ピクセルはこれからの映画作りを象徴するような映画だった


タイ北部の街チェンマイで映画ピクセルを鑑賞してきた。

この作品は、レトロゲームのパックマンやドンキーコング、ギャラガなどを模した形で宇宙人が攻めてきて、かつてのアーケードゲームのチャンピオンや上位入賞者達がそれに立ち向かっていくという物語になっているが、あきらかにアーケードゲーム世代をメインターゲットとして想定している。

もちろんこれらの作品はその後もリニューアルされたり、他の作品にキャラクターが登場したりすることでそれ以降の世代にも興味が持たれているし、私のように30代半ばであってもドンキーコングなどはファミコン時代にお世話になったゲームの一つ。

またパックマンはプレーしたことがないものの、なんとなく知ってはいるという関係ではある。

とはいえピクセルにドンピシャな世代というのはおそらく40代前半から半ばぐらいになるのではないだろうか。

ピクセルの中では、インドにある象徴的な建物タージマハルがアルカノイドに襲撃されるといった場面があったり、ワシントンDCが襲われたりと、いわゆる世界の風光明媚な観光名所とのコラボもされていて、わかりやすい見所が作られている。

世代によって人口が異なるというのは当然のことだが、団塊の世代やその少し下ぐらいは人口が多いので、そこに向けられた作品は今後も増えていくと思われる。

ピクセルはアーケードゲームやレトロゲームといった分野を使用しているので、粗いドット絵などの懐かしさが表現されているが、それゆえにどの世代をターゲットにしているかという設定がはっきりと見て取れる。

アメリカにおいては多くの映画が10代、もしくは20歳前後の若者向けに作られることが多く、ポップコーンやコーラを口にしながらデートで楽しむ程度の娯楽と捉えられることが一般的であるのに対し、日本の場合は芸術性や作品性を求めるあまりヒットが少ないという指摘もある。

しかしながらアメリカにおいてもあるいは世界的な映画作りにおいても、今後人口の多い世代に向けて意図的にターゲットを絞った作品作りというのはどんどん増えていくことだろう。

ピクセルを観てもかなりコテコテのキャラクター設定がされていて、主人公のサム・ブレナーはかつてのアーケードゲーム世界大会で敗戦したことを心の傷として持っており、さらにその後の社会人としての人生においてはかなりくすぶっている状態。

そして幼なじみのウィル・クーパーはアメリカ大統領になっているという特殊な事情はあるものの、ゲームがうまかったわけではなく、あくまで主人公のサム・ブレナーのサポート役に徹している。

そこにゲームオタクらしいラドロー・レイモンソフと、個性が強く、悪役としての側面も持ちつつ物語の途中で改心するエディ・プラントなどが加わり、物語を構成している。

こうなってくると、映画作りがクリエイティブな作業というよりは、組み合わせという要素がより強くなっていく。

すでに物語のテンプレートも開発されているというし、今後もその傾向は強くなっていくのではないだろうか。

そして名作の復刻やリソースとしての活用ということは、ピクセルのように他のメディアで古き良き時代の作品を取り上げるということだけではなく、日本においても名作の続編が漫画で続々登場している。

例えば魁!!男塾やキン肉マン、ブラック・ジャック、アウターゾーンなどなど、同一作者によって作られているものもあれば、他の作者によって引き継がれたものもあるが、こういったコンテンツの再利用というのも人工的にボリュームのある世代を取り込んでいく間違いのない施策として今後も増えていくのであろう。



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執筆者、伊田武蔵
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