30年ローンで自宅を買うことで人生が膠着してしまう


夢のマイホームや一国一城の主の象徴として、昭和の時代から一定の層の憧れを得てきたマイホームだが、多くの場合ローンを組んで購入することになる。

金利を固定にするか、変動にするか、あるいはローンの期間を何年で組むかといった差はあるにしても、頭金を入れて、毎月返済していくという基本的なことには変りはない。

私の両親も、ローンで実家の家を購入していた。

古い価値観であれば、自宅を購入するということが、社会的な信用にも繋がり、賃貸よりも持家の方が、社会的信用が上という風潮がある。

今でも老後のことを考えると、貸し渋り等の問題もあるので、自宅を持っておいた方が住むところに困らないという意見も聞く。

しかしながら実際問題として、高齢者でも住める部屋というのは、探せば見つかるし、特定の地域であれば発見が困難な場合であっても、住むエリアを移動できるという前提であれば、そこまで絶望的な状況というわけでもない。

そもそも持家を購入する段階と、高齢者になって多くの大家から嫌厭されるまでの間には時間的な隔たりがあり、その間に家が傷んだり、あるいは手すりを付けたり、段差をなくしたりといったバリアフリーのためのリフォームをしなければいけなくて、思わぬ出費になったりと、様々な問題も出てくる。

例え、隣近所にとてつもない騒音を日常的に出す家族が引っ越してきて、昼夜問わずに重低音を垂れ流すような状態になっても、持家を購入してしまうと、簡単に引っ越すことはできない。

賃貸に出そうにも、そんな住環境の家が人気物件になるわけもなく、借り手も付きづらいので、投資家的にもその相手に対する憎しみが募り、ますます激しい摩擦になり兼ねない。

日本のように震災が多い国では、どこで大地震が起こるかわからないし、例え自信保険に入っていたとしても、自分の家が直接被災するのではなく、地域のインフラがダメージを受けるとか、あるいはそのエリアごと不人気になってしまうという可能性も否定できない。

仮に30年ローンを組んだとして、そこに拘束される期間は何年なのだろうか。

別にローンの期間と対応するわけではないので、30年間の不自由を受け入れるということとは限らないし、実際には20年の場合もあれば、40年50年とローンを返済した後も、その持家に縛られなければならない場合も出てくるはず。

どちらにしても、フットワークの軽さを捨てるという決断が持家の購入には必要で、2軒3軒と家を買う予定がないのであれば、文字通り人生の選択になってしまう。

それだけの重大な決断をなぜこれだけ多くの人ができるのかと考えてみると、やはりそれが社会的に一般的であると認められるような風潮があったり、周囲にも同じような行動を取る人が多いから、という点は見逃すことができない。

就職にしろ転職にしろ持家の購入にしろ、一見大きな決断であっても、周りがやっているという理由で、人は動くことができる。

これは結婚や出産についても同じことが言える。

逆に言えば、そこまで大きな決断ではなくても、周りにやっている人がいないレアな選択であれば、なかなかハードルは高い。

例えば海外移住というのは、正にその一つで、実際にやってみると、そこまで難しいことではないことがわかるが、社会的に見ると明らかに異端の側に属するような行為なので、勤めている会社から駐在員になるように命じられたといった事情でもない限りは、あまりする人がいない。

しかしながら、社会秩序が変容していく時代においては、旧世代の考え方というのは、往々にして弊害をもたらすことになるし、いつでも新しい方針に乗り移れるように、フットワークを軽くしておくということは、しなやかに生きていくためには重要なポイント。

そう考えてみると、もう今後の引っ越しが考えられなくなるぐらいの決断をなんとなくしてしまうというのは、非常にリスキーなことになる。

その結果として、本来行うことのできたチャレンジの機会を、失ったりする損失は計り知れない。



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執筆者、伊田武蔵
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