ミャンマーの不動産投資は手遅れな気がする




ヤンゴンを中心にミャンマーの不動産投資が
注目を集めてから時間がたつ。

最近話題になっていると思っているとすれば、
それは海外の不動産事情にうとすぎるし、
業者の口車に乗せられているだけの可能性が高いので要注意。

さすがに中国を推している業者はいなくなったが、
いまだにマレーシアやフィリピンを
新興国市場として勧めている業者はある。

もちろん特殊な条件の付いた物件ならいいが、
一般的なコンドミニアムだと手遅れの感が強いにもかかわらず。

家賃収入も売却益も期待できない段階になってから、
無邪気に高値で物件を買う人がいるのは不思議だ。



ミャンマーの不動産投資についても、
日本で簡単に注目されているという情報が入るようになって
すでに何年もたっている。

この時点で本来は警戒すべき。

残念なことに日本に情報が入ってくるのは遅く、
基本的にはトレンドを後追いして高値買いになりがち。


マレーシアやタイからフィリピンへ、
そこからベトナムやカンボジアへと注目が移った後、
今度はモンゴルやミャンマーへと照準が移っていった。

では、この国の不動産投資に本当にチャンスがあるのか?

客観的に見てみることにしよう。


遅れに遅れるコンドミニアム法の制定

元々ミャンマーは外国人が不動産を所有することができず、
投資をする場合にはノミニー(現地の代理人)を立てる必要があった。

これはフィリピンでもよく見られた手法。

そして、ノミニーに裏切られてお金だけ取られ、
物件の権利を奪われるケースがあるのも
フィリピン・ミャンマーの両方で見られる現象。


なにしろ法律的にはノミニー名義の不動産となるため、
彼らが裏切ったらそれまで。

法的には不正に物件を所有しようとした外国人よりも
正当な登記を持つノミニーが支持される。


デベロッパー名義にして物件を持つ方法もあったが、
どちらにしても法律の抜け穴をどうにかくぐろうとするもので、
ノミニーよりは低リスクにしても安全な方法とは到底言いがたい。

そんな状況において、
不動産投資家にとって重要な法律が
ミャンマーで制定されるという情報が駆け巡った。

それがコンドミニアム法。


この法律では、外国人によるコンドミニアムの所有が認められる。

土地については、ミャンマーの場合には国家所有となるため、
使用権を得るにとどまる。

期間は50年だが、10年間の延長を2回行えるため、最長で70年。

土地の所有権を得られないのはマイナスだが、
これはタイでも同じような仕組みになっている。


また、コンドミニアムを無制限に所有できるわけではなく、
6階以上の階において外国人比率が40%以内になるように
制限が加えられるという見通し。

このあたりはフィリピンの制度を参考にしたと思われる。

法律は独自性を変に追求するよりも
ベースとなるものを模倣するのが基本。

ミャンマーの場合、
外資規制なども含めてフィリピンがちょうどよい資料になったのだろう。



このコンドミニアム法だが、
私の記憶では2012年には話題になっていた。

しかし、制定・施行は2015年になってもまだされない。


このようなことは新興国においては珍しくない。

たとえばカンボジアの株式市場も
オープンが何度も先送りされた。

証券取引所ができた後も、
上場する会社が当初の目論見よりもはるかに少なく、
いまだに2社のみという状況。


どうもミャンマーのコンドミニアム法についても
同じにおいがする。



そして、コンドミニアム法の制定の噂が流れてから、
物件価格はフライング気味に上がった。

何しろ規制されていた外貨が流れてくるのだから、
当然不動産価格は上がっていく。

これは投資家としては見逃せない。


興味深いのは、
地元のデベロッパーがコンドミニアム法が制定される前から
外国人に物件を販売し始めたこと。

予約権の形を取ったり、デベロッパー名義にしたりといった形で。

制定までの期限が延びていることもあり、
すでに市場にお金も流れ込み、
期待による値上げも含めてヤンゴン等の不動産は値上がりした。


法整備の不備によるリスク

元々が軍事政権の時代が長く、
外国人投資家を受け入れてこなかった国だけに
法的な面での投資環境が十分に整備されているとは言いがたい。

また、税金についても37%という高率の取得税が正式にはかかるが、
この点も相当に曖昧にされていると言う。

実際なデベロッパーによってまちまちらしい。

公正なルールが整っていない国において、
地元のローカルルールがわからない外国人は格好のカモにされる。

最初は有利な条件を呈示しておいて、
後出しジャンケンのように本来のルールに切り替えてくる可能性も。


また、それ以外にも法的に権利が保護されるのか?

そもそも手続きに不備はないのか?

こういった部分にも大いに懸念が残る。


そもそもの物件相場の水準の問題

コンドミニアム法を含めた法整備の部分は、
いわばリスク管理に関係する部分。

対して、
 
物件価格が妥当なのか?

家賃による十分な利回りが期待できるのか?

継続的に賃貸付け(客付け)は可能なのか?

売却時にはキャピタルゲインを得られるのか?

中古物件になっても価値は下落しないのか?


こういった物件の評価も不動産投資においては重要。

というより、ここをクリアしていない場合は
どんな国でも購入する意味がないだろう。



この視点でミャンマーの不動産、
特にヤンゴンのコンドミニアムを見ていくと
買いたいと思う物件が今のところ見つからない。

平米単価を見ても、
国の経済力から見てまったく割安感がない。

もっとはっきり言えば、不当なほどに割高感がある。

たしかにヤンゴンは供給不足なところがあり、
今の段階では外国人旅行者や駐在員の需要が満たされていない。


しかし、10年後を考えたらどうだろうか?

いつまで需要が過剰な状態が続くのだろう?

ヤンゴンがいびつな発展の仕方をしてきたおかげで
今現在外国人向けの物件を所有している人は
家賃収入でおいしい思いをしているかもしれない。


ただ、それが今から参入することの理由にはならない。

高値づかみをしたのでは、
大きな損失を生み出すことになりかねないのだから。



正直、私が目にした物件の価格なら、
法律面でのリスクがないとしても投資したくはない。

まして他国に比べて
ミャンマーという国に不安が残ることを考えればなおさら。

そう考えると、
すでにこの国には手を出すべきではない気がしている。


十分な法整備が済む前に
価格が高騰するという不思議な流れとなった国だが、
もはや東南アジアがチャンスの時期は終わったように思う。

フロンティアを求めて業者は奥地へと進んでいるが、
この国も、あるいはスリランカ等も
不自然に販売価格が高騰している。

経済が一波乱起きたら状況も変わるだろうが、
それまでは特殊な強みのあるごく少数の物件を除き、
購入は控える時期だと個人的には分析している。

働かないキャッシュを持つのはムダだが、
余計な案件に投資して目減りさせても仕方ないので、
そこはシビアに見ることにしている。



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執筆者、伊田武蔵
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