香港の賃貸アパートの家賃が高すぎて住宅事情が悲惨

移住先としてみた場合、
香港の賃貸アパートの家賃相場や
住宅のクオリティーはマイナス面と評価せざるを得ない。

香港の高層住宅

毎月支払うコストが高い上に、
部屋は狭く古く、あまりきれいと言えないことも多い。

窓からの景色に期待できる部屋も限られる。


こうした劣悪な住宅事情に甘んじざるをえないのは、
まず土地が狭いという理由がある。

香港の面積は東京の半分ほど。

ここに730万人ほどの人口がいるが、
これなら東京と比べて極端に人口密度が
高くはないように見える。

しかし、約7割の土地が山や森林保護区等のため、
実際は3割程度の土地しかフル活用できない。

結果として新旧入り混じった高層ビル群が立ち並ぶ街となった。

香港国際空港から香港島や九龍エリアに向かっていると、
山の上に現代的なコンドミニアムがあったり、
今にも連鎖反応で次々に崩れ落ちそうな
密集した古いアパートメントも見かける。

どこにフォーカスするかで、
まったく印象が変わってくる街。


当然ながら、
家賃を安めに抑えようと思えば
古いアパートメントに入居するのが有力な選択肢になる。

かなり惨憺たる有様の建物であっても、
香港島なら家賃は1万香港ドルを下回ることは滅多にない。

九龍側でも8,000香港ドルから。

為替レートにもよるが、
どちらも10万円をくだらない。

これはスタジオタイプの部屋の場合で、
きれいな部屋であることも、
素晴らしい眺望も期待できないことが前提。

それなりの住み心地の2ベッドルームの部屋なら
2万3,000香港ドルは見ておく必要がある。

この予算でも、
そこそこの部屋が見つかれば御の字という部分も。


高騰を続ける家賃


家賃が上がり続ける理由は
土地の狭さに加え、
中国人の投資熱が流れ込んできたことが上げられる。

個人での土地の所有ができない中国本土と違い、
香港は投資家の権利が守られている。

中国人にとって身近であり、
アジアの金融センターでも香港には
中国からの投資資金が流れ込んで
土地や不動産の価格を跳ね上げてきた。

現在ではその勢いはゆるやかになったものの、
いまだに家賃は上昇傾向にある。


香港に住むのであれば、
必然的に高い家賃を支払って
それなりのコンドミニアムに住むのか、
ボロボロのアパートメントで
安いとは言えない家賃を支払うのか。

どちらにしても住宅事情は厳しい街なので、
家賃の費用対効果はとても悪い。

この街に移住したいと思わない理由の1つはここにある。


一方で、節税をしたい富裕層にとって、
香港居住者になっておくことの意味は小さくない。

賃貸コンドミニアムでも自己所有物件でもいいが、
住所をしっかり持っておきたいと考えて
移住する人は少なくない。

日本は累進課税なので、
富裕層ほど節税が重要な意味を持つ。

そうなってくると、
月に数十万円程度の家賃は小さな金額。

税金が圧縮されるメリットに比べれば
大事の前の小事にすぎない。

こうした事情があるのなら、
住宅事情を議論するまでもなく
香港に移住する大きなメリットがある。


しかし、そうした事情がない場合には、
やはり家賃の高さは気になるところ。

この家賃負担が関係ないケースとしては駐在員が挙げられる。

会社によって事情は異なるが、
原則として家賃補助が出るため
それなりの部屋に無料で泊まることができる。

日本で働いていた時に
自分の給料から家賃を出していた時よりも
部屋のグレードが上がることが一般的。

香港の家賃が高くても懐は痛まないため、
こうしたケースならメリットがある。

ついでに言えば、
就労ビザを持って継続して7年暮せば
永住権が得られるというメリットも。

もっとも、駐在員として7年同じ街に住めるのは
かなりレアな事例にはなってしまうが。

中には日本に戻されそうになって
退職して香港に住み続け、
永住権を取得する人もいるらしい。

たしかに、それだけのメリットはある。



住環境の厳しさは他にも

尖沙咀
香港のコンドミニアムやアパートメントは
2年契約のところが多い。

そのうちの半分以上の期間を過ぎずに解約すると、
契約期間の半分までの家賃を請求されるのが一般的。

ということは、1年以内に退去する場合でも、
1年分の家賃を支払うことになる。

住み始めてから部屋に問題が発覚した場合、
この機動性の低さは痛い。

近隣住人の夜中の騒音のように、
入居してから気づく問題点だってある。


一方で、日系の不動産会社も進出しているので、
英語や中国語ができなくても部屋探しに問題がないのは心強い。

入居後のサポートも含めて請け負ってくれる会社なら
多少高めの仲介手数料を出す価値はあるだろう。


香港の天災事情

残念だが、台風は香港にも直撃する。

時には出歩かないように警告が出されることも。

台風シーズンの香港においては、
日本と同様に飛行機が飛ばないこともある。

自然災害として台風は身近な問題。


ただし、地震はほぼない。

あの頼りない老朽化した高層ビル群が無事なのは
地震による倒壊がないのも理由なのだろう。

完全に0というわけではないが、
20世紀の100年で起こったマグニチュード5以上の地震は
6回だけとされている。


なお、家賃以外も物価が上昇しているのは肌身に染みて感じる。

レストランで食事をしていても、
以前は200円程度だったお粥が
同じ店でも350円を越えていたり。

生活費の上昇は否めない環境なので、
住宅事情に合わせてお金の管理はしっかりしておく必要がある。

香港でビジネスをして稼ぐとか、
節税メリットを享受するのなら住む意味はあっても、
居心地だけを考えると移住対象にならないのは
こうした事情があるため。


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