産業革命は緩やかな変化でしかなかった


世界史の授業で言うと、産業革命というのは人類にとって、劇的な変化であるかのように言われている。

しかしながら実際問題として、第一次の産業革命というのは、非常に緩やかな変化しか起こっていなかった。

こちらは、1760年頃に始まり、1830年頃まで続いていたので、約70年をかけて、まずはヨーロッパから変化が起こり、それが北アメリカに波及し、そして世界の様々な国に効果が及んでいったことになる。

但し、今のように情報の伝達手段というのが発達していなかったので、この産業革命というのは、のんびりとしたペースでしか進行していなかった。

例えば、年間の経済成長率ということを見ると、産業革命の全期間を平均して考えると、0.5%程度でしかない。

最近であれば中国が、毎年10%以上の経済成長を遂げていたということも記憶に新しいが、こういった近年の新興国の経済成長に比べると、非常に緩やかなペースにすぎない。

しかも、約70年も続いたということがあるので、人が一生を終えるだけの期間をかけて、イノベーションが起こったていたということになる。

その為、私達が経験しているようなグローバル化であるとか、あるいは、パソコンやインターネットが一気に普及して、更に言えばそれから10年も経てば、スマホやタブレットも新興国も含めて普及しているような、そういった劇的な変化ではなかったと予想される。

むしろ、身の周りでのんびりと、しかしながら確実に変化が起こっていたというのが、当時の世界の人々の認識だったのではないかと思う。

これに対して、第2次産業革命については、文字通り劇的な変化を起こしたと言われている。

こちらは19世紀の中盤から後半に起こったもので、エネルギー事情が一気に変わった。

蒸気機関という人類にとっての大きな発明が行われたことによって、化学が実用的なものとして脚光を浴び、そして企業はどんどんと組織化をしていくようになった。

更に言うと、この第2次産業革命によって、現在の企業組織の形というのは大部分が作られることになる。

つまり、ピラミッド型の組織が作られて、そして各自の仕事というのは、どんどん細分化されていく。

こういった、第2次産業革命時の組織作りというのは、今現在も引き継がれていて、それはフォードのシステムによって、象徴されている。

フォードというのは自動車の会社で、いかにして効率的に生産を行っていくかということを追及した結果、いわゆるベルトコンベアー式の生産ラインというのを作ることになった。

こういったことによって、どんどん分業化というのは進み、それによって労働者によって、本来の仕事の本質である価値を産むという行為からどんどん遠ざけられて、歯車の一部に変えられていったことになる。

このように産業革命といっても、第1次は第2次に比べて、非常に緩やかに進んでいった傾向があるのに対して、第2次の方は一気に人類の命運というのを変えていったということになる。


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