フィリピンとマレーシアにおけるJCOドーナツの位置付けの違い




JCOドーナツというドーナツチェーンがマレーシアやフィリピンに展開している。

私がマレーシアに住んでいた時には、家から徒歩5分程の位置にあったジャスコの中にも入っていた。

その時は、店は常に閑散としていて、1人で集中して仕事をしたい時に、そこでドーナツとコーヒーを頼んで仕事をすることがあった。

何しろ他に人がほぼ居ないので、その点に於いては良かったのだが、一応使えるはずのワイファイが半分以上使えないことが多く、仮に使えても非常にネット回線が遅かったので、その点に関してはあまり居心地が良くなかった。

それ以外にも、朝食にドーナツを買っておこうと思って、翌日の為に2つ3つドーナツを購入して帰ることもあった。

残念ながら、私がマレーシアを去る前にこのJCOドーナツの店は閉店してしまった。

その後のテナントはすぐには見つからなかったらしく、私がマレーシアからフィリピンに移住する前には、そのスペースは閉鎖されたまま、次の店がどうなるのかは不明な状態だった。

そしてフィリピンに移住してきて目にしたのは、JCOドーナツが以上に混雑しているという姿。

マレーシアに於いても複数の店舗を見ていて、どこも混雑をしているという事はなかった。

それなりに混雑していることはあっても、間違っても長蛇の列が出来ているような事はない。

にも関わらず、フィリピンに於いては慢性的に店の外まで列ができている。

当然フィリピンに於いて屋外というのはかなり暑いので、そこで行列に並ぶというのは、日本の初夏にラーメン屋の前で並ぶくらい、暑くて気持ちの良いものではない。

にも関わらず、JCOドーナツの前には行列ができ、そして実際に店の近くを歩いていると、大量買いしたであろう大きな箱を持っている人が目に付く。

おそらく、1人で30個40個を買っている人も少なくないらしく、彼らは大家族なので、家に持って帰るにしてもそういった数になったり、或いはパーティー好きの民族である為、人と集まって、その場でドーナツを楽しむのではないかと思う。

実際に日本語が話せるフィリピン人にJCOドーナツのイメージについて聞いてみたところ、フィリピンに於いては、洗練されていて新しいイメージがあるという。

おそらく日本で言うシナモンやアクオリーナのような位置付けなのだろうと思う。

という事で、同じアジア圏のドーナツチェーンでありながら、フィリピンとマレーシアで全く違う受け止められ方をしていた。

そこまで経済格差が大きいわけではないし、むしろマレーシアの方が個人の所得というのは高い傾向にあるのでこれは意外な現象だった。

同一のブランドが展開する国によって価格帯を変えて、狙っていくターゲット層を変えるという戦略はごく一般的なもの。

例えば、日本のカレーチェーンであるココイチが、日本と同じくらいの金額をタイで設定して、タイのある程度お金に余裕のある富裕層にターゲットを絞っているというのは有名な話。

JCOドーナツの場合も、決してフィリピンの物価の中では安いわけではないにも関わらず、常に店内は満員で、行列まで出来ている流行りぶりを見せている。

この戦略というのは、ビジネスとして見た場合かなり面白いのではないかと思う。




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執筆者、伊田武蔵
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