節約生活のために海外に行くのは無駄




月々の出費を減らすために、新興国に移住して、節約生活を送ろうという話を聞くことがある。

特に東日本大震災のあとは、原発等の問題もあったので、こういった流れが加速している。

私が聞いた話だと、老後のリタイアメント世代で、日本で年金暮らしをするのが厳しいので、新興国に移住したいという人もいれば、まだ30代とか40代とかで、海外の物価の安いマレーシアやフィリピンで節約生活を送れば、どうにかなるのではないかという風に、展望を語ってた人もいる。

しかしながら、実際に行動に移す前に、二つ考慮に入れておきたい点がある。

為替の影響による劇的な状況変化

基本的にマスコミ等が流す情報というのは、遅いと思っていた方がいい。

これは海外移住や投資に関しては、常に言えること。

そして物価が安い国で、節約生活を送れば、年金がそれほど多くなくても、余裕のある暮らしができるとか、あるいは所得があまりなくても、豊な暮らしができるというのは、何年も前の話。

特に大きな要因として、円安になったために、日本円に換算した場合の現地の物価が、30%から40%ほど上がっているということ。

つまり1年ほど前に比べて、物価は3割4割、事実上上がったことになる。

もちろんこれは、現地通貨で所得を得ている人の場合には、当てはまらない。

何しろ為替の問題なわけなので、円安にふれたからといって、例えばマレーシアのリンギットで所得を得ていて、マレーシアのクアラルンプールや、ペナン等で暮らしているのであれば、これまでと影響を受けないことになる。

実際私の友人で、バンコクで社長をしている人がいるが、彼の場合は、タイの通貨バーツで所得を得ているので、円安にふれたからといって、直接的にダメージを被るわけでもないし、むしろ日本に仕事の関係で一時帰国した時には、タイバーツ換算で考えた時に、非常に物価が安く感じたという。

しかし多くの日本人の場合、日本円で所得を得ていたり、あるいは資産を食いつぶすような形で、節約生活を送りたいと思って、移住を考えていると思うので、その場合には日本円ベースに直した時の現地の金額は、3割から4割増えたことになる。

そして今後も長期的に見た時に、円安傾向にふれていくとなれば、更にダメージは深刻化していく。

資産がある程度存在しているなら、それを日本円だけで所有するのではなくて、各国通貨に分散するとか、他の国に不動産を買うとか、そういった形で対策を取ることはできるが、以前にマスコミが騒いでいたような物価の安さというのは、例え新興国であっても、すでに存在しないと思っていた方がいい。

インフレによる物価の上昇

二つ目の要因としては、多くの国では継続的にインフレが起こっていて、特に新興国の場合であれば、それが顕著であるということ。

フィリピンやマレーシア、タイといった国では、継続的にインフレが起こっているため、節約生活を送ろうとしても、コストはだんだん上がっている。

しかしながら情報というのは、そこまで早く変わるものではなく、今でも月に5万円あれば、これらの国で暮らすことができるとか、そういった牧歌的な時代の話が、繰り返されている模様。

しかし実際問題としては、現地通貨ベースであっても、国によって、毎年4%、5%といったインフレが起こっているので、デフレが続いた日本人としては、ピンとこないような感覚もある。

その傾向が特に顕著なのは、オーストラリアやニュージーランドで、かつてはリタイアメント世代の移住先としても人気だったようだが、今現在となっては、すっかり高嶺の花となってしまった。

生活費も高騰して、日本の東京に住むよりも割高感があり、5割増しから2倍ぐらいのコストがかかるというのが、シドニーやメルボルン等を訪れて、現地で感じた印象だった。

まして、ビザを取ろうとしても、数千万円台後半は当たり前にかかるので、庶民が節約のためにオーストラリアで生活するなんて、今となっては浮世離れした話になってしまった。

新興国の生活費の現実

例えば、私が以前住んでいたフィリピンにある、マカティという商業エリアの場合、安いコンドミニアムであっても、月に5万円程度はする。

もちろんそれ以下の物件もあるにはあるが、日本人が安全に住むということで言えば、やはりそれ以下の物件というのは厳しいものがある。

海外で生活する上で、安全はお金で買うという部分があるのは事実で、その部分を節約して、危険な目に合うというのは、あまり賢明な選択には思えない。

私は貧乏だから大丈夫ですという人もいるが、外国人から見れば、日本人であるというだけで、お金を持っているように見えるわけなので、当然ながら標的にされる可能性はあり。

本当にお金を持っていなくても、嘘をついていると思われて、怪我をさせられるような恐れもある。

そう考えてみると、最低ラインとしても月に5万円。

そこそこの暮らしがしたいのであれば、月に7、8万円を家賃として出すことになるし、食事だって和食レストランで食べれば、ランチでも一食700円から800円はする。

そう考えてみると、諸々の費用を含めて、月に15万円程度は、標準的な暮らしであっても必要になる。

もっともここで言う標準的な暮らしというのは、コンドミニアムにプールが付いてきて、常夏の南国暮らしということになるので、日本で言う普通の暮らしとは少々ズレているところはあるが、フィリピンやマレーシア、タイといった国で、日本人が外国人として暮らすのであれば、こういった生活が標準となる。

節約をするとすれば、食事をローカルフード中心にするとか、自炊をするということになるが、人件費の安い新興国において、自炊をするというのも、何だかばかばかしい感じがする。

ある程度節約をしたとすれば、月に10万円ぐらいで暮らすことができるが、それなりに切り詰めた結果、この金額ということになるので、それであれば、もはやわざわざ海外に出なくても、日本でもいいのではないかという感じもしてしまう。

東京の都心部であれば話は別だが、大阪や福岡の中心部から外れたところであれば、安くで暮らすことができるし、まして静岡や仙台、広島等の地方都市であれば尚更。

またこういった新幹線が止まるようなレベルの主要ターミナルではなくて、もう少し人口の少ない都市であっても、快適に暮らせるような場所は、探せばいくらでもあるわけなので、節約生活を送るのであれば、そうした場所に引っ越すというのもあり。

但し、海外の場合、多くの物件で家具や家電が付いてくるため、引っ越し費用がほとんどかからないというメリットがある。

日本で引っ越す場合であれば、荷物を運ぶ為の費用が、かなり高額になる場合もあるので、この点は一向の価値がある。



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執筆者、伊田武蔵
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