ポーランドのクラクフにて、ポークのカツの上に甘く煮込んだりんごをのせている料理に出会った。
普段であれば最近は揚げ物を食べないものの、せっかく出てきたので食べてみたら、ジューシーさと味の奥深さを兼ね備えていて、とても美味しかった。
肉に甘い味つけを組み合わせた料理は普段なかなか食べることはなかったが、ポーランド特有なのかもしれないと思いつつ、鶏肉にラズベリーやクランベリーをのせたものであるとか、そういったものも何回か食べていた。
その後、スロバキアにも行き、ブラティスラヴァではDivny JankoやGatto Matto Bistroで似たような料理があることを知った。
さらに昨日チェコでは、鶏肉の上にクランベリーをのせたものが出てきた。
この鶏肉は醤油だれのような味つけがほどこされてローストされており、その上にジャム状になったクランベリーがのっているというもの。
クランベリーなしで、その醤油ベースのような味つけだけでも十分に成り立っているが、このクランベリーの部分を一緒に口に含むと、それはそれで魅惑的な味わいが広がっていく。
一見するとミスマッチのように思えるものの、実を言うと肉と甘いソースは、かなり相性がいいのではないかと思う。
実際、東欧で1ヶ国だけではなく、少なくとも3ヶ国に広がって、こういった味が受け継がれていること自体がその証明。
逆にアジアに戻ると、こういった味つけの料理はなかなか見つけることができないので、恋しくなることがあるのかもしれない。
基本的にどこかの国の料理を強烈に食べたくなることはあまりなく、せいぜい和食をたまに所望する程度なので、食へのこだわりや執着はそこまで強くないと思っていたが、今回のこの肉と甘味との組み合わせは、例外になる可能性がある。
和食を食べる頻度が激減
ふと思うと、アジアにいる時には、毎日平均して1回ぐらいは和食を食べていたのに、ヨーロッパに来てからは1度も食べていない。そして、特に食べたいとも思わない。
アジアで頻繁に和食を食べていた背景には、アジアの料理が合わなかったというのもある。
最初から合わなかったというよりは、マレーシアでローカルフードしか食べられないような立地の住居に住んでしまったため、その時に飽きてしまい、それからアジアのローカルフードを食べたいとは思わなくなった。
もちろんイタリアンであるとか、スペイン料理とか、そういったものも食べることはできたが、どうしてもレパートリーは狭くなる。
特にイタリアンは、パスタにしろピザにしろ小麦粉だし、リゾットは米ということで炭水化物が中心。
小麦粉を大量に摂取する場合は、グルテンフリーの店でないと、グルテンの面でも不安が残る。
そういった意味でヘルシーな食べ物を食べたいということになると、なかなか和食以外の選択肢がなかった。
それに比べると、ヨーロッパの中でもポーランドやポルトガル、チェコ、その周辺の国では、肉や野菜を中心とした健康的な食生活を送ることができるので、あえて和食を食べる必要がない。
米を食べたい時も、東南アジアとは違って、ちゃんとそれなりに美味しい米が出てくるので、その点についても困らないのは、非常に助かるところ。
こうして考えてみると、ヨーロッパ、特に東欧の環境は、食生活の面でもかなり相性がいいのではないかと感じる。