悪化していくロサンゼルスの住環境

南カリフォルニアというと、太陽の光がサンサンと降り注ぎ、天然のオレンジの果実が道端の木々に実をつけ、見た目にも美しい土地というイメージがある。

だが、実際問題として、ロサンゼルスをはじめとした都市は、全米の中でもトップクラスの交通渋滞と大気汚染に悩まされている。

米国肺協会(American Lung Association)が発表したState of the Air 2018によると、オゾン汚染のレベルもアメリカで最悪の部類に入ると報告されている。

多くの先進国が人口の減少に悩んでいる中、アメリカにおいて人口が増加しているのは、少子高齢化対策が実を結んだからではなく、ただ単に移民の数が多いから。

実際ロサンゼルスに対しても、メキシコから国境を超えてくる不法移民がやって来ているし、さらに言えば中国や中央アジアから船を使ってやってくる移民もいる。

その結果、ロサンゼルスの人口が増えている。

しかも移民は、平均的に先進国の家庭に比べて一家の人数が多いので、なおさら人口が増えていく。


巨大化する都市

ロサンゼルス市民の伝統的な価値観として、アパートやマンションといった高層住宅よりは、戸建の住宅を望む傾向にある。

その結果として何が起こるのかというと、町がどんどんと外側に広がっていき、通勤時間として長い人では片道2時間もかけているという。

あるロサンゼルス市民は、20キロの移動をするために、1時間半程度の時間を見込むというので、こうなってくると車で移動するよりも、自転車の方が早いのでないかという気さえしてくる。


公共交通機関が発達しない理由

ロサンゼルスの会社は街中に散り散りに点在しているため、スタート地点である自宅も、そしてゴールである会社の位置もバラバラのため、公共交通機関を設けることによって自家用車を減らすとか、環境問題を抑制するとか、そういった試みも行われていない。

以前には路面電車があったそうだが、そちらも経営難になり売却され、しかもそれぞれの土地が自動車メーカーによって買収されてしまった。

当然ながら自動車メーカーとしては、公共交通機関がない方が自社の車の売上が上がりやすいので、路面電車は復活していない。

ロサンゼルスのスモッグは、全米の中でも劣悪なものとして、悪い意味での代名詞になってしまっている。


生態系にも影響が

ただ単に空気が汚れているというだけではなくて、ロサンゼルスや南カリフォルニアにおいては、生態系も影響を受けている。

例えば、南カリフォルニアのラッコはすでに絶滅してしまったし、カリフォルニアゴールデンベアも同様。

カンムリウズラやミチバシリという鳥は、個体数が激減している。

両生類としても、カリフォルニアイモリや、カリフォルニアアマガエルが非常にレアな存在に変わってしまった。

外来種であるザリガニやウシガエル、カダヤシによって、固有種の両生類が激減していたり、あるいは土壌問題で灌漑農法を行ってきた結果として塩性化が起こり、アメリカの中でも恵まれた豊かな土地と言われていたセントラルバレーの農地においても、塩性化が悪影響を及ぼしている。

そして降水量の少ない南カリフォルニアにおいて、重要な意味を持っていたシエラネバダ山脈あるいは近くの渓谷を通って流れているコロラド川が供給していた水も奪い合いが激しくなってきている。

同じアメリカのモンタラの例と似たような状況になって、水不足に悩まされることが予想されるようになってきている。

こうして考えてみると、ロサンゼルスの住環境は、遺憾ながら確実に悪化していることがよくわかる。


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