日本からやってきた2人の友人と共にタクシーに乗って、彼らの予約したネットワールドホテルに向かった時の話。
マカティエリアで夕方に苦労してようやくタクシーを拾った。
というのも、この時間は帰宅ラッシュになるため、通りを走っているタクシーが極端に捕まえづらい。
すでに人を乗車させている事が多い上、交通量が増えて渋滞が起きている。
そのため、なかなかタクシーがやってこない。
結局十分以上路上で粘り、ようやくタクシーを捕まえる事ができた。
そこで、行き先であるネットワールドホテルの予約表を見せた。
アゴダというホテル予約サイトを使って友人達が予約を行っていたので、そこでの予約表にはホテルの住所や名前がすべて載っている。
という事で、口でネットワールドホテルという行き先と、大まかな住所を読み上げてその紙を運転手に何回か見せた。
気になっていたのは、そのドライバーがどうもしっかりと紙を見ていない感じがしていた事、そして、その住所を見る限り、おそらくは日本大使館の近くであるはずなのに、何故かもっと北の方に行っている気がした。
私が知らない道を走っているのかもしれないし、渋滞が激しい状態だったのでそっちの道の方が近道になったり、あるいは空いていたりするのかも知れないと思って、ひとまずは何も言わずに見守る事にした。
しかし、どうやらドライバーは道が分かっていなかったらしく、あきらかに別の場所に着いてしまった。
マラテ地区という目的地よりもはるかに北の方にある地域に来たので、相手に場所が分かっているのかと確認したところ、どうも分かっていない様子だった。
ここで発覚したのは、この運転手は英語が読めず、その予約表を見ても全く何も分からなかったので、どうやら耳で聞いた情報だけで走り出したらしい。
というのも、ホテルの名前を確認したところ、ダイヤモンドホテルとか、ニューワールドホテルとか、全然別のホテル名を口走り始めたので、全くどこなのか見当がついていない事がわかった。
では何故場所を確かめる事もなく走り出したのかというと、どうやらまったくの勘で動き出したわけではなくて、一応の住所を聞いたのでそれがどこの通りかは分かっていて、それを基準に運転を始めたらしい。
当然その程度の情報量では正しい場所に行く事はできず、同じ大通りの全然違う場所に来てしまったのだが、仕方がないのでiphoneで地図を見せて改めて場所を確認する事にした。
そして、渋滞の中、間違った場所から一時間程かけて、案の定日本大使館の近くであったそのホテルに着く事ができた。
どうもこのネットワールドホテルは日本人の宿泊客が多いらしく、日本食レストランも2階に併設されていた。
結局、通常であれば100ペソちょっと、だいたい250円くらいで着く距離を、当初向こうが言っていた金額である400ペソをかなりぼったくられながらも支払ったものの、運転手もどこか不満そうだった。
彼の言い分としては遠回りをしたのだから、余分にチップを欲しいという事だったのだと思うが、こちらとしては時間を無駄にされただけなので、そういった事をする筋合いもない。
むしろ真っ直ぐ行ってくれなかった分だけ、料金を返してほしいくらいなので、そのまま見送る事にした。
フィリピンというと英語を話せる人が多いイメージがあるものの、タクシーの運転手の教育水準は必ずしも高くない。
したがって、タガログ語しか出来ない場合もあるので、紙に書いた英語表記を見せただけで安心してしまうのは危険。
この点については一つ学びとなった。