ジョホールバルでの不動産投資を、現地に住んでも避けた理由




ジョホールバル移住当初は不動産投資についても検討していたし、下見も兼ねていた。

しかし、実際に物件を購入することはせず、賃貸で2つのコンドミニアムに住んだ後にこの街を後にした。


2011年の段階でも、ジョホールバルの不動産投資には不透明な部分が多かったし、その後は価格の上昇、外国人が購入できる物件の最低価格が2014年5月1日より50万リンギットから100万リンギットに引き上げられ、低価格帯の物件の流動性に問題が生じたことなどにより、状況はさらに悪くなっている。

しかしながら、いまだにジョホールバルのコンドミニアムが投資対象になるかという質問を受けることがある。


まず、マレーシアはクアラルンプールにしろ、ペナンにしろ、すでに投資対象として適切と思える範囲は逸脱している。

特にクアラルンプールはその傾向が顕著で、利回りが下がってインカムゲインを得るための投資は厳しい。

そもそも賃貸付けが難しくなっており、空室期間も長くなりがち。

では、キャピタルゲイン(売却益)はどうかと言えば、こちらもリスクが高くなっており、今から参入するなら失敗に終わる確率の方がずっと高いだろう。


そこからずっと南下してジョホールバルまでやって来ると、人口密度の低さが特徴の1つとして見受けられる。

実際に住んでみるとよく分かるが、まず大きな街が1つあるのではなく、中途半端な規模の集落が点在しているのがジョホールバル。

そして、各地にシャッター通りが存在しているし、未開発で放置されているエリアも多く、土地が有り余っている。


マレーシアの国家プロジェクトであるイスカンダル計画で注目されていることもあり、シンガポールとの国境と近いわけでもない、どんな需要を見込んでいるのか理解できない土地にまでコンドミニアムが建設されている。

スカスカの人口密度を考えると、そもそも高層住宅が必要な街でもないのに、これだけ各地にコンドミニアムを林立させてしまって賃貸づけできるとは考え難い。

また、現地ではプレビルドの物件の中でも完成せず、途中で資金がショートするデベロッパーも出てくるだろうとささやかれていた。



ヌサジャヤは見極めが難しいエリア

このような背景がジョホールバルにはあるが、ヌサジャヤはイスカンダル計画の中でも目玉となるエリアで、なおさら注目度が高い。

このエリアのコンドミニアムを販売している日系の不動産業者も多い。


では、ヌサジャヤの不動産への投資は、移住者から見てどうだったのか?

結論はシンプルで、予想がつかなかった。

というのも、あまりにも広大なエリアを新規で開発していくため、不動産投資において重要な立地の良し悪しの判断が付かない。

当初の計画が順調に進むとも信じられず、近隣のプロジェクトが頓挫すれば相対的に不便な土地になり、巻き添えを受けることもあるだろう。

たとえば近くにできるはずだった商業エリアが中止になれば、コンドミニアムの価格は当然下がる。

賃貸に出した場合の家賃も、売却する時の転売価格も。


そういった背景を考えた時、ヌサジャヤは安易な判断を許さないエリアに見えた。

少なくても、あの広大なエリアを大々的に開発したところで、そのすべてが必要とされるはずがなく、失敗例が続々登場するだろう。

繰り返すようだが、ジョホールバルは土地が有り余っており、マレーシアで人口が2番目と言っても50万人程度しか住人がいない。

東京に対する大阪のようなイメージではなく、ぱっとしない地方都市の規模を連想する方が正しい。

なお、マレーシアで人口が3番目の街はイポーだが、こちらは外国人向けレストランを見つけるのも難しく、ろくに高層ビルもなかった。

そういった人口密度であることは、不動産投資の前提として忘れる訳にはいかない。



厳しくなる銀行ローン

2011年当時には、物件価格の80%や85%のローンを組めることもあったジョホールバルの不動産だが、その割合は徐々に下がっていき、レバレッジが小さくなっている。

購入の際に必要とされる現金も増えているし、そもそも先行きが明るいとは思えない。


不動産投資の対象として、ジョホールバルを不適格と判断したのには、このような背景がある。

なお、シンガポールからの流入を見込んでいるという話もあるし、これはもっともな話。

ジョホールバルはシンガポールと唯一陸路でつながっている街で、対岸へと毎日出勤する人もいる。


しかし、その人数が爆発的に増加するのか?

その層は、マレーシアから見て外国人である我々日本人が購入できる100万リンギット以上のコンドミニアムに住むような層なのか?

そういったことを考えると、投資家として朗報とは思えない。

私もジョホールバル在住時は、バンコク等に飛ぶ際にシンガポールのチャンギ空港を利用していた。

ジョホールバルにもセナイ空港があるが、こちらは国際線がほとんどないため。

そしてシンガポールへの移動が面倒なことは、身を持って体感している。

毎日往復する層の大半は、それほど高給取りではない人達だろう。

つまり、100万リンギット以上の部屋に住む層に振り分けられてはいない。


ジョホールバルの不動産投資事情を知るために現地に住んで感じたのは、こういった事情を理解せずに不用意にお金を出す人が多いということ。

明確な中心部を持たず(一応シティスクエアということにはなっているが)、街が点在して居住者にも把握しづらい街なのに、一度視察に来て理解した気になっている人は多い。

賃貸付けができず、売ろうとしても買い叩かれるような物件を持つ日本人も続出すると思われるが、失敗には必ず理由がある。

その一端は、これまで述べてきたような部分にあるだろう。


ジョホールバルの後もマニラやセブでコンドミニアムに住んだり、各国でホテル暮らしをしながら街を観察したりしているが、不動産投資は慎重に考えるべきだと常々思っている。

そうした教訓を得られたといういみでは、ジョホールバルでの2年間はムダではなかった。



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執筆者、伊田武蔵
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