ブラショフのタンパの丘に登ってきた




 私が宿泊していた旧市街のすぐ近くのホテルは、裏手がタンパの丘になっている。

こちらはタンパ山という山の名称で呼ばれることもあるらしく、実際大きさを見てみると、丘とも山とも表現できるようななんとも言えない感じになっている。

そしてこの上の方には、ハリウッドのような感じで、ブラショフという大きな文字が掲示されていて、1つのシンボルのようになっている。

せっかくこの丘の麓宿泊しているわけだし、せっかくだから登ってみたいと思い、ブラン城から戻ってきて、しばらくホテルで休んだあと、夕食の前にふらっと登ってみることにした。

とは言え、どこが入口かよくわからなかったが、適当に歩いていたら公園が見つかり、そこから登れることがわかった。

ホテルから見ている限りでは、ケーブルカーが出ているのが見て取れたが、ケーブルカー乗り場がわからず、せっかくなので自分の足で山道を登っていくことにした。

おそらく20分もあれば行けるのではないかと思ったが、意外にそうでもない。

道は整備されておらずかなり細いので、場所によってはすれ違うこともできないほど。

更に言うと、舗装されている道とは違って、傾いていたりするので、立ちくらみでも起こそうものなら、そのまま急斜面を転げ落ちることになり、まず命は助からないものと思われる。

もちろん柵であるとか、手すりとかロープとか、そういった類のものは一切ない。

時折スポーツウエアに身を包み、トレーニングとしてここを登っていく人とすれ違ったりもしたが、歩いているだけでもかなり息が上がった。

ちなみにこのタンパの丘の麓にある公園には、子供用の遊具だけではなくて、バスケットボールのコートなども設置されている。

基本的には、町の様子はあまり見えず、木々にさえぎられている感じだが、時々ちょうごうが開けると、ブラショフの町を一望することができ、ホテルの場所であるとか、黒の教会とか、旧市街の中心である噴水とか、そういったものの位置関係とか、町の様子を把握することができた。

そして20分どころか、40分から45分ほど過ぎた段階で、ようやく頂上まで行くことができた。

先程下から見上げていたブラショフの大きな文字も、裏側から見ることができた。

更にそこからもう少しだけ登ることができて、そこはブラショフの町だけではなく、その反対側も見渡すことができ、わざわざ1時間近くをかけて、息を切らし登ってきただけの甲斐のある光景だった。

そして、ただ座ったり立ったりしている状態とは違い、緑の中を歩いていると、様々なアイデアが出てきたので、仕事についての発想というのも浮かび、それを3つほどiPhoneに録音しておくことができた。

結果的にはかなり有意義なものだったのではないかという風に思う。

こうしてブラショフでの最後のディナーの前に、ちょっとしたトレッキングというか、山登りを経験し、下りも30分ほどかけて無事に町に戻ることができた。




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執筆者、伊田武蔵
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