マレーシアに過剰な期待を持ってしまう人々



ロングステイ財団の海外移住をしたい国ランキングで、7年連続で1位を飾ったマレーシアだが、実際にこの国に住んでみた感想としては、居住環境としてそこまでの価値があるかどうか大いに疑問がある。

その一方で、なぜこのようにランキングで上位、それどころか1位を何年も取り続けるかについては、からくりを理解することが容易にできる。

まず一つ目に、マレーシアは比較的国としてのイメージが良いが、その理由としては余計なイメージがついていないということがあった。

例えば、フィリピンの場合、いかにも危険とか、汚いとか、女性関係で問題が多いとか、そういった負のイメージがついて回る。

ただし、フィリピンに移住する人を見ていると、私自身も含めて外国人が住むエリアは暗黙の了解として決まっているので、そういった場所に関して言うと、マレーシアよりもよほど綺麗だったりする。



大きなマイナスがないマレーシア

マレーシアはイメージ的に大きなマイナスがないため、全体的に中途半端な状態であっても、とりあえず拒否反応を起こす人は少ない。

そのため、実際に滞在してみると、意外に居心地が悪く、インド系の住人がたびたび問題を起こすとか、タクシーの運転手ともめるとか、店員の態度が悪いとか、そういった細かいトラブルがあったとしても、大きな事件が注目されることが少ないので、なんとなく住みやすいのではないかという幻想がはびこりやすい。

実際問題で言うと、世界の中でも嫌われている中華系とインド系が主要住民として入ってきている時点で、住みやすいかどうかについては大いに疑問なところではあるが、そういったことはあまり気にされていない。

むしろイスラムの国であることがマイナスの要因として着目されることはあるものの、マレーシアの場合、かなり戒律がゆるいので、全くの無宗教であっても特に暮らし辛さを感じることはないし、肩身が狭い思いをしたり、あるいは改宗や何かしらの行事に参加を強要されるようなこともまずない。

こういったことについて、あまり理解せずになんとなくマレーシアに移住してみたいと思っている人は、少なくないように感じる。



ビザには先行きが不透明な部分も

マレーシアにはビザが比較的取りやすいために移住しやすいという利点があったが、この点については、先行きがかなり不透明になってきている。

リタイアメントビザであるMM2Hの基準は厳格化される方向にあるという話を聞いているし、更新の手続きに行けばシステムダウンしていたり、平気で翌日にもう一度郊外にある役所まで来させようとしたり。

それについて、申し訳なさを感じる様子も全くなく、プトラジャヤというクアラルンプールの中心部から大きく離れたところに位置している観光省まで、何度も足を運ばなければいけなくなりかねないという問題も実際に経験した。

こういったトラブルは、マレーシアではあれば、ある意味覚悟しておかなければいけないところ。

そういったところにカリカリするのであれば、とてもではないが、この国には住めない。

何しろ、国策企業であるTMという大手の通信会社であっても、インターネットの回線を開通させる時に支払ったデポジットが、1年以上経っても戻ってこなかったことがある。

そういったことを平気でしてくる国なので、ストレスフリーで生活ができるというのは、全くもって幻想にすぎない。

マレーシアは実態とイメージがかけ離れている部分がかなり多く、これはビーチリゾートのペナンにおいても言えること。

とても魅力的な観光地であるかのように宣伝されてはいるものの、実際に行ってみると、海は汚く、町も綺麗なところは多くない。

ジョージタウンを中心にいくつか歴史的な建物があって、それらを個々で見ると、確かに見事であったりはするが、町全体として言えば、決して美しいものではない。

ある意味で言えば、マーケティング戦略が上手くはまったのがペナンで、実力以上に上手く印象として与えるのが上手い国というのが、マレーシアに実際に住んでみてこの国に対して受けた印象。


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