海外での貧乏生活がオススメできない理由




もう日本を出てから4年以上が過ぎるが、日本で貧乏生活をするぐらいであれば、もっと物価の安い国に行って、そこそこの暮らしをしたいという話を聞くことがある。

しかしながら、そういった要望というのは、叶えられることはなく、残酷な結果に行きつくことが多い。

というのも、まず移住したいということであれば、ビザの問題をクリアしなければいけない。

現実には、ビザがなくても、とりあえず住み始められる国があるが、その例としてはフィリピンやマレーシアがある。

但しこれらの国も、5年や10年ビザ無しで住めるわけではなくて、せいぜい1、2年の話。

それ以上になれば、リタイアメントビザなり、永住権なりを取る必要があり、貧乏生活をする前提の場合、資産要件を満たしていないことも多い。

例えば、フィリピンの永住権であるクオータービザの場合は、アメリカのドルで5万ドルを海外から一度送金する必要がある。

マレーシアのリタイアメントビザであれば、50歳未満の場合、現在のレートだと800万円ぐらいの金融資産がなければいけないし、1千万円程度をマレーシアの国内銀行に定期預金で預けなければいけない。

こういった条件を満たさない場合は、そもそも現地で暮らすことができない。

300万円程度の定期預金で、リタイアメントビザを取れるタイのような国もあるが、こちらは50歳以上という年齢制限がある。

そして何より、住む権利を得たところで、新興国で貧乏生活をしようとして気付くことは、思いのほか物価が上がっているということ。

10年も20年も前のイメージを引きずって、これらの国であれば、月に2、3万円で生活ができるとか、夢見ている人もいるが、実際はそんなことはない。

確かに現地の人の所得を考えれば、そういった生活を送ることも不可能ではないものの、日本人は例え貧乏であっても、現地の人からはそうは見られない。

当然ながら、治安の悪いエリアに住めば、狙われることも多く、犯罪に巻き込まれるリスクは高い。

事実として、金品を所持していなくても、強盗にあった時に、頑なに何も出さなければ、それで体に危害を加えられることにもなり兼ねないわけで、安心して暮らすのはなかなか難しい。

また、食事が100円や200円で食べられるというのは事実であるものの、それは一部のローカルフードに限った話で、こういったものを半年とか1年とか、継続的に食べていくというのはなかなか難しい。

私もマレーシアに移住した当時は、マレーシア料理や、近隣のタイ料理、インドネシア料理等を美味しく感じたが、それはあくまでも珍しいものとして、食べている段階の話として、日常的に食べるようになると、うんざりするようになった、

事実最初の1年を除けば、マレーシア料理等を食べることはほぼなくなって、和食や洋食が再び食生活のメインになった。

そして、外国人向けのレストランに入れば、結局は1000円弱ぐらいはするわけなので、日本の地方に移住するのと、新興国で外国人らしい生活をするのは、コスト的に言うとたいして変わらない。

ではなぜ海外で生活を続ける人がいるのか?

生活費の部分で、海外でのメリットは薄れ、新興国で貧乏生活をするぐらいなら、物価の安い日本の地方に住んだ方が、良いという話をしてきたが、それならなぜわざわざ海外で生活する人がいるのか、という問題がある。

富裕層が節税のために、移住するような場合は、とりあえずこの場合除いておいて、貧乏生活を送ろうとしている人に、関係のあるところとしては、同じコストであっても、グレードの高い生活ができるということが挙げられる。

例えば、家賃7万円のところに住んだとして、これが物価の安さというメリットを享受しているとは思えなくても、建物のグレードであるとか、南国でプール付きの生活を送れるとか、あるいは一通り最新の機材が整ったジムが併設されているとか、こういったところに価値を感じる人は多い。

つまり、貧乏生活をして、徹底的にコストを削減するためというよりは、中流の世帯並みの出費をしながら、そこそこ良い暮らしができるというのが、新興国に住むメリットとなっている。

家事負担ということを考えてみても、日本で貧乏生活をする場合はもちろん。

中流の家庭であっても、妻や夫が担当するというのが通常で、お手伝いさんを雇うということを考えられるのは、ごく一部の富裕層のみとなる。

しかしながら、フィリピンのような国であれば、月に2、3万円もあれば、住み込みのメイドさんを雇うこともできるし、メイドさんに家に入られることが気になるのであれば、例えば洗濯だけ外のランドリーに持っていってやってもらうとか、そういった方法もある。

このランドリーというのは、日本でいうクリーニング屋のような本格的なクリーニングだけではなくて、普通の洗濯機で洗って乾燥機で乾かし、それを綺麗に畳んでくれるという一連のサービスで、安い店であれば、1kg100円ぐらいで請け負ってくれる。

こういった生活を日本で送るのは、無理な話なので、そこそこに生活費をかけながら、日本では考えられない暮らしぶりを、経験するというのが、新興国に長く住む人の傾向となる。

逆に言えば、新興国で貧乏生活をするというのは、もはやメリットが薄いのではないかという風にすら思える。

貧乏は選択肢を狭める

学生時代他人の下で働くのがばかばかしかったので、アルバイトは生活の必要最低限のレベルでしかやっていなかった。

その為、当時はとてもお金に困っていて、真冬であっても暖房を使えないとか、極寒の部屋の中で、服を脱いでシャワーを浴びなければいけないとか、そういった経験もしてきた。

今はサラリーマンを辞めて独立起業し、それなりに収入も確保できているが、そのおかげで大きく選択肢が増えた。

例えば住む国を選ぶということもそうだし、いつでも旅に出ることができるということもそう。

例えば3日前に友人からマカオに誘われて、ふらっと出かけたこともある。

特に東南アジアに住んでいるような場合であれば、エアアジアやタイガーエアのようなLCCも発達しているので、アジア内なら片道数千円程度で旅行に行けることも多い。

別に大金持ちにならなくても、ちょっとした余裕があるだけでも、選択肢というのは大きく広がる。

そして結局のところ、よほどの浪費家でなければ、節約をするよりも、ちゃんと収入を得るということを考えた方が、個人の財務状態というのは改善しやすい。

そして今では、バイトや正社員になって、他人から給料をもらう以外に、自力で小さな金額を稼ぐということが、非常に簡単になっているので、副業であったり、リタイアしてから、小さなビジネスを持って、場所にとらわれない形で、働く人も増えている。

貧乏生活をしている時には、仕事をするということに対して、とてもネガティブな印象を持っていたし、とにかく働きたくなかった。

しかしそれは、他人に使われたくないとか、やりがいのない仕事をしたくないということであったというのが、今ではわかる。

逆に言えば、自ら仕事を選べて、やりがいも感じられるのであれば、わざわざ貧乏生活をするよりも、ちゃんとお金を稼いで、安心感と選択肢のある暮らしをする方が、いいと今では確信している。



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執筆者、伊田武蔵
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