部屋さえ捨てたシンプルライフの極致を体験した


シンプルライフを徹底したら、部屋から物が無くなるどころか、そもそも住む家自体が不要だという結論に至った。

もともと昔からがらんとした部屋に住んでいたわけではなく、かつては人並みに物を持っていたし、そのことに特別違和感を持っていたわけではない。

しかしながら、海外に住むようになってから、家具や家電がもともとついていることが通常なので、かなり身軽に移動できるようになった。

とはいえ、国際引越しというのはトラブルがつきもので、段ボールの箱がベコベコになっているとか、中身が破損しているとか、そんなことはもはや日常茶飯事。

さらに言えば、期限通り到着するということも期待できない。

そんなストレスを避けるために、余計な荷物を排除して、手荷物で持っていける分だけにしようというのが、最初にシンプルライフを志した結果であった。

つまり私の場合は、かなり現実的な必要性をもってスタートしたことになる。

ちなみに海外の部屋の場合、家具や家電の一通りのものが揃っているだけではなくて、食器であるとか、クローゼットとかそういった物も通常は備え付けになっている。

家具で言えば、ソファーやテーブル、椅子、一通りの照明、ベットや布団などもついているし、家電としては薄型のテレビや、冷蔵庫、洗濯機などがあり、部屋によってはアイロンやドライヤーも完備されている。

他にDVDプレイヤーとかステレオコンポなどがついていることも多い。

こうなってくると自分自身で大きな荷物を持ち込む必要がないので、部屋の中は入居時と、住んでいる時と、退去時で、ほとんど変わらない。

これがシンプルライフを促してくれる大きな助けになる。

日本の場合、どうしても自前で家具や家電を取り揃えなければいけないので、所有物を増やさざるを得ない部分がある。

さすがに布団が無い状態で暮らすのは厳しいし、仕事上椅子や机が無いというのも困る。

テレビは無くてもいいが、冷蔵庫や洗濯機位は欲しい。

しかし、海外で暮らすようになって、必要な物も、余分な物も含めて部屋には置いてあり、しかしながら私自身はシンプルに所有物を限定したままで暮らすことができる。

結果として全ての荷物を十キロほどに収め、毎回旅行者のようにスーツケースと鞄一つで引っ越していくので、移住しているのか、ちょっと旅行に来てしばらく滞在するだけなのか、見分けがつかないと言われることもある。

余計な物が無いというのは、引っ越しをするうえで非常に気楽な物で、唯一の問題点は、服をあまり持てないこと位。

東南アジアの場合は、年中夏だからいいのだが、ヨーロッパに夏から秋にかけて行くようなときはかなり困る。

というのも、寒くなってきたときの服を持っていかなくてはいけないが、それが嵩張るから。

現地で買おうにも、私のサイズが向こうではなかなか見つからないので、できればアジアで買って行きたい。

しかしながら、飛行機の持込み手荷物には限りがあるので、結局空港から着て行くことになる。

これは若干邪魔くさいし、何枚も持って行くことはできないので、服の着こなしということについては、かなり限定されるのがシンプルライフの弱み。

とはいえ物を持たないメリットに比べると、そのデメリットというのは小さなもの。

そしてシンプルライフのメリットは他にもあって、昔からきっちりと整理整頓をするようなタイプではなかったのだが、なにしろ物が無いので、無くしたり、あるかどうかを忘れてしまったりといったことが明らかに減った。

部屋の中で物を探しまわる時間というのは、無駄以外の何物でもないし、人生において、できることなら完全に削除したい時間ですらある。

そういったものが減ったというのは、なかなかいいことではないかと思う。

なにしろホテル暮らしを最近は基調にしながら、時々コンドミニアムを借りて数か月住むという程度なので、細かい棚とか引き出しにまで自分の物を入れるということもないので、ある程度まとまって置かれている場所が何か所かあるという程度。

こうなってくると、整理整頓を心がけなくても、物は見つけやすい。

唯一私がきっちりと綺麗にしておくのは、仕事をするときの机の上。

ここだけは気持ちを乱さないように、毎朝机の上を拭いてから仕事を始める。

基本的にホテルに泊まっている時はルームクリーニングの人が来るし、コンドミニアムに住んでいても、清掃の人を雇っているので、それ以外の掃除は人に任せるのだが、机の上だけはこまめにきれいにしたいということで、整理整頓というのはもちろんのこと、ホコリ等が無いようにきっちりと毎日拭くようにはしているが、部屋全体にまでは気が回らない。

それでもどうにかなっているのは、そもそもシンプルライフが前提となっているから。


本当のシンプルライフの入口

物をもたないというのは注目されやすいし、断捨離やミニマム生活という言葉で登場するのは、たいていがらんどうな部屋。

しかしながら人間にとって本当にシンプルにしなくてはいけないのは、そこばかりではないはず。

例えば時間の使い方。

この部分をごちゃごちゃした乱雑な状態で生きている人は、思いのほか多い。

私は本質的に重要なこと以外にできるだけ時間を使わないということを意識してきたが、結果としてずいぶんと人生が変わった。

仕事も選ぶようになったし、なんでもかんでもチャンスがあるとみれば手を出すということはしなくなった。

今後の成長につながるとか、自分の興味が引きつけられているとか、経験値を生み出せるといった思いがない場合は余計な仕事には着手しない。

例え頼まれても断るし、お金のために働くということはやめた。

また人間関係についても整理した。

どうしても人付き合いというのは時間をとられるもので、一時間会って話すだけであっても、その前に約束の場所まで行かなければいけないし、さらに言えば、待ち合わせの時間を守るためには、その前の時間帯にも、できることは限られる。

例えば集中して文章を書こうと思っても、時間が気になってそわそわしてしまうし、乗ってきたら乗ってきたで、時間によって容赦なく中断しなければいけないので、そういった仕事はできない。

そう考えると、たった一時間会うだけに思えても、実を言うと数時間分の犠牲を払っているといってもいい。

こういったマイナスを補って余りある友人達もたくさんいるので、そうした人達とは今まで通り会っているが、向こうが会いたいと言ってきた理由だけでとりあえず会ってみるということはとりあえずやめている。

それは人間関係や時間の使い方においてもシンプルライフを目指してきたからで、部屋の中がきれいになればそれで完結というものではない。

自然界においては、エントロピーは増大する一方だといわれるが、このエントロピーというのは、ごく大まかにいうと、不規則さとか乱雑さとか散らかり具合といった物。

つまり部屋を掃除せずに放置しておけば、ホコリは積もるしどんどん汚れていく。

エントロピーを増大させないためには、掃除をしたりしなければいけないわけで、これはある意味では自然界での摂理には反するが、人間として生きていくためには必要なこと。

これはただ単に部屋の中を整理整頓するというだけではなく、人間関係だったり、時間だったり、さらに言えば思考や知識であったりといったことも含めて、考えていくべきごと。

本当のシンプルライフは、そういったところも含めて取り組んでいくべきだろう。



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執筆者、伊田武蔵
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