旅において種を蒔く行為と果実をもぐ行為



私が旅行に出かけるとき、いつも思うのは初めての場所に行ってみたいということと、あとは同じ町に行く場合であっても新しいホテルに泊まってみたいということ。

これはなぜかというと、自分の引き出しをどんどん増やしていくため。

新しい経験を積むことによって様々な引き出しを持つことができるし、逆に旅先でも毎回同じような行動しか取っていなければ、それは自宅で過ごすのと大して変わらなくなっていく。

そのため、いかにして新しい経験を積むかというのが、これまでの私の旅の中心テーマだった。

しかしながら、この考えも最近では変わってきていて、言ってみれば今までの行為は種を蒔く行為だった。

つまり芽が出て花をつけるのを待っている行為であって、ある種の先行投資ということになる。

例えばバンコクでお気に入りのホテルを見つけた時、そこにもう一度泊まるのではなくて、また新しく別のホテルに泊まってみるのは経験の幅を広げるためには有効なこと。

しかしながら、いくら幅を広げていっても、快適な環境を放棄するのももったいないのではないかということを最近は思いはじめた。

例えば、自分の気にいったホテルがつぶれてしまうとか、あるいは次に来た時に満室とか、そういった可能性もあるわけで、世界はいつまでも同じ姿のままで継続して存在しているわけではない。

そう考えてみると、以前に行って快適だった場所を繰り返し訪れるのも、それはそれで人生を豊かにするために大きな効果を持つはず。

そういった意味でいうと、アジアの中ではバンコクやクアラルンプールは旅行に適していると思う。

それに対して、私はマニラを移住先として推奨しているが、マニラは旅先というよりはあくまでも生活の場所としてふさわしいという印象。

これに対してヨーロッパの中では行きたい国、あるいは町はたくさんあって、例えばスペインであればバルセロナやセゴビアにもう一回行ってみたいと思うし、セゴビアの近くにあるトレドという町も訪れてみたいと思っている。

イタリアであればベネチアやローマ、あるいはイギリスであればロンドンや湖水地方に是非足を運んでみたいと考えている。

今後の旅は種を蒔く行為と果実をもぐ行為のバランスをテーマに掲げていきたいし、そういったことを考えていくことによって、ただ単に禁欲的な旅を続けるのではなくて、もっと人生を楽しんでより豊かにしながら生きていくことができるのかもしれない。

あまりにもストイックに生きていくのは、一種の美徳であるように感じるものの、結局のところ人生に目的を見出せず喜びを先延ばししているに過ぎない。

そして、結局のところ突き詰めていけば人生に目的がないという、あまりにも当たり前の真実を目にして愕然とすることになってしