アイルランド、ダブリンの移住先としての価値を現地調査



7月終わりに訪れたダブリンは移住するにも
悪くない選択だと思える環境だった。

アイルランドは緯度が高いため、
同じ時期のヨーロッパ主要国よりも涼しい。

ポルトガルやフランス、ドイツ等は最高気温が
30度以上まで上がってくる。

これに対し、ダブリンは25度程度。

雨がずっと降っていた日は、
外に出ると肌寒いぐらいだった。

街歩きに最適な気温の上、
永住権まで取得できる方法があるというのだから
興味を駆り立てられずにいられない。

この街に来てから、
ひんやりとした空気の中での朝の散歩が楽しみになった。


人の少ない閑静な住宅街は空気が澄んでいて、
歩いていて気持ち良い。

仮に移住して1年ほどアイルランドに住むなら、
こうした習慣ができるかもしれない。

ちょっと歩いただけで汗をかく東南アジアに住んでいると、
なかなか実現しないことだった。

物価が安い英語圏の国


現実的な側面に目を向けても、
アイルランドの物価は安い。

同じ首都で比べても、
ロンドンの8割ぐらいで生活できる。

もっと言えば、
シドニーの半分ちょっとの生活費で済みそうなので、
先進国に住むことを考えると割安になる。

しかも英語が主要言語のため、
言葉で困ることもない。

すでに海外に住むようになって4年以上たつが、
そろそろネイティブの国で
本気で英語を学んでもいいかもしれない。

アジアにいると片言の英語で十分だったり、
そもそもタイや台湾のように英語がろくに通じなかったり、
いまいち真剣に学ぶ気になれない。

しかし、アイルランドに住めば
イギリスやアメリカとはアクセントが違うにしても
本場の英語を吸収することができる。

言語のことを言えば、
ダブリンからポルトガルに移動してから、
思いの外メニューに英語表記のないレストランが多くて困った。

その後、スペインに飛んでからは
ポルトガル以上に英語メニューが少なく、
言えば持ってきてくれるものの、
黙っているとスペイン語だけのメニューが多かった。

この点、アイルランドなら不自由することがない。

ロンドン、ニューヨーク、シドニー等と比べて
ダブリンは物価が安い。

英語圏としては世界的に生活費が安くで済む場所。

人も優しいし、治安もいい。

ダブリンは街が巨大すぎることもないため、首都でも緑が多く、
暮らしやすい印象を受けた。



ダブリン中心部は音楽にあふれているのもいい。


ヨーロッパ各国への旅の拠点にも


ヨーロッパのLCCの代表格、ライアンエアーが
ダブリンを起点にしているため、
ヨーロッパ各都市への旅行に最適。

ほとんどの街に片道数千円で行けてしまう。

東南アジアよりも航空券は安く感じるほど。

空港までも約30分で行けるので、
アクセスは悪くない。

空港にエスカレーターのない階段があり、
スーツケースを持ち上げて
歩かなければいけない場所があったのには驚いたが。


アイリッシュパブで飲むギネスだけではなく、
コーヒーが美味しい国としても知られている。

あのイギリスの隣国だけあって、
グルメ関係の評価は低い国だが、
飲み物は美味しい。

また、各国の料理が食べられるので、
その点もダブリンには強みがある。

和食レストランもあり、
Eatokyo Noodles and Sushi Bar、
Kokoro Ramen Bar等を見かけた。


ダブリンの住みづらい点


ダブリンの難点を挙げるとすれば、
市内交通が発達していないこと。

電車もトラムもバスもあるが、
どれもそれぞれにいまいち使いづらい。

ロンドンのように簡単に別の地区に行ける街に比べると、
足が不自由という感は否めない。

もっとも、マレーシアの地方都市のように
本格的に移動が不自由な街に移住した経験もあるので、
それに比べればずっと楽ではあるが。

旅行者としてはトラムやバスは少々面倒だが、
移住して現地で暮らし始めれば
便利な足になるだろう。

交通に関して加えて言うと、
アイルランドは珍しく左車線の国。

日本と同じシステムなので、
車が意外な方向から曲がってきて驚いたりしない。

運転する人であれば、
右車線の国だと右折と左折の感覚が違うので、
なおさら恩恵は大きい。

ビザをどうするか?


