各国のリタイアメントビザを海外移住者が解説してみた




海外移住の際にリタイアメントビザを取得する人は多い。

現地で働くなら就労ビザが一般的だが、
国際結婚でもその国で仕事をするのでもなければ
リタイアメントビザで滞在するというのが一般的。


取得条件として50歳や55歳以上としている国も多いが、
中には年齢制限がなかったり、
35歳以上に設定されている国もある。

実は、私も30代でマレーシアのリタイアメントビザを取り、
現在は別途フィリピンで永住権を申請中。


ここでは各国のリタイアメントビザ事情を紹介する。

ひとまず今回紹介するのは、
マレーシア・フィリピン・タイ・インドネシア・台湾・
シンガポール・カナダ・ハワイ(アメリカ)となる。



マレーシアのリタイアメントビザ




これはMM2Hと呼ばれるもので、
私も31歳の段階で取得した。

MM2Hの場合、リタイアメントビザでありながら
20代でも取れる特殊なものとなっている。



10年更新のため、一度取ったからといって
効力がずっと続くとは限らない。

現状、50歳未満ならおよそ1500万円の資産と
900万円のマレーシア現地での定期預金を入れることで取れるが、
この金額を上げる議論も出ている。

マレーシアの観光省の大臣が
6,000万円が妥当という意思を表明したり、
今後の先行きはあやしい部分も。


今のところは、
50歳以上なら資産が約900万円、
定期預金は600万円となっている。


これらの資産条件さえ満たせば、簡単に取得可能。


マレーシアの場合、クアラルンプールやペナン、ジョホールバルが
日本人の移住先として人気。



フィリピンのリタイアメントビザ




こちらはSRRVとも呼ばれている。


フィリピンの場合、永住権であるクオータービザも取れるので、
リタイアメントビザと人気を二分している。

私は権利としての確かさを考慮して
フィリピンでは永住権を取ることにした。

当初はSRRVを取る予定だったのを変更する形で。



フィリピンのリタイアメントビザを取る場合、
いくつかの種類がある。

どれも35歳以上が対象となる点は共通。


まずはSRRVクラシックで、
50歳未満なら定期預金または不動産への投資額が
米ドルで5万ドル必要。

50歳以上になると2万ドルに減少する。

また、年金があれば預金等は1万ドルで済む。


もう1つはSRRVスマイルで、
こちらは2万ドルの定期預金が必要で、
投資に使うことはできない。

医療や埋葬費用への転用は許可されている。


他にSRRVヒューマンタッチというものもあるが、
これは通常のリタイアメントビザではなくて
療養や介護を目的としたものとなる。



フィリピンはルールが変わりやすいこともあり、
取得の際に慎重に手続きを進める必要がある。

更に言うと、あやしい業者が多いので
この点も要注意。

私もビザ取得に際して色々調べたが、
信用できないというより限りなく黒に近いグレーの業者も
複数見つけてしまったぐらいなので。


フィリピンの場合、日本人が多く移住するのは
セブとマニラ(特にマカティやグローバルシティ等)となる。



タイのリタイアメントビザ




Oビザとも呼ばれるもので、50歳以上が対象。

タイ国内に80万バーツ以上の預金があるか、
月に6万5,000バーツ以上の年金収入があること等が条件となる。

こちらは1年ごとに更新することになる。



タイの場合、リタイアメントビザ以外は取得しづらくなっており、
就労ビザも現地の人を4人以上雇わないと
日本人1人にビザが出ないなど要件が厳格。
(業種等によって若干差がある)


それに対して、
リタイアメントビザの条件は各国と比べてもゆるい。

50歳以上なら移住のハードルが低く、
それ未満の年齢だと住むのが難しい国ということになる。



タイの場合、バンコクの他にアユタヤやチェンマイ・チェンナイ、
プーケットも移住先として人気。



インドネシアのリタイアメントビザ




ジャカルタやバリを擁するインドネシアは、
リタイアメントビザの条件を緩和している。

通常、新興国は条件を厳しくしていく中で、
積極的に外国人を誘致する姿勢を見せている。

具体的には、以前なら月に2,500ドル必要としていた年金額を
1,500ドルに下げている。

年金がなくても、預金等の証明によって
代替することも可能。


また、500ドル以上の賃貸物件の利用か
35,000ドル以上の不動産の購入が必要。

リタイアメントビザの取得を意識しなくても、
普通にインドネシアで外国人として暮らせば、
この条件は自然に満たせる。


年齢は55歳以上なので、
この条件さえ満たせば簡単に取れるビザということになる。



台湾のリタイアメントビザ


親日国として知られるだけに、
台湾は日本人にとっても人気のある国。

しかし、この国のリタイアメントビザには特殊な条件がある。

というのも、180日しか滞在できないこと。


通常、短くても1年は滞在が認められていることを考えると
明らかに期間が短い。

この点が他の国と台湾のリタイアメントビザの大きな違いになる。


条件としては、55歳以上で5万ドル以上の金融資産を持ち、
年金受給者であること。



シンガポールのリタイアメントビザ




残念ながら、シンガポールにはリタイアメントビザは存在しない。

事業や投資によってビザを取得することになり、
数千万円代後半の資金を投入する必要がある。

シンガポールへの移住は
日本の中でも富裕層以外には事実上縁のないものとなる。



カナダのリタイアメントビザ




世界一住みやすい街と称されるバンクーバーのあるカナダ。

残念ながら、カナダもリタイアメントビザは発給していない。

ただし、ビザなしで半年滞在できる上、
それを更新することもできる。

これで1年住めることになる。


本格的に住みたい場合には、
移民プログラムへの参加等が求められることになる。



ハワイのリタイアメントビザ




日本人の旅行先・移住先として人気だが、
ハワイにもリタイアメントビザはない。

というより、そもそも独立した国ではないので
当然アメリカの制度がそのまま適用される。



このように移住先として人気の国であっても、
先進国ほどリタイアメントビザの制度が存在しないことが多い。

外国人を積極的に誘致することで
国の経済を潤そうとするのは新興国になるので、
これは仕方のないこと。

逆に言えば、
新興国であってもマレーシアのように
ハードルを上げる方向に動いている国もある。


条件は常に変動しているし、
予告なしにある日突然変わる例もこれまでに見られる。

この点はご注意を。



また、ポルトガルやスペイン、ギリシャ、ラトビア等は
経済危機のあおりを受けて海外からの投資を呼びこむため、
有利な条件で投資ビザを発行している。

たとえばポルトガル及びスペインの場合、
50万ユーロ以上の不動産を購入することが条件。

他にもハンガリーの場合、
25万ユーロ以上の5年物の特別国債の購入により
永住権を得られる仕組みまである。


上記の国に別に住みたくないと思った場合でも、
ヨーロッパには特別な事情がある。

シェンゲン協定によって、
他の国への移動にパスポートチェックがないという点。

たとえばポルトガルで不動産を買い、投資ビザを得て
フランスやドイツでアパートメントを借りて住む、
あるいは期間無制限でヨーロッパを旅する、
といったことも可能になる。

成熟した国の場合でも、
このように臨時で経済政策としてビザを発行する場合もある。

リタイアメント層にとっては、
このようなチャンスも上手に活かせば選択の幅が広がっていく。

新興国の場合は条件が厳しくなったり、
廃止されないうちに急いで取るのが原則だが、
国の成熟度によっては戦略が変わってくる。

と言っても、各国の経済政策を事前に予測するのは難しいし、
ヨーロッパのように複数の国にまたがって
事実上住めるというのはイレギュラーな話ではあるが。



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執筆者、伊田武蔵
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