海外で田舎暮らしをする際の物件探しの方法と有力候補の国


この1年ほど海外で田舎暮らしをしたい気持ちが高まっている。

その前はフィリピンのマカティで暮らしていたので、田舎暮らしどころか大都市で、東欧や北米にもこの規模の町は多くはない。


特にヨーロッパの場合は、首都クラスであっても、比較的こじんまりとした生活のバランスの取れた町が多いのでなおさら。

たとえばクロアチアのザグレブは、歩いて大抵の観光スポットを周れる規模だし、時間も半日程度で事足りた。


マニラというまさにアジアの大都会の一つで暮らしたわけだが、その後は反転するように、田舎暮らしをしてみたいという気持ちも出てきている。

単純な話として反動という側面もあるし、らせん理論によれば、行きつ戻りつしているように見えて、実を言うとらせん状に上昇してアウフヘーベンを起こしているということになる。

それはともかく、日本に帰国して生活をする予定はないので、もし実現するのであれば、海外での田舎暮らしということになる。

そうなってくると、生活するための物件をどうするのか?

さらに言うと、それ以前の問題としてどの町を選ぶのかというところに、かなりの壁が立ちはだかるという感想を抱いている。


ビザの壁

海外での田舎暮らしの障壁としては、まず一つ目に当然のこととしてビザの問題がある。

これは都会に住もうが田舎に住もうが関係なく、移住をするのであればビザの要件を満たす必要がある。

例えば、私が北アイルランドに住みたいと思った場合、候補となるベルファーストという街がある。


ベルファーストはイングランド領なので、アイルランドではなくイングランドのビザを取らなければいけない。

しかしながら、どういった種類のビザが私に適しているのか調べてみても、なかなか取れそうなものがない。

さすがにそれを目的にして婚姻ビザを取るわけにもいかないし、現地就職を考えているわけでもないし、むしろ人に雇われる予定など今後の人生の中で一度もないわけなので、労働者ビザを取ることも困難。

かといって、別にイングランドまで行って起業しようというつもりもない。

こうなってくると、そもそもベルファースト付近で田舎暮らしをしようと思っても、物件が見つかるかどうかという問題よりも、手前のところで止まってしまう。

つまり、合法的に住み着くことができないわけなので、旅行程度の滞在であればともかく、1年とか2年とか、そういう単位でのロングステイは法律的に許されていない。

さすがに不法滞在をしてまで移住しようというつもりはないので、この壁を乗り越えられる国だけが対象ということになる。

ヨーロッパならハンガリーやルーマニアの投資ビザを取る手もあるが、費用よりも手間の問題が残る。

日本語ではろくに情報が出てこないので、取得後の維持も含めて延々自分で情報収集をするコスト(労力)を考えるとげんなりする。


ビザを持っているフィリピンならどうか?

リゾートホテル
永住権であるクオータービザを持っているフィリピンならどうかというと、アジアの町はどこも同じような問題を抱えているが、田舎に行くと外国人として暮らすのに必要な店舗やレストラン等が、十分に揃っていないことが多い。

観光地として栄えているようなところであればまだいいのだが、そうではない場所だと、本当にローカライズした生活しか送れないので、これでは人生の質が下がりすぎて耐えられない。

これはインフラの面についても言えることだし、フィリピンのローカルの人しか買わないような食品とか、商品ばかりしか取り扱っていないような商店で買い物をせざるを得ないとか、そういった問題も出てくる。

こうなってくると、マニラやセブ以外で言えば、観光地となっているボラカイとか、ごく限られた場所だけが、フィリピンでは移住対象ということになる。

比較的可能性がありそうなのはセブの中心部、例えばセブシティとか、あるいは空港のあるマクタン島の一部のエリアとか、そういったところではなくて、もう少し自然の多いところなら、田舎暮らしをしながらそこそこの利便性もあり、ある意味で調和が取れた生活を送れるかもしれない。


マレーシアの場合は?


フィリピン以外ではマレーシアでもリタイアメントビザ(MM2H)を持っているので、良い場所がないかと思って一度縦断してみたこともあったが、結論としてはなかった。

そもそもマレーシアに再び住もうという気持ちが全く起きず、利便性ということで考えても、最低限の必要性を満たしているのは、首都のクアラルンプールの他、ペナンとジョホールバル、もしかしたらマラッカも頑張れば合格点と言えないこともないかもしれないという印象だが、その程度。

どこの町にしても、積極的に住みたいとは思わない。


これ以外で言えばタイもあるが、結局のところアジアであれば、日本人が多く住んでいるような町、あるいは最低でも外国人が住み着いているような町でないと、生活をするのが現実的ではない。

タイならバンコク以外にチェンマイやプーケット、パタヤ、シラチャ等が候補になるが、田舎と言えるほど中心から離れると、生活の用を満たすのが困難になるというのが、現地を訪れてみての率直な印象。


同じ海外でも、北米とかヨーロッパの場合は話が変わってきて、そもそも豊かな国であれば外国人から見ても、現地の人が食べている食事を毎日続けても、特に抵抗はない。

海外の一部の国だと油っぽい料理が多いとか、そういった意味で日本人の胃腸には少々負担が大きかったりするが、味がまずいとか、飽きるとか、パンチが効きすぎていてうんざりするとか、そういったことは少ない。

そういった意味で言うと、やはり先進国とか、あるいはその周辺にあるような東欧の国とか、そういったところでの田舎暮らしが比較的しやすいのではないかと思う。


カナダが持つ可能性

そう考えてみると、カナダのように1年半までは観光ビザの更新で住める国とか、そういったところを利用するというのも一つの方法。

カナダはトロントのような都会もあるが、モントリオールのように自然とのバランスの良い街もあるし、もちろん田舎もある。


と言うより、カナダは世界第二位の国土面積を持ちながら、人口が3700万人に満たない国のため、田舎だらけと表現しても差し支えない。

カナダの田舎で暮らす場合、車がないと移動が困難なので、所有物が増えるという意味では身軽さは薄れる。

さらに、国際運転免許証は期限が一年のため、たびたび日本に一時帰国して更新しなくてはいけない。

日本は車を所有することでの維持費が諸外国よりも高いという指摘があり、その意味では北米やヨーロッパで車を買っても、日本の場合よりお得な部分はある。

とは言え、ずっと同じ場所に定住するつもりがないという前提のもとでは、車を持つことのわずらわしさは拭えない。


年齢が若いのであれば、オーストラリアやアメリカ等にワーキングホリデービザを使って、一時的に滞在する方法もある。

ただし、ワーキングホリデーは厳しい年齢制限があり、国によっても違うが、原則として申請時または出発時に30歳以下であることが条件となる。

残念なことに私はこの条件には当てはまらず、ワーキングホリデーを活用することはできない。

最近はポーランドともワーキングホリデーの条約を政府が結んだし、それ以外にもアイルランドとか、ドイツ、フランス、イギリスといった魅力的な国があるので、本当はワーキングホリデーを使いたいところだが、残念ながらそれはできない。

大人が海外で田舎暮らしをするということは、こういった困難を乗り越える必要があり、さらにその上でエリアを絞って物件探しをすることになる。

しかしながら、実際問題としてはほとんどのケースにおいて、不動産会社にあたる前に挫折してしまうことが大部分ではないかと感じる。

少なくともエリアが絞れれば、そこのエリアを業務範囲としている不動産会社にコンタクトを取ればいいだけの話で、国によって契約の仕方に差はあるにしても、そこから先はそれほど難しくはない。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
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