ワンマン社長の経営に不安を覚えたサラリーマン時代


私がかつて勤めた会社は、
完全に創業者であるワンマン社長が独断で経営をしていて、
その末路に一抹の不安を感じるものだった。

しかも、すでに70代と高齢であったために
どれだけの期間仕事を続けられるのかという問題もある。

万が一の時に役員が支えられるかと考えても、
あまり期待はできない感じだった。



完全なワンマン経営だったため、
社長の側近はイエスマンであり、
社外から連れてきた人物がほとんど。

あとは血縁者。

あの状態では、
社長に何かあった時に不安が残る。



逆にワンマン社長が経営していること自体には不安はなかった。

創業者以外に定着している社員もおらず、
まともに経営判断が出来る人が他にいなかったので、
余計な議決などで迷走するより
最も経験も責任もある人物の独断のほうが
信用性は高いと思っていた。


実際、日本において経営は軽視されているし、
若い頃からまともに学んだ人はほとんどいない。

この点は世界的に見ても特異な点で、
出世すると経営者になるという不思議な現象が起こる。


元が営業でも技術でも総務や経理でも、
関係なく経営者になれる。

それは夢があるかもしれないが、
経営をなめているとしか思えない。


そんな社長や経営陣が上にいる方が不安だし、
いっそ野生の勘と人生を賭けて戦う意思のある
ワンマン社長の方がいい。

ただし、幸運にも実力と適性のある者がトップに立つという
偶然が続くことがまれなために
2代目や3代目は失敗することも多いし、
多くの企業がサラリーマン社長をトップに据えると
創業者の頃の勢いはなくなる。

無能な多数決に頼るより、
有能なワンマンである方がいい。



勤めていた会社の社長が有能だったかは不明だが、
長い間会社を継続して一代で中堅企業を築いたのだから、
人並み以上の手腕はあったのだろう。

社員の定着率は低くて40代や50代が空白だったり、
再三の自分の言葉をあっさり曲げて
息子を次期社長に抜擢したりと問題もあったが、
そこまで会社を大きくしたのは間違いなく社長。



不安なのは、次の代だった。

息子はまったく関係ない会社で働いていて、
急遽役員として引っ張ってこられた。

高齢の役員たちの覚えも悪かったらしく、
ギシギシと軋轢の音が聞こえてきそうだった。


かと言って、役員を一掃したりすれば
下の世代が育っていないだけに組織は崩壊する。

70代の役員達以外は、いきなり30代まで年齢が下がるので。



こうして会社の迷走は始まるように見えた。

会社を作り、継続し、それなりに大きくできても、
継承するのは別の技術。

そんな事例のような会社。



会社の将来に不安があっても、
上司からのパワハラを受けていた私には関係ない。

どのみち長く勤め続ける気などなかったのだから。


会社の末路を見届けたかった気もするが、
ある日予告なしにリストラされた。

数々の先輩社員たちと同じように。


こうして私はこの会社との縁が切れ、
その後にどうなったかは分からない。

年齢的に考えても、
ワンマン社長が存命かどうかも定かではない。

もちろん会社の存続についても同様。



30年以上続いた会社であっても、
潰れるのは一瞬というのは普通のこと。

すでにこの世界から存在自体なくなっているのかもしれないし、
今もグレーな販売手法を行いながら
生き延びているのかもしれない。

ただ、どのみち数年の寿命ではないかと思う。


創業者であるワンマン社長が去れば、
もはや経営をしていける状態ではなくなる。

人脈も社長が一人で独占していたので、
急に40代の息子が出てきたとしても
これまで通りに行くとは思えない。

アクの強い創業者だからできたことを、
継承した者が同じようにやれる可能性は低い。


事業や会社の継承という厄介な問題を見た思いがする。


ワンマンの問題点

能力のある人間が組織を引っ張ること自体は、
無能な民主主義を機能させるよりも結果を出せる。

会社組織は国や地方自治体の運営ではないので、
別に投票や議決によって方針を決める必要はない。


そもそも中小企業には経営の面で
有能な人材が入ってくる余地が少ない。

そうなると、おのずと創業者に頼ることになる。

ワンマン社長が起業して早々に失敗したとすれば、
それは無能だっただけ。

よくある起業の失敗談でしかない。


問題はある程度うまくいった後、
年齢や慢心、事業環境の変化等で判断力が衰えた時。

そして、社長の死去等によって経営の舵取りができなくなった時。

路頭に迷う社員や、被害を受ける取引先が出ることになる。

事業の種類によっては、
顧客も大きな迷惑を受けることになる。


個人の力に依存して経営してきた以上、
次代の経営者が無能なら会社は傾く。

特別能力がないわけではなかったとしても、
相対的に劣っていれば結果は悪くなっていく。

そうそうに優秀な人間が育つわけもないので、
こうして会社は次世代への引き継ぎに失敗し、
息絶える方向に向かっていくことに。

それを防ぐには、
ある程度割りきったモデルで
経営者の能力に依存しない仕組みを作り、
大きな結果を求めない方向へのシフトをするのも
1つの選択肢ではないかと思う。

リスクを小さくすることを優先し、
ワンマン社長が退陣した後も会社の継続可能性を高めるのも
社員や取引先を守る1つの手になる。


とは言え、
社員が自分の身を守るには、
結局のところ会社への依存度を下げるということが何より効果的。

給料が途絶えた途端に住宅ローンの返済に困るとか、
生活の心配をしなくてはいけないというのは健全ではない。

何しろ、起業の寿命は30年を切り、
働いてい間に会社がつぶれることは珍しくないのだから。

リストラ等も含めれば、
今の仕事を自分の意志と関係なく失う可能性はより高くなる。


そうなった時でも生きていけるように副収入を得ておくとか、
せめて次の再就職先が見つかるようなキャリアを築くとか、
そういった対策は不可欠だろう。



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執筆者、伊田武蔵
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