限界集落への移住について意外だったこと


九州にある所謂限界集落と呼ばれるような村を訪れてきた。

基本的に私は、移住先として海外を想定しているし、もうすでにフィリピンやマレーシアで生活をし、それ以外の国を現在は、あちらこちらと回って暮らしている。

この4年の間で、日本にいたのは一週間ほどなので、すでに日本で暮らすという感覚自体が薄い。

しかしながら、もし次に日本で暮らす機会があるとすれば、それはおそらく東京ではなくて、地方になる可能性が高いと思っている。

それは単純に新しい経験をしたいということと、田舎暮らしをするのであれば、海外の中でも先進国に限られてくるから。

というのは、食事のことを考えた場合に、新興国だと合わないことが多い。

実際マレーシアは、主要都市を一通り回ってみたが、とてもではないが地方に行くほどに住めない環境になっていく。

フィリピンについても、マレーシアに比べればマシではあるものの、住みたいと思うかということになると、かなり厳しいものがあるというのが地方の特長。

今回は日本の中でも、限界集落と呼ばれるようなところもあれば、地方都市もあった。

移住と言っても、今日、明日に行うようなものではなくて、将来的な可能性として、日本に帰国した場合の住処探しという側面が強い。

しかしながら、地方都市の中でも、所謂主要都市、例えば仙台とか、名古屋とか、福岡とか、そういったところではなくて、それぞれの都道府県の中で、そこそこ栄ているような町であれば、中心部以外のところで部屋を借りても、すでに家賃というのはとても安く、わざわざ限界集落に移住することによって、家賃のコストが大きく下がるということでもない。

すでに誰も使っていない家屋を、破格で借りるという方法もあるようだが、結局のところ、メンテナンスをされていないわけなので、劣悪な環境に住むか、自ら修繕をするかということになる。

自分自身で修繕作業を行いたいとは思わないし、そんな時間があるなら仕事をして、その稼ぎの一部で人を雇った方がいい。

しかしながら、その修繕費を出すのであれば、わざわざ限界集落に住むよりも、地方都市に住んで普通に家賃を払っても、金額的には変わらないか、下手をするとそちらの方が安く済む場合すらある。

利便性ということで考えると、一言で限界集落と言っても、周りにほとんど店がないようなところから、それなりの規模の地方都市の外れの方にあって、車があれば全然不便をしないというところもある。

少なくとも私の場合は、ネット環境が整っていないと仕事ができないので、その点はライフラインとして必須。

私が今回訪れた限界集落は、ネット自体を引くことができないということだったので、そういった場所にはさすがに住むことはできないし、結局のところ、いくら日本のインフラ網が整備されているとはいえ、やはり人が集まっている所の方が、インフラは整う傾向にあるわけなので、そこそこの規模の地方都市の中でとか、あるいは自然環境を求めるのであれば、その中のやや外れの方を選ぶというのが、正解なのではないかという風に思う。

逆に言うと、限界集落に移住するメリットというのが、あまり感じられない。

もちろんそこに、自分の家族が住んでいるとか、介護が必要とか、そういった必要に迫られて、移住していくのであれば理解できるが、ただ単に、良い住環境を求めて限界集落に移住をするとか、あるいは年金で暮らす為に生活費を抑えたいとか、そういった目的であれば、地方都市に住む方が良いのではないかという風に感じる。

複数の限界集落を回ってきたが、これから復興していく流れにあるところは、明らかに例外で、人口が減っていく以上、基本的には流れは止まらない。

そういった意味で言うと、どこかに腰を据えて住むというよりは、再び移住を出来るという前提をいつでも作っておくというのは、基本的な姿勢として必要なことだと思っている。

これは海外に移住する場合も同じことで、環境の変化が起こった時に、何も一つの場所に執着する必要はないし、むしろどこにでも引っ越せるという、フットワークの軽さ自体が強みとなる。

それは故郷や生まれ育った町に執着をしている人にはないものなので、期間限定でとりあえず住んでみるというのも、それはそれで有りなのかもしれない。



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執筆者、伊田武蔵
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