アイルランドに移住するなら、
ここでもビザの面が問題になる。

私は現地で働くわけではないが、
フリーランサー用の滞在許可証が該当しそうな感じがする。

とは言え、
調べると手続きはかなり面倒なようなので、
たった1年の滞在のためにどうにかする気がしない。

かつてポルトガル移住を阻んだのと同じ理由が
アイルランドにも通用する。

正直なところ、
最近では同じ場所に住む期間として
1年すら長い気がしている。

基本的な不動産の賃貸契約が1年というだけで、
もっと短い期間の方が快適に暮らせるのではないかと。

そう考えると、
ビザなしで滞在できる90日以内というのが
案外ベストな感じすらしてきた。

仮にアイルランドに1年住むとしても、
その間に次の年のためのビザをまた用意することになる。

そう考えると、安らぐヒマもない。

結局、今のように拠点を持たずに非定住生活をして、
その中でダブリンに滞在するぐらいがいいのかもしれない。

今回は北上してベルファーストに行ったぐらいだが、
西にはゴールウェイという街もある。

この辺を気が向いた時に移動しながら、
旅をしつつ暮らす今の形態の方が
ビザを取って不動産を借りて本格的に移住するより、
住み心地の面で上な気もしてきた。

非定住生活というのも、
意外に疲れるものではないのがわかってきたので。

ちなみに、アイルランドのビザとしては、
投資をすることで得られる居住権付き新投資査証がある。

これは2013年の3月に新設された制度で、
例によって金融危機の対策として生まれたもの。

不動産や株式への100万ユーロ以上の投資か、
低金利の国債を200万ユーロ以上買うことが条件。

100万ユーロでも1億4,000万円程度なので、
EUの中でも安くはない。

ポルトガルなら半分の金額で済むので、
これでは費用が高すぎる。

ダブリンのホテルに置いてあった新聞には、
一部エリアの不動産への税金を期間限定で免除する旨が書かれていた。

こうして見てみると、
アイルランドも移住者を呼びこんで
外貨を獲得する必要性はある模様。

ただし、必死になって集めているというわけではなく、
かなり余裕があることをビザの獲得に必要な金額からもうかがわせる。

残念ながら、
この金額を出してまでアイルランドのビザが欲しくはない。

ダブリンへの移住というのも、
本格的なものではなく3ヶ月以内のショートステイが
現実的な可能性として強く残るのだろう。

ちなみに、労働許可証を取得して5年たてば永住権が得られ、
9年滞在するとアイルランドの市民権がもらえるらしい。

もっとも、市民権を得れば日本国籍は返上することになるので、
日本人ではなくなる。

これはメリットよりデメリットの方が大きいだろう。

一方で永住権は大きなうまみとなる。

ダブリンであっても5年というのは
決して短い滞在期間ではないが、
永住権を得られるというのは明るいニュース。

なお、香港の場合も同様の制度があるが、
こちらは期間が7年に設定されているため、
永住権取得までの道はより険しくなる。

現状、タイも移住先として有力候補だが、
この場合はタイランドイージーアクセスを取得し、
5年間の居住権を得ることを予定している。

となると、最大5年住むことができるが、
それに伴って永住権が取れたりはしない。

50万バーツ(約180万円)支払い、
5年住めるだけ。


対してアイルランドに5年住めば、
労働許可証の取得・維持という条件は付くが
永住権を取得できる。

5年後に残るものには大きな差がある。

もっとも、費用の差も膨大だが。


アイルランドに1年単位、
あるいはそれ以上の長期滞在をする場合には
寒さの壁を越えられるかどうかが問題。

夏に涼しいのは長所だが、
ダブリンでも冬の寒さは厳しい。

ヨーロッパの中でも緯度が高く、
北欧並に北側にあるのだから当然の話。

朗報なのは大西洋から吹き込む風が暖かく、
相対的に北欧諸国よりは暖かいこと。

とは言え、南国暮らしを続けた後の身で
アイルランドの冬に耐えられるかは疑問。

夏場に90日以内の滞在にして、
残りはアジアで過ごす2拠点生活の方が
気候の面で考えると適しているのは間違いない。

ただし、この場合は長距離の移動が発生するので、
いっそ冬はポルトガルやマルタのような暖かい国に
避寒に行くことを前提にするのもいいかもしれない。


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