継地点として、せっかくなので2泊してみることにした。

Hotels.comで予め予約はしてあったので、シギショアラから鉄道で移動してきて、当初の時間より少々遅れ、午後2時過ぎに着いてからホテルを目指して、ほぼ1本道となっているところを歩いていくことにした。

妙に若者が向こうからやってくるところを見ると、大学の授業が終わったのかと思っていたが、私服ではあるものの年齢がそこまで高くなさそうだったので、高校が授業を終えたタイミングだったのかもしれない。

中にはあまりガラの良くない集団もいたので、警戒はしていたが、特に何かが起こるわけでもなく、無事にホテルに到着することができた。

但し、石畳の目がだいぶ粗い場所もあるので、スーツケースの車輪ごしにその振動が中に伝わり、外付けのハードディスクとか、そういった製品への影響というのが若干気になった。

ホテルは容易に発見できたものの、レストランと一体になっているタイプで、どこがホテルの入口であるのかがなかなかわからず、3往復してからようやく見つけることができた。

部屋はなかなか広めだし、ドアの鍵がカードキーではなくて、差し込み式のもので、開閉ひどうもコツがいるらしいことを除けばなかなか良さそうだった。

部屋にはハイネケンのビールグラスが置いてあって、部屋飲みをするにもなかなか良さそうだった。

しばらくは部屋で仕事をしていたものの、夕方になってきたので、少し町歩きをしてからシビウ発の食事をとりに行くことにした。

特にどこへ行く当てがあったわけでもなく、ホテルでもらったマップについても、特にどこへ行くあてがあったわけでもなく、ホテルでもらったマップについても、あまりみどころについては書かれていなかったので、適当にブラブラすることにした・

どうやらこのシビウという町も、丘の上の旧市街がメインという意味では、シギショアラと同じような感じらしい。

そういった意味では非常にわかりやすい地形で、前提知識のない旅人にとっても助かる。

2つほど大きな教会を見てきた後で、丘の上から坂を下る途中で気になる空間があった。

城壁をくり抜いたような門のすぐ先に、右側に降りていく階段があって、そこが様々な植木鉢で飾られている。

その矢印の向こうにはレストランと書いてあったので、そこへ入ってみることにした。

最初は英国式のガーデニングに彩られたレストランを想像していたが、室内は打って変わって洞窟風になっている。

城壁や屋根裏部屋と並んで、洞窟風のレストランが好みの私としては、とても嬉しい誤算だった。

特に今日は寒かったので、外で食事をするような気分ではなく、どのみち店内で食べようと思っていたので、美しい庭園よりもこの洞窟のような雰囲気の方がずっと嬉しい。

そこで牛肉を煮込んで、甘いソースとスライスしたオレンジとストロベリージャムを乗せた肉料理と、野菜とビールを注文した。

ここはルーマニアのレストランにしては、かなりレアな存在で、どうやら室内は禁煙らしい。

ということで、いつものような空気の悪さに辟易とすることもなく、ゆっくりと食事を楽しみながら、出てくるまでの時間も読書を楽しむことができた。

満足して店を出ると、黒猫がすり寄ってきた。

そして、頭にぽつぽつと水滴が落ちてきたと思ったら、徐々に雨足は強くなり、そして冷え込みも勢いを増してきた。

ホテルに戻るには少々早い時間だったし、まだ歩きたいところではあったものの、この雨と冷えではそうも言ってられず、鞄の中の折り畳み傘を取り出して、足早にホテルに戻ることにした。



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執筆者、伊田武蔵
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