火災警報が午前中のセブの自宅に鳴り響いた


海外のコンドミニアムに住んでいると、日本と同じように共有スペースやエレベーターの中に張り紙があって、住人やオーナーへのお知らせが貼りだされている。

ここでいうオーナーとは日本でいうところの大家さんのことで、部屋の所有者ということになる。

私自身は、セブにコンドミニアムを持ってはいるが、住んでいるのは賃貸の部屋なので、時折、オーナー向けに貼りだされる所有者同士の会合のお知らせとか、そういったものは完全に他人事だが、時々一時的に停電が起こるとか、あるいは避難訓練が行われるといったお知らせについては目を通している。

とはいえ、英語で書かれている上に、今のコンドミニアムだとエレベーターの中に貼りだされていて、さらにエレベーターの移動速度がかなり早いこともあって、一回で全てを読み切ることはできず、何となくぼんやり頭の片隅に残っているものの、結局何なのか詳細まではしっかりと把握していないことも多い。

今朝は火災報知機が鳴り響き不穏な空気が流れたものの、「確か避難訓練が近々行われるという張り紙がされていたぞ」と薄ぼんやりとしながらも記憶の中に残っていた。

たしかクリスマスが過ぎてリザール・デーになる直前、年末だったというおぼろげな記憶が頭の片隅にあった。

しかしながら、それは翌月の話だったようにも記憶していたし、本当に今日なのかどうかというところは確信を持つことができない。

一方で時間帯としては午前中の八時くらいだったと覚えていて、この点に関してはかなりの確かさを手応えとして感じていた。

おそらくは大丈夫だろうと高をくくって部屋の中にいたのだが、途中で隣の部屋がバタバタとし始めて、どうやら様子を窺っているのだと気づいた。

それから窓の外の景色を見てみると、ほとんどの住人が外に出ているわけでもなく、しかしながらいくつかのコンドミニアムが集まったその広場のようなところで、数人が固まってじっとしているのが見えた。

おそらくあれは、コンドミニアムの住人というよりは関係者、つまりこの建物で仕事に従事している人だと思われる。


火事は起きていなかった

そういったこともあり、これは訓練であると思っていたが、案の定その勘は当たっていたようで、火災が実際に起きているわけではなく、火も煙も上がってくることはなかった。

一応念のため、万が一の時に備えて頭の中でシミュレーションはしてみたが、バスタオルを何枚か水浸しにして体に巻いて、消火器が見当たらないのでバケツに水を汲んで多少の安心感を得ながら外に出ていこうかと思っていたが、それは杞憂に終わった。

そういえばブタペストに泊まっていたときも、ホテルコンドミニアムの火災警報が真夜中に鳴り響き、しかもその警報のじりりーという音の出元が、どうも私の部屋の目の前の廊下だったため、あまりの音のけたたましさに異常がないようだと分かった後も不安を駆られずにはいられなかった。

なにしろあそこまでの大音量となると、それ自体が動物としての本能的な危険を目の前に突き付けられたように感じられて仕方がない。

それは夏場に怪談を聞いたり、怖い話を耳にしたりして、そんな話があるわけはないと思いながらも背筋がぞっとしてしまう感覚に似ている。

幽霊や悪霊を信仰しているわけではなくても、なんとなく恐怖を感じてしまうのは人間としての本能で、あまりの大音量に恐れおののいてしまうのも、それに近い感覚だとブタペストで知ることになった。

そもそも火災報知器には、おそらく人を不安にさせたり不快にさせたりするような音が選ばれているのだろうし、それは本来の意図からして見れば当然の話。

しかしながら、生まれてこの方本当に火事になったために火災報知器が鳴っている現場には出くわしたことがなく、これまで耳にしてきたのは、訓練や誤作動ばかりということもあって、いまいち本当の危機に気づきづらくなってるような気がする。

これはセブやジャカルタなどのクラクションにも言えることで、普段からドライバーがやたらとクラクションを連発するために、ひかれそうになっているのか、単なるタクシーの呼び込みなのか、あるいは彼らのあいさつ代わりなのか、ジプニーの客寄せなのか、全くわからないのはなかなか困ったところ。


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