世界各地で大気汚染が問題になっている


中国の大気汚染であるPM2.5が福岡を中心に日本にも飛んできていることが、かつてから問題視されていた。

中国が起こしている問題に関しては、以前から黄砂もやり玉に挙げられていた。

そしてこういった問題は東アジアのみの話ではなくて、例えば東南アジアのインドネシアが行っている焼き畑農業の煙がマレーシアに飛んできて、これがヘイズと呼ばれる大気汚染の原因になっている。

私がKLに到着した時にはヘイズの影響は特になかったものの、その一週間ほど前までは雨がしばらく降らなかったために、酷い状態だったという。

一部の人はのどの痛みを訴えていて、マレーシア政府も、用もないのに外出するのは控えるように勧告をしていたほど。

ヘイズの時の写真を見たが、明らかに周囲の風景に霞がかってしまっていて、いかに大気汚染が深刻であるか窺わせた。

インドネシアに近い街であるジョホールバルに住んでいたことがあるので、ヘイズの話は聞いていたものの、まさか随分と北の方にあるクアラルンプールにまで飛んでくるというのは意外だった。

ジョホールバルからクアラルンプールまでというと、だいたい車を飛ばしても3時間から4時間くらいかかる距離にあるので、それだけの距離をこうして煙が飛んできてしまうのは、いかに国境を簡単に越えて大気汚染が広がっていくかということを物語っている。

では、大気汚染が東アジアや東南アジアだけの問題なのかというと、これがまたそういうことでもない。

例えばヨーロッパであればフランスのパリがあまりにも大気汚染が酷いということで、政府が一時的に公共交通機関である地下鉄等を無料にして利用を促進したり、それでも効果がなかったので自動車の乗り入れを制限する方針を打ち出したりもしている。

この自動車の乗り入れ制限はフィリピンでも実施している方法で、車のナンバープレートの末尾の番号が奇数なら奇数日は運転して良いとか、逆に偶数の日は運転してはいけないという制限を課すもの。

普通、先進国は車の排ガス規制等をしっかりと行っているので、たとえ渋滞等が酷くなってもそこまで大気汚染は酷くならないイメージがある。

その点は新興国との違い。

しかしながら、パリの写真を見た限り、確かにかなり酷い状態なことが窺い知れた。

しかもパリの場合はロンドン等とは違い、市内にあまり自然がないために空気を浄化するシステムもない。

比較的大きな緑というと二つの大きな墓地があるくらいで、ロンドンのケンジントン・ガーデンズやハイドパーク、その他のいくつも大きな公園が配置された都市設計とは根本的に違っている。

そういったことも大気汚染に拍車をかける要因になってしまっているのかもしれない。

これだけ規模の大きな経済活動を各国がしているとなると、それぞれの国が引き起こした問題は一国の課題に留まらないところがある。

しかしながら、国際法は一つの法体系としてまとまっているわけでもなく、それぞれの国がお互いをけん制するシステムは、21世紀になっても全くまとまっていない。


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