終身旅行者になってしまった



成り行きで終身旅行者になることが決定した。

税金を払わないためにPT(パーペチュアルトラベラー)になるとか、
そういう目的があったわけではない。

ただ単に理想の居住環境を求めていたら、
逆説的に自宅を持たないことになった。

ここまでの話だけだと何を言っているのか
まったく分からないと思うので、
順を追って説明してみたいと思う。

まず、私が終身旅行者になることに決めた、
というより決まったのは数ヶ月前の事だった。

日本からマレーシア、フィリピンと移住して、
次に住む国を探している時に問題が起こった。

簡単にビザを取れる国がない。

1年単位で移住しながら暮らしたかったが、
これからもそのライフスタイルを続けるには、
毎年煩雑なビザの取得手続きに追われることになる。

ただでさえ手続き的な作業が嫌いな私にとって、
その苦痛は決して小さなものではない。

まして、たった1年の居住のために。

移住には高いハードルを設けている国も、
日本人が旅行者として訪れるのはたいてい簡単。

それなら、拠点を持たずに終身旅行者になれば
簡単に話が進むと考えた。

私の場合、仕事が場所の制約を受けない関係で
どの国に住むこともできる。

ネット環境にさえ問題がなければ。

そして、マレーシアとフィリピンの暮らしを通して、
当面日本に戻る気もなくなった。

とは言え、
いきなり終身旅行者になろうと思ったのではなく、
最初は拠点を1つ作っておいて、
そこに荷物等を置いておこうかとも思った。

たとえばバンコクなら半年に90日までなら滞在可能。

1年では180日まで観光ビザで住めることになる。

それなら残りの半年を
他の国に旅行すればいいのではないかと。

この方式を採用していれば、
タイの居住者であって終身旅行者ではなかったことになる。

しかし、タイでコンドミニアムを借りる費用と、
タイに来た時にホテルに泊まる場合の費用は
ほぼ同程度の水準になることがわかった。

それなら部屋選びで手間がかかったり、
不在中のメンテナンスに困らない分だけ
ホテル暮らしの方がいい。

タイに来た時に掃除が行き届いた部屋に泊まれるし、
長期不在後のコンドミニアムのように
電気が止められたりもしない。

そして、拠点となる自宅があるわけでもないなら、
何もタイを軸にする必然性すらない。

あくまで好きな旅先の1つという扱いでいい。

ということで、いつの間にか終身旅行者になった。

これまでも手荷物だけで海外移住をしてきたので、
荷物をまとめるのは得意になった。

正確に言えば、
必要最低限な物以外を捨てるのが。

今回は、
シンプルミニマムな荷物を背負って
移動を続けることになる。

そして、ついでなので
世界一周してみようと思うようになった。

別に一周であることに深い意味はないものの、
1度ぐらいそんなことをしてもいいのではないかと。

その後はヨーロッパと東南アジアが
私にとって重要な位置付けになる予感がしている。

それにしても、PTには誤解されやすい側面がある。

終身旅行者とか永遠の旅行者という字面から、
一生続けるというニュアンスが漂うから。

私は暫定的な判断として自宅を持たなくなっただけで、
死ぬまで各国を放浪し続けるつもりはない。

まだ30代だし、一生の選択をするには時期尚早。

またいずれ、どこかの国に定住することもあると思う。

1つの生活様式に満足できるタイプではないし、
様々な体験をしながら理想を追求していきたい。

どこで暮らすのがベストであるかは
タイミングによっても異なる。

今の私にとっては、
終身旅行者として転々とするのがいいと思うだけで、
3年後も同じ考えである確証はない。

断固として決意を曲げないという考えもなく、
気が変わったら柔軟に対応するだけ。

そんなゆるい考えでマニラの自宅を引き払った。

と言っても、ただ賃貸の部屋を出ただけなのだが・・・。

こうして30代にして終身旅行者になったが、
特に感慨はない。

そもそも実感がない。

別に誰かのお墨付きがあるわけでもないし。

それでも20代の時に本で読んだことが、
まさか我が身に起こるという不思議な感覚はある。

自分とは無縁だったはずの「向こう側の世界」に
何の因果か自ら足を踏み入れてしまったという驚きが。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


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