海外移住といえばアジア、のようになってしまっている理由




海外移住をする場合アジア諸国に出る人が多いし、単純なあこがれとかではなく現実的にビザ等のことも踏まえて引っ越すとなるとそういう選択を取る人が多い。

実際私もこれまで住んできた国というのは、日本以外だとフィリピンとマレーシアの2か国。

これらは永住権やリタイアメントビザを取っているので、無期限で住むことができる

また各国の日本人居住者とも知り合うようになったが、大半はアジアにいる。

いわゆる移住人気国である、タイやマレーシア、フィリピンなどを中心にベトナムやカンボジア、インドネシアなどに住んでいる人もいるし、以前ミャンマーに住んでいて現在はマニラ在住という人もいる。

さらに香港や中国韓国といった東アジアに住んでいる人もいる半面で、ヨーロッパ在住の人というのは知り合いも見ても少ないし、北米在住はカナダやアメリカ在住の人が何人かいるが、こちらも数は限られている。

海外移住を本気でしようと思うと、結局アジアのどこかに限定されてしまうというのは明確な理由がある。


住みたい国には大抵住めない

ロングステイランキングの発表している海外移住先人気ランキングなどを見ると、ハワイやオーストラリア、ニュージーランドなども上位にランクインしている半面で、これらの国は非常に移民の受け入れに対して厳しい姿勢を取っている。

もっとも現地で安い給料で働くということであれば別だし、ワーキングホリデーの制度を利用して一時的に住むことはできるが、上記の永住やあるいはリタイヤメント層が住み着こうと思うと、ビザを取るだけで数千万円台後半くらいの資金は当たり前のこととして出さなくてはいけない。

逆に言えば資産が5千万円くらいだったら論外ということ。

何しろ資産のすべてを、ビザを取るためだけに使おうという人はまずいないわけで、ビザの取得費用の倍以上の財産がない限り話にもならないだろう。

そうなってくると、オーストラリアに移住できるのは日本人の中でもごく一部の富裕層かあるいは現地で労働者として働くこと考えている人くらい。

ちなみに現地で雇われると、かなり苦しい生活が待っていることが多い。

そもそもシドニーやメルボルンに関しては、東京や大阪と比べても物価が高く、その分最低賃金も高く設定されているが、話を聞いていると決して豊かな生活とは言えない。

それだけ経済的にはカツカツの状態になることを前提に考えなければいけないので、特に手に職がないような場合であれば、お金の面ではずっと困り続けなければいけないという前提になる。

もっとひどい店や会社になると、日本人にビザを出す代わりに最低賃金以下の労働を強いるところもあると聞く。

そこまでしてオーストラリアに住みたい人が中にはいるというのも大したものだと思うが、そこまでの現実を受け入れるぐらいだったら、もっとビザの取りやすい国に住みたいという人が大半を占めるのは自然な流れだろう。


生活費よりもビザがアジア移住の焦点!?

中国や韓国は勿論、東南アジアのタイやマレーシアやインドネシアやフィリピンであっても、継続的なインフレと為替が円安に振れたことによって随分と生活コストが上がっていると感じる。

これらの新興国においては日本人が現地の人と同じ水準のクラスをするというのは困難で、それはリスク管理ということでも、あるいは生理的な衛生観念ということで言っても、かなり特殊な人以外は外国人としての暮らしをすることになる。

そうなってくると、いくら現地の人の給料や人件費が安いと言っても、それと同じ生活水準を得られるわけではないので、当然ながら外国人価格というものが生活のあらゆるところに適用される。

たとえばバンコクでコンドミニアムを借りる場合、単身者用でも7〜8万円するのは当たり前のことだし、これであれば日本の地方都市でマンションを借りたほうが安い場合すらある。

それにもかかわらず、なぜアジアに海外移住をする人がいまだに多いのかといえば、それは物価以外の様々な要因が理由として挙げられる。

たとえば異文化の中で暮らしてみたかったとか、単純に日本が嫌になったとか、花粉症なので他の国に移住することで花粉を遠ざけたいとか、年中温暖な国に暮らしたいとか、単純に好きな国が見つかったとか。

理由は色々だが、その中でもあえてアジアを選ぶというのはやはりビザの取得しやすさというのが大きい。

いくら憧れがあってもビザの取れない国に住み着くということは不可能だし、そうなってくると意外に選択肢は狭い。

特に50歳未満だとリタイアメントビザを取れる国もフィリピンやマレーシアのようなごく一部の例外を除けばほとんどないので、尚更狭き門となる。

さらに言葉の面で問題があったり、役所との手続きを自分でやりたくないということになってくると、日本人向けのビザ取得サポート業者がいる国でなければいけないし、やはりアジア諸国というのが有力になってくる。

結局こうして近場であるアジアに海外移住をする日本人というのが歴史的にも多かったし、今後もその流れは続いていくものと思われる。


ヨーロッパが示すチャンスと壁

単純に物価や生活費ということで考えると、ヨーロッパの中の一部の国は東南アジアと同じくらいの水準となっている。

例えばハンガリーやポーランド、チェコなどは治安もいいし、街の景観もきれいでありながら物価は東南アジアで外国人として暮らす場合とほとんど変わらない。

バンコクやマニラやクアラルンプールで暮らすぐらいの生活費で済むので、それであればヨーロッパに住みたいと思うような人も少なからずいるのではないだろうか。

ポルトガルとか、南欧のイタリアとか、あるいは東欧諸国というのは物価が安く、北欧やイギリスとは全く違うので、うまく活用できれば面白い展開になっていくと思う。

私自身もこれらのエリアには非常に注目していて、最近は一年の三カ月くらいをヨーロッパで過ごすようになっているが、移住するとなると大きな問題がある。

これはやはりビザの問題で、実を言うと欧州経済危機の影響で外国からお金を呼び込みたい一部の国が、非常に低いハードルでビザを発行していたりもするのだが、何しろ日本人向けのまともなビザ業者というのは見つからない。

まともに仕事ができそうにない業者であれば発見することはできたが、とても頼む気にはならず、そうなるとすべての手続きを自分でやらなければいけないが、それには膨大な手間がかかる。

そこまでしてビザを取りたいかと言われれば謎。

それよりはむしろ双方等の登録をしてビジネスビザを取る方が、まだ手続きは簡単なのではないかとも思っているが、これはこれでいくつか事前に解決しておくべき疑問も残っており、今後も検討課題となっている。

私自身はアジアでの生活はだいぶ長くなってきたし、そろそろ次の展開も欲しいとは思っている。

しかしながらそれはアジアというよりも、むしろどちらかというと東南アジアという印象だが、そのエリアを捨てるというよりは、別のエリアを見ることで気分を一度リセットして、新しい気持ちで向き合えるようになるためという目的が強い。

結局今後も東南アジアが重要な拠点であることに変わりはないし、だからこそフィリピンで永住権を取ったりもした。

ただし長く住んでいると飽きてしまうというのも事実ではあるので、その点は悩ましいところ。



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執筆者、伊田武蔵
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