もう既に銀聯カード、いわゆるユニオンペイのクレジットカードに圧されている感のあるJCBだが、海外でも日本食レストラン等では頑張って普及させようとか、使用させようという試みが行われている。
例えば、いま食事をしようとしているバンコクのターミナル21というショッピングモールの中にある大戸屋では、500バーツ以上JCBカードを利用すると55バーツの抹茶アイスをプレゼントというサービスがある。
こちらの抹茶アイスはあんこと一緒に出てくるもので、1グループで1回だけ使えるということ。
期限は12月31日までとなっている。
こういったサービスによって少しでも普及率を上げようという試みがあるものの、マレーシアに住んでいるときも、途中まではJCBカードを使えていた店で取り扱いが無くなってしまったり、確実に衰退する方向に向かっているのを肌で感じる。
私は初めて楽天のクレジットカードを作った時に、そこら辺の事情を全く知らなかったので、うっかりJCBを選んでしまって非常に使い勝手が悪い思いをした。
しかもこのようなサービスもかなり微妙なところがあって、500バーツということは1500円以上になるので、一人だとなかなかそこまで金額がいくことは少ない。
ということで、大戸屋で500バーツ以上というと、二人以上で食べに行っている可能性があるが、抹茶アイスがもらえるのは一人だけということで、それはそれでどうかという面もある。
こういった試みはフィリピンやマレーシアでも行われていて、JCBのクレジットカードだけではなくて、例えばメイバンクのクレジットカードを使うと30%割引とか、かなり大きな割引率のプロモーションも見つかった。
あるいはバンコクの場合、チットロム駅の直近にJCBプラザ・ラウンジがあり、お茶を飲めたり、プリンターを使えたりする。
JCBのクレジットカードを提示すれば、JCBプラザ・ラウンジは無料で利用できる。
クレジットカードはある意味、利用者の奪い合いという側面を持っているので、どの国のブランドがいま現在力を持っているのかという勢力図がはっきりと見て取れる。
そう考えてみると、JCBがどんどん利用者数が減って、利用可能店舗も減っているのと裏腹にユニオンペイが勢力を伸ばしているのは、残念ながら日本と中国の現状の力関係、さらに言うと今後の伸び率についての世界の評価を垣間見ざるを得ない。
単純に盛り返そうとしても、人口の違いであったり、あるいは今後の人口ピラミッドの推移とか、そういった確実に統計的に予測可能な人口動態の部分で日本が弱体化していくことは避けられないので、その中でいかにして生き延びていくかということが重要なテーマになる。
つまりいかにして経済成長を続けるかという戦略ではなくて、別のフェーズに突入したことを前提にして、衰退の中でその中で上手く立ち振る舞う術を我々は学んでいかなくてはいけないことを、JCBカードの件からも学ぶことが出来る。
加盟店が減ったクレジットカードは利便性が悪くなっていくので、ますます世界的な存在感を失っていく。
そういったことをクレジットカードの件からも突きつけられてしまった。