転勤辞令を拒否し、断ることができないのに人生設計を立てる矛盾


サラリーマンだと転勤を拒否したり、断ることが基本的に許されない。

場合によっては職場にいづらくなったり、
リストラ対象にされる恐れすらある。

労働者としての法的な権利を行使することによって
不当な解雇に立ち向かえる心の強い人もいるが、
多くの人は全面的に会社と対立することは避けたいはず。



そうなると、いざ転勤辞令が出されれば断るのは難しい。

社風に寄っても違うとは言え、
通常は会社からの命令を拒否することはできない。

逆に言えば、そもそも気軽に断ることができる環境の企業は
経営がまともにできるのかという問題もある。



それにしても、自分の住む場所が定まらないというのは、
人生設計が不可能ということになる。

私がサラリーマン時代に勤めていた会社は通販会社だったが、
他にもいくつかの事業を行っていた。


その中で新規事業に回されたワーキングマザーの人がいた。

とても優秀そうだったし、やる気のある人だった。

本社勤務として入社していたので、
子供を育てながら通勤できる圏内ということで
職場を選んだはずだったのに、
ある時新規事業で唐突に離れた場所に転勤を命じられた。


片道3時間かかる場所で、
会社側も特例として通勤時間の一部を勤務時間に認めたが、
結局は家庭との両立ができなくて辞めてしまった。

転勤を拒否できるような空気ではなかったし、
かといって子供のこともあるので無理があったはず。

新規事業を1人で担当していたので、
当然結果も求められる。


結果、新しい職場を求める方が賢明と判断したのか、
あるいは会社側が切り捨てたのかはっきりしないが、
突然に退職という幕切れとなった。

その会社ではよくあることだったが、
当時続けでの退職だった。




会社からの辞令を断ることができない前提だと、
こういったことも起こる。

大企業なら過去の事例を見れば、
ある程度はどんな道が待っているかを理解できる。

転勤辞令が多く、拒否したらどうなったという辞令が
積み重なっている企業もある。

子会社への出向だったり、人事異動だったり、
こういった可能性はそれなりに予見できる。



しかし、中小企業になると歴史が浅かったり、
動きが激しくて予想しづらいこともある。

特にオーナー社長がワンマンだったりすると、
どんな動きをするか周囲がヒヤヒヤしていることも。

私が在籍した会社もそんな感じだった。


幸か不幸か全国展開はしていなかったし、
東京を中心にした関東の一部だけを商圏にしていたので
(通販事業は別)
大きな異動はなかったものの、
店舗部門は転勤もあった。

断った人がいるという話は聞いたことがない。

仮に拒否すれば退職を勧告されるのは目に見えていた。


店舗部門とは関わりが少なかったので実情はよく分からないが、
数年おきに転勤があったのは間違いない。

もちろん、その度に引越が必要になる。



マイホームを買ったとして転勤を命じられたらどうするのか?

子供が進学する学校を慎重に決めたところで、
遠くに引っ越さなければ行けなくなったら?

気に入った街で暮らしているのに、
住みたくもない場所での勤務を命じられたら?


もはや社員の人生設計なんて
理不尽に大きな力で簡単に潰されてしまうことになる。

まだ若ければ、転職してやり直す方法もある。

しかし、40代以上になると転職も難しい。


そもそも転職先で不当な待遇を受けないとも限らず、
また同じことが起こる可能性だってある。



結局、ある部分で経営側と労働者の利害は対立するわけで、
会社の要求を断ることができるような力関係ではないからこそ
法的にもサラリーマンは保護されている。

弱い立場だから、国が守ってあげなければいけないという理由で。


私はそんな立場でおびえながら一生を過ごすのは嫌だった。

だからサラリーマンを辞めたし、
転勤なんて存在しない世界で生きることに決めた。

住む場所ぐらいは自分で選びたい。



その結果として、
独立して3年ほどたったらヒマになってマレーシアに移住したり、
そこに飽きたのでフィリピンに引っ越したり、
自由気ままに暮らしている。

誰かに命じられたわけではなく、
好き放題に住む場所を変えられる。

おかげで生活コストもコントロールできるし、
長年の悩みだった花粉症からも解放された。



働き方によって住む場所を選べるかどうかが変わるし、
唐突な転勤辞令で引っ越しを余儀なくされることもある。

結局、働き方は生き方に直結してしまうので、
キャリアの途中からでも見直す価値が十分にあるのではないかと。





【追記】
転勤の辞令を断るとか受け入れるとか、
そういう話とずいぶん離れてしまった。

日本からマレーシアへ、
マレーシアからフィリピンへ移住したのは以前に書いた通り。

それに加えて、
もう自宅を持つのを止めてしまった。

今は世界一周中で、終わりがいつになるかの見当もつかない。



さすがに一生家のない状態では不便なので、
そのうちどこかの国に住むことになると思う。

ビザさえ確保できれば、
住める国は無数にあるわけだし、
拠点なんて部屋を借りるだけで簡単に作れる。



転勤というか、頻繁に出張している人のような生活だが、
違いは自分の意思で行き先とタイミングを選べるかどうか。

私の場合、
誰の指図も受けずにこの点を選択できる。

身体に負担になる長距離移動は極力抑え、
できるだけストレスのないルートで周りたい。

そんなわがままが通るのも、
人の命令を受けることがないから。

理不尽な指示を受けることがないので、
そもそも断る必要すらない。


周囲にもそういう人が増えてきたし、
面白い傾向だと思う。


嫌がらせで転勤辞令を受けた人の話

私のところにメールをくれた人の中に、
いわゆる大手の会社(私も名前は知っていた)に勤めていて、
派閥争いに巻き込まれてわざと新居を買ってまもなく
転勤辞令を出された人がいた。

ここでは便宜上、大石さんと呼んでおく。

積極的に派閥に加わっていたわけではなく、
できれば穏便に勤めあげたかったらしいが、
どちらにも付かないわけにはいかなかったために
形式上は一方についていたらしい。

結果、相手の派閥からの嫌がらせを受ける形になった。


断るかどうか迷った末に単身赴任中だったが、
妻子だけを新居に残しての生活に嫌気がさしていたため、
今の会社を辞める道を探していて私のところに連絡が来た。


仕事上の避けられない必要性すらないのに
わざわざ持ち家を買った人を飛ばすというのも悪質だが、
ある意味では転勤のある会社に勤めるサラリーマンが
自宅を購入することのリスクでもある。

住む場所の自由を得られていない以上、
心のどこかでは予期していたはず。

そう考えると、やはり働き方、さらには生き方自体を見なおさないと
今後も様々なリスクにさらされることになる。


大石さんのケースは会社側の悪質さが目立つが、
このような裏の意図(他の派閥への嫌がらせ)がなくても
事例を拒否するのは困難という現実がある。

住む場所の選択権すらも会社に握られているのは、
健全な生き方ではないのではないだろうか。



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執筆者、伊田武蔵
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