時給100円で喜んで働いてくれるフィリピンの人々




フィリピン人の時給が100円で、
それでもコールセンターの離職率が低いと聞いた時は驚きだった。


かつて、新宿のとあるビルに入っているコールセンターで、
30分以上謝罪の言葉を口にし続けた。

10ヶ月もコールセンターで働いていると、
そんなことは1度や2度ではない。

時には1時間以上もクレームを付けられることも。



そして、ある時親会社が新サービスをリリースした。

通信系の会社だったので、
電話に関連するサービスを。

売りは基本料金が安くなること。
(NTT以外が回線を持てるようになったため)

しかし、回線開通後に引っ越すと
余計に価格が高くなるケースがあることは
勧誘の際には告知されていなかった。


結果、勧誘とは関係のなかった勤め先の会社が、
クレームを受ける立場になってしまった。

通信会社の子会社として電話を受ける専門の会社だったため、
勧誘はまったく別の会社がやっているわけだが、
親会社の名前で電話に出て、
ひたすら謝らなければならない。

そのサービス加入者の引越しに伴う移転手続きの担当は、
スクラップ場送りと呼ばれていた。


業務の性質上、
クレーム率が異常に高く、
1日の半分は謝り通しになるため。

その担当の机が並んでいる列は、
明らかに他よりも精神的な消耗が激しい。

事実、ただでさえ人が次々辞めていくコールセンターでも、
特に離職率が高くなっていた。

新しいサービスだけに、
元々は別の仕事をしていた人が担当に回される。

精神が壊れるまでクレームを受ける担当に。


幸いなことに、私はその担当にはならずに済んだ。

とは言え、他の担当でもクレームは来るのだが。


1200円と時給がいいことを理由に
当時は必死に我慢していたが、
次々に周囲が辞めていく理由は納得できた。

まだ神かくし事件よりも前、
正社員になる以前の話だ。




コールセンターが肉体労働でもないのに
コンビニや飲食店よりもバイト代が高い理由。

それは、精神的な苦痛が大きいこと。

専門性が高い業種だと覚える量が多いこと。

そのため、離職率が高いことが挙げられる。



しかし、これは日本人が担当している場合。

日本語ができるフィリピン人の場合、
フィリピンでの給料の相場の倍の金額で
日本企業のコールセンターで働ける。

「日本語ができると有利なんだ」
と感じるかもしれないが、
フィリピン人の大卒の初任給は2万円ほど。

その倍でも4万円ということになる。


たった4万円でコールセンターで仕事をしてくれる。

仮に1日8時間、週に5日働くとすると、約171時間。

5万円を171時間で割ると233円。

時給233円で彼らは働いてくれる。

実際には、
フィリピンの中でも地域によって、もっと安いだろう。



日本国内でもコンビニやファミレスで外国人労働者が増え、
コールセンターにいたってはそもそも海外に移転している。

もちろん工場はとっくに海外移転の流れができている。


精神的な苦痛に耐えているから
時給1200円をもらえて当たり前という時代ではない。

面倒なのに接客しているのだから、
時給800円がもらえて当然でもない。


単なる労働者であれば、
もはや時給700円、800円ですら高いと企業は感じている。

人件費の安い国に任せれば、
単純作業なんて時給100円もかからない。

たとえば、フィリピンやタイなら、
実際にその時給で人を雇うことができる。

2か国語・3ヶ国語を話せる人材を
時給200円台で集めることもできる。


そんな中で、ただ単に真面目な労働者をやっていても、
用済みになるのは当たり前の話。

日本人の意識として、
リストラや会社の倒産による失業は
被害者としての意識が強い傾向にある。

ただ、冷静に状況を考えてみると、
とっくに用済みになってしまったのだから、
どこかで放り出されるのは当然とも言える。

代わりのきく仕事しかできなくて、
半分以下の人件費で喜んで働いてくれる人がいるのだから。



もうすぐ定年という立場であれば、
こうした事実からは目をそらしてもいいと思う。

しかし、私のようにまだ30代ということであれば、
嫌でもこんな現実は押し付けられる。

それなら、追い込まれてから焦るよりも、
先に身の振り方を考えておいたほうがいい。



答えは色々あるだろうが、
私が出した答えは自分の世界を提示するということ。

言い換えれば、替えのきく人材ではなく、
その世界を表現できる唯一の存在になるということ。。


単なる労働力としての価値が値崩れしている以上、
コモディティ化は避けなければいけない。

つまり、周りと変わらない大量生産品になったら
フィリピン人のように時給100円に引っ張られていくことになる。

もちろん、日本では最低賃金のしばりもあるので、
無制限に時給を下げることは出来ない。

結果、職を失う人が続出する。



コモディティ化は多くの工業製品がたどった道。

ユニクロのTシャツもそうだし、
コカ・コーラもそう。

わざわざ高いお金を出して買おうとは思わない。

他の店で安くで売っているわけだから。

人間も同じで、コモディティ化していれば
いくらでも替えがきく。

不思議なもので、
海外に出て生活すると
日本の企業がいかに仕事を海外に持ち出しているかを
目の当たりにすることが多い。

時給800円以上の人間を使うよりも、
それは時給100円で働いてくれる人の方がいい。

コモディティ化の末にたどりつくのは、価格競争。

日本人が労働力の価格競争をやって、
アジアの中でフィリピンや中国に勝てるはずもない。

今さら、時給100円で働くわけにもいかないだろう。



高度経済成長期なら、
コモディティ化した人材は重宝された。

いわゆる組織人間向きなので、
管理しやすく統率が容易なため。

しかし、今は日本を取り巻く環境が違う。

かつての常識を引きずって生きている人がいまだに多く、
教育も満足にリニューアルされていないが、
時代は変わった。


コモディティ化はリスク以外の何物でもない。

だから、「自分」にならなくてはならない。

他人と違う「自分」に。



面倒なことだと思うし、
いきなり正解にたどり着けるほど簡単でもない。

ただ、これを無視して
ここから先の時代を生きていくのはリスクが高すぎる。

会社から
「お前なんか要らない」
というメッセージを突きつけられてから考えたのでは、
やはり遅すぎる。


私自身、ブログやメールを書いていく中で
改めて「自分」と他の人との違いを発見することがある。

そして、さらに差異を探求することになる。


単なる労働力の提供者としては優秀ではなかったが、
私はコモディティ化の逆を行くことで
これからも生き抜いていける自信がある。

それは「伊田武蔵」としての価値を提供できるから。

これこれの資格や経歴を持った30代の男、ではなく
一個人として他とは違う価値が作り出せれば
単なる価格競争に飲み込まれることはない。

1時間働いた分の給料とか、
精神的・肉体的に大変だった分の対価ではなく、
生み出した価値に対する報酬を受け取っているから。


ユニクロがどれだけ普及しようとも、
ブランドがその価格に引っ張られることはないのと同じこと。




コモディティ化から抜け出す。

労働時間や作業量ではなく、
生み出した価値に対して報酬を得る。

これは今後の生き残り戦略において、
必須のポイントだと考えている。




ブログやメルマガで情報を発信していく過程で、
その他大勢ではない「自分」を見つけることができる。

「自分」ならではの情報を発信しようとすることで、
「自分」独自の物の見方が強化されるため。

そして、何よりも重要なのは、
現在の能力や活動、過去の出来事を掘り起こして
世界との接点を見つけるプロセス。

個人メディアを作り、
書き続けていく過程だ。


ここで「自分」と向き合うことになる。

このプロセスをしっかり行なっておくことで、
コモディティ化から抜け出すための方向性が見えてくる。

もっとも、巷にあふれる95%以上のブログの場合、
そんなプロセスは飛ばしているのだが・・・

それが稼げない原因であることに、
コモディティ化した彼らは気付いていない。




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