ジョホールバルの生ける伝説



私がマレーシア・ジョホールバルに移住して
半年ほど経過した頃、その男はやって来た。

元々は12の海外法人で投資・ビジネスを行なう道元の
友人として移住してきた蓮司。

当時はたしか34歳で、
身長が高く引き締まった体格と顔つきが印象的だった。

今になって思えば、
彼の変わったところは最初から現れていた。

マレーシアの永住権的な位置づけになるビザ、MM2H。

このビザを取得する日本人の大部分は
取得代行業者に依頼する。

マレーシアの役所の適当さにうんざりするよりも、
その方がはるかにいいから。

実際問題、自分でやれば膨大な時間がかかる上、
取得までたどりつけるかもあやしい。

私自身、申請は業者にお願いした。

私の周りでもMM2H取得者は何人もいるが、
唯一自力で申請したのが蓮司。

案の定、役所の言動が二転三転して相当苦労したようだが、
自らビザを取ってしまった。

そして、半年ジョホールバルに住んだ後には
フィリピンの奥地へと移住。

マニラでもセブでもなく、
日本人を含めフィリピン人以外誰も住んでいないエリアへ。

最初に住んだのはエアコンもなく、
シャワーもお湯が出ない家だったという。

さすがにその家は引っ越したらしいが・・・。

そこでフランチャイズの薬局を開き、
近くのライバル店から言いがかりを付けられたりしながらも、
(他の薬局との距離制限で文句を言ってきたらしい)
経営を安定軌道に乗せた。

異常なまでに手続き的なことに強いのが蓮司。

私と真逆な性質だ。

フィリピンで薬局開業のための手続きを自ら行うなんて
想像しただけでも身の毛がよだつ。

それを淡々とこなしてしまう男。

そして、フィリピンでの生活も1年で切り上げ、
薬局の経営はフィリピン人スタッフに任せて
自らはコソボへ。

日本人が10人も住んでいない国で
新たな生活を始めてしまった。

コソボ在住の日本人は半数ほどは国連関係らしく、
蓮司のようにビジネスでやって行くのはレア。

彼の開拓精神と手続きを自ら推し進める能力は
海外移住仲間の中でも群を抜いている。

周りにこうした仲間がいると助かる。

情報が共有できるので、
各国の移住のハードルや手続きも分かるので。

事実、私もマニラに移住する前には
出国用の航空券が必要かどうか
コソボの蓮司にスカイプをつなげて確認させてもらった。

私が2年以上ジョホールバルに住んでいた間に、
彼はフィリピンでの生活を切り上げ、
すでにコソボに移っていた。

不思議なもので、海外に移住したら
各国に住む日本人と知り合う機会が増えた。

そこから情報が入ってくるので、
今後住む国を考える時に参考になる。

1人の情報網では限界があるが、
それぞれの持っている情報や体験を持ち寄れば
その力は大きなものになる。

その中でも蓮司のような開拓者はやはり特別で、
ジョホールバルの生ける伝説となってしまった。

あの頃はジョホールバル移住仲間もまだ人数が少ない時期で、
あそこまで短期間で次々に異常なまでの動きをしていたのは
蓮司ただ1人だったので。

世界4大自由倶楽部のメンバーからも
色々な国に住む人が増えればそれだけ情報は蓄積されていく。

現地で働くサラリーマンや国際結婚以外で、
自由に各国を周りながら住むという生き方は実践者が少ない。

当然、情報も不足している。

何しろビザ1つ取っても、
国ごとに制度はまったく違う。

簡単に住める国もあれば、
数千万単位の投資や預金が必要だったり、
億単位の資産が要求されることもある。

フィリピンのようにほぼ何の手続きもなしで住める国がある一方、
ポルトガルのように半年前から動き出さないとダメな国も。

しかも、こうした条件は常に変動している。

世界4大自由倶楽部のメンバーが自由をつかんで好きな国に住めば、
それぞれの情報が互いに価値を持つことになる。

こうした情報があれば住みやすい国を知ることもできるので、
メンバー同士でさらに自由度が上がることに。

そんなプラスの循環が生まれれば嬉しい。

ジョホールバルに伝説を残し、
そしてコソボに散った蓮司の命日にそんなことを思う
・・・って彼は今も元気なので安心を。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
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