ラオスはASEAN各国と比較しても、GDP最下位と経済が振るわない国として有名。
人口がわずかに639万人しかいないということで、これはASEAN各国で見ても10カ国中8位という結果。
ちなみに9位がシンガポールで、10位はブルネイ。
ラオスはそれほど国土が狭い国ではない一方で、このように人口は非常に少ない。
そして、国民の多くが農業に従事したり、あるいはサービス業を行っていたりするということで、これといって目立った産業もないのが悩みの種だった。
それに対して、近年ではラオスがメコン川の水力発電によって注目されている。
参考:関西電力:ラオスに大規模な水力発電ダムを建設、第二のくろよん建設に挑む。
2020年には2万4千MW程度に供給量が増えるのではないかという試算もあって、これはラオス国内で必要としている電力よりも遥かに多い。
というのも、ラオス国内での電力需要というのは、2010年の段階においては、約559MW。
これが2020年には人口が増えていたり、あるいは経済成長が見込まれることによって、3千MW弱に増えるのではないかと言われている。
必要な量が3千MW以下で、実際に供給できる量というのが2万4千MWということは、大部分が余ることになるので、それを輸出することによって一大産業になる。
しかも、クリーンエネルギーがどれだけ注目されているかは周知の通りで、水力発電は火力発電のように二酸化炭素を出すこともなく、原子力発電のようなリスクもない。
そういった意味で言うと、究極のクリーンエネルギーの一つとなる。
ただし、水力発電には初期投資も必要なので、設備を作るためには、それなりの資金が求められることになる。
そこで今現在の、ラオスの状況はどうなっているかというと、ラオスには株式市場がすでに存在していて、ただし上場しているのはわずかに2つの企業のみ。
上場企業による発電事業
そのうちの一つがラオス電力発電という会社で、こちらが上場したことによって資金を市場から調達して、それによって水力発電をどんどん推進していく流れができている。ちなみに、ラオスの株式市場に上場しているもう一つの会社はラオス外商銀行。
この2つの銘柄はラオスの証券取引所のオープンと同時に上場したもので、2013年の段階では未だにこの2つの企業しか上場していない。
オープン当初から上場準備をしている企業が約20社あって、それに追随する会社も続々出てくるという話があった一方で、未だにこういった状況なので、今後の見通しも暗雲が立ち込めている。
こういった現象はカンボジアの株式市場においても見られて、新興国においては、株式市場がオープンしたとしても上場できる銘柄が極端に少なく、ほとんど取引もないために、出来高が異常に低いとか、流動性が著しく損なわれていることもあるのが特徴的な要素となる。
ラオスというと、ヴィエンチャンとルアンパバーンに行ってきたが、どちらものどかで非常に人が良かったし、ビエンチャンにあるRays Grille LaosのハンバーガーやLao Kitchenはレベルが高かった。
こういった国でエコなエネルギーができるのは国民性にも合っていて、なんだか深く納得できるところだった。