自宅を捨てて海外ノマド生活を初めて1年3ヶ月が過ぎた




独立起業して、日本で順調に収入は増えていったが、退屈に感じてきたので、海外に移住してみることにした。

その後、フィリピンとマレーシアの二つの国で合計3年間住んだが、その間に所謂ノマド生活を日常的に送るようになった。

マレーシアでは2軒の家に住んだが、二つ目のコンドミニアムが、途中からネットに繋げなくなってしまったこともあり、iPhoneのテザリングでしのいでいたが、それだけだとスピードが遅いのと、重量制限があるので、近くのカフェを巡るようになった。

そんなわけで、ノマド生活が半ば必然に迫られて、開始されることになったが、マレーシア時代は友人たちと集まることも多く、彼らの一人が持っているオフィスで仕事をするようなこともあったし、カフェやコンドミニアムのプールサイドで、仕事をすることも多かった。

そんな生活を3年間送った後、そろそろ自宅を持つ意味というか、特定の国に住むこと自体に、意義を感じられなくなってきた。

別にホテル暮らしをしてもいいわけだし、仕事は世界のどこにいようが、できる環境をとっくに作っていたので、より自由度の高い海外ノマド生活をしようということで、フィリピンの自宅を引き払い、世界放浪の旅に出ることにした。

まずは世界一周をすることにしたが、これは特に意味があったわけではない。

この数年はずっとアジアにいたので、他の所も回ってみようということと、とにかくヨーロッパに行きたかったが、それであれば、ついでに北米も回ってきてしまおうというだけのこと。

但し、フィリピンの永住権である、クオータービザの申請中だったので、その手続きが終わるまではタイやインドネシア、そしてオーストラリア等を回って、比較的近場でうろうろしていた。

そして、永住権が取れた後で、東欧やポルトガル、スペインといったヨーロッパの国々を回り、更にカナダ、アメリカといった北米の国を東から西海岸まで横断し、アジアに戻ってきた。

その後も海外ノマド生活は続き、ホテルを拠点にし、その時の気分で移動をするという生活が続いている。

特に最近は、東南アジアと東欧が、二大拠点となっているので、それらの国のどこかにいることは多い。

海外ノマド生活を始めて得られたもの

数年前であれば、予想もしていなかった生活ではあるが、例え自宅がなく、更に職場やオフィスがなかったとしても、全く困らないということが、体験によって裏付けることができた。

今の私の場合は、荷物を置く場所もないので、基本的に友人のところに一部のものを置かせてもらっている他は、スーツケースや手持ちの鞄で持ち運べる範囲、更に言えば、ロストバゲージ等のトラブルを回避する為にも、飛行機の機内に持ち込める最低限のレベルにまで絞り込んだ。

重量制限で言うと、10kgというものが多いので、だいたいそのくらいを目安にして、荷物を減らしたが、それでも以外にどうにかなるというのがここ最近の体験でわかっている。

例えば服の洗濯は、東南アジアであれば、ランドリーと呼ばれるクリーニング店で安くでやってくれるし、それ以外のエリアであれば、時々アパートメントホテル等に泊まって、洗濯機が付いているところで洗濯をすればいい。

こういった生活の知恵というのもついてきたし、荷物なんて最小限のものでも、ホテル暮らしをしていく上では困らない。

つまり、海外ノマド生活を続けるにも、荷物というものは意外に少なくて済むということがわかった。

移住を繰り返す間に、シンプルミニマムな荷物で、生活をしたいという思いは募っていったし、実際にそれを実行していたが、ノマド生活を本格的に始めるようになってから、その傾向はさらに進んでいった。

移住の場合はどうしても、一時的に荷物を減らしても、コンドミニアムを借りて、そこに1年住んでいる間に、だんだん服や靴を中心に、荷物というのは増えていく。

しかしながら、今の海外ノマド生活を続けていく上では、持ち物をいちいち減らしたり、増やしたりするわけにはいかない。

もちろん南の島に行く時に、シュノーケリングをするため水着を買ったり、あるいは寒いエリアに行くために、ジャケットやコートを買ったりといった形で、一時的に荷物が増えることはあっても、それは多くの場合使い捨てで終わることになる。

そういった意味で言うと、長期的に見て、徐々にいつの間にか荷物が増えたりとかいったことはなくなるし、自分にとって本当に必要なもの、最低限の持ち物というのが、明確になった。

そして仕事に関しても、各国のネット事情というのは、思いのほか快適で、日本とは違い、特定のサービスに入っていないと加入できないWi-Fi等ではなくて、カフェやレストラン等では、当たり前に利用できるようになっている。

そのため、パスワードさえ聞けば、使うことはできるし、ホテルでネットが使えないということも滅多にないので、以前にやっていたようにいちいち各国でSIMカードを購入し、iPhoneでテザリングをしたりとか、そういったことをする必要もなくなった。

もちろん、多くの海外ノマド生活を送っている人が、そういったSIMカードと、テザリングというものを使っているのはわかるが、別に私の場合は、四六時中ネット繋いでいる必要もないので、わざわざ行く先々で、そういったものを用意するという手間をかけることすらもしていない。

ただ単に、ふらっと行って、その国のホテルであったり、バーであったり、カフェであったり、あるいは時には美術館や空気の綺麗な公園等でも、仕事をしているが、こうした五感を刺激する体験というのは、脳を活性化することにもなり、結果的に様々なアイデアが沸いてきている。

そして何よりも、仕事の為に自分の居場所の成約を受けるということがないのが、海外ノマドの醍醐味の一つで、それによって確実に生活の質が上がっている。

私のように、好き勝手にどこにでも旅に行けるという状況を作るためには、従来の常識なら、定年退職をした後でなければ厳しかったが、こういった生活を30代でも送れるようになったというのは、やはり大きい。

困ったことや不便だったこと

海外ノマド生活を送っている上で、何の問題もなかったかと言えばそんなことはない。

やはり若干の犠牲というか、デメリットがあったのも事実。

例えばブルガリアのプロブディフという町では、ホテルに置いておいたパソコンが、おそらく従業員の仕業だと思うが、盗まれてしまうという事件があった。

ホテルにその旨訴えたところ、翌日に警察署に行くことになったが、当然ながらパソコンが出てくるわけもなく、結局新しいものを買うことになったが、ブルガリアではまともなパソコンショップが見つからずに、結局隣国のルーマニアの首都、ブカレストまで行くことになった。

そしてそこでは、使い物にならないパソコンを最初に売りつけられ、結局それを返品して、Macbook Airにすることになった。

変わり映えもしないし、もうMacである必要もないような気はしていたが、結局またMacになってしまった。

それはそうとして、どんなに遅くても、48時間以内には届くと店員が自信をもって口語したにもかかわらず、結局届いたのは120時間近く経った頃。

そのおかげで結局、ブルガリアでパソコンを盗まれてから、ルーマニアのブカレストで新しいパソコンを獲得できるまで、10日近くかかってしまった。

その間、仕事はメールのやり取り等をiPhoneでやっているだけで、最低限のことしかしていなかったが、これはさすがに不便だった。

日本にいる場合と違って、海外だとこのようなことも起こることが頭の痛いところ。

私もフィリピンやマレーシアで暮らしていた経験があったので、48時間以内と言いながら、実際には3日目には到着するという事態は想定していたが、さすがに5日かかるとは思わなかった。

これ以外で言うと、仕事というよりは、投資家として問題が起きたのは、契約書であるとか、委任状とか、そういった書類というのは、未だに紙でやり取りをすることになるので、向こうが住所を指定してくるように言われても、こちらとしては書類が到着する時に、どこにいるか全くわからないので、受け取ることが困難であるということ。

これは海外ノマド生活をしているうえでの、かなり面倒なところではある。

今後も自宅を持たずに生活するのか?

海外で暮らすということは、既定路線として今後も続いていくだろうし、別に出勤するオフィスがあるわけではないので、ノマド生活自体も自ずと継続されることになる。

しかしながら、自宅を持たない状態がずっと続くかというと、おそらくそうはならないと思う。

ではどこかのタイミングで、コンドミニアムなり一戸建てなりを、借りてそこに永住するのかと言えばそういうわけでもなく、おそらくは1年間どこかに住んで、またしばらく自宅を持たずに非定住生活をするとか、その後しばらくしてから、また適当なタイミングで自宅を借りたりとか、あるいはすでに投資用の不動産を持っているので、そういった自分の持っている物件に一時的に住むとか、そういった形で常に状況を変化させていくのが、一番いいのではないかという風に思っている。

これは、各国の入出国のことを考えての話で、やはり常に自宅がなくて、どこの国が居住国かはわからないというのは、パスポートの履歴を見た時に、かなり怪しまれる。

更に、タイやヨーロッパ等の一部のエリアに、繰り返し入手国をしていると、それ自体が入国拒否の原因になり兼ねないので、1年ぐらいパスポートの履歴上も、どこかの国に居住しているということがわかる状態にしておいて、その後しばらく長めの旅に出ているという見せ方にする方が、入国審査につまづかずにスムーズに通れるようになる。

そういったことを考えてみても、永住かホテル暮らしかの2択ではなくて、自宅を持ったり持たなかったりしながら、海外ノマド生活を続けていくのが、もっとも現実的で質の高い生活を送れるのではないかという風に考えている。



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執筆者、伊田武蔵
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