国内線と国際線だと、何となく国際線のほうが時間がかかりそうな気がするし、料金が高いイメージもある。
日本の場合、島国で海に囲まれているため、多かれ少なかれこれは正しい部分もあるし、北海道から沖縄に行くよりも福岡からインチョンに飛ぶほうが近いといった例外はあるにしても、体感的には当たらずも遠からずといった状態ではあると思う。
しかしながら、今回のベトナムの旅を振り返ってみると、なんだかいまいち感覚としてしっくりこないのが、ダナンからハノイまでは80分のフライトであるのに対し、ハノイからバンコクまでは国際線で、さらには間にカンボジアもあるのに110分しか掛からないので、30分しか差がないということ。
ちなみに金額でみてみると、ジェットスターでダナンからハノイまで飛んだ場合、17ドルでプラス空港使用料等がかかる。
日本円にすると約2000円。
これに対し、ハノイからバンコクに行く場合、安い日だと30万ドン、つまり日本円にすると1500円程度でチケットを取ることができ、それ以外の税金や諸費用が加わっても6400円程度と格安になっている。
料金的には大きな差はないが、それ以上に驚いたのは、30分しか時間が違わない点。
地図で見てみると意外にこれは納得できる部分もあるが、それにしても移動というのはやはり不思議なものだと思う。
ちょうどハノイとバンコクの間くらいにビエンチャンが挟まれているような形になるので、単純に合理的な移動を求めるのであれば、ハノイから一旦ビエンチャンに飛んで、そこからバンコクに寄ったほうが途中も楽しめることになる。
しかし、実際問題としていうと主要空港の移動のほうが料金は安く設定されていることが多く、ビエンチャンやラオスの他の都市は、その意味で不利な条件になる。
例えばベトナムであればジェットスターやベトジェットといったLCCが参入しているが、ラオスの場合原則としてLCCが就航していないため、ビエンチャンに行くことはできても、そこから先はラオス航空等のナショナルフラッグに頼らざるを得ず、たいして豪華な機内でもないのに料金だけは妙に高くなる。
以前ビエンチャンからルアンパバーンに移動したときにラオス航空を使ったが、航空機のグレードとしてはエアアジアと特に変わらないくらいのレベルだった。
ラオスといえばアジアでも最貧国の一つと目されていたが、観光に関しては賢い政策を取っていて、したたかな国だと感じている。
これは別に嫌味で言っているわけではなくて、むしろ多くの国がルアンパバーン等のやり方を見習うべきだとすら思っているし、ただ単に世界遺産に運よく指定されただけではなく、マーケティングとしてもうまくリソースを生かしながら活動をしている印象がある。
ベトナムに関しても、中部を中心にうまく観光資源を使っている印象があるし、欧米人観光客向けの店もできてはいるが、大量に入ってくる中国人を持て余している感じは否めなかった。
これは特にダナンのビーチ等で感じたことだが、今後も課題だろう。
一方観光マナーの悪い国としてはインドも挙げられるが、こちらはスマホの出荷台数が2015年のみで1億台を突破したとIDCインドが発表した。
これらの人口が多く、なおかつ各国への旅行者も多い国の中でも、特にマナーが悪い人をいかにして避けるかというのは、世界的にみても喫緊の観光業界の課題だろう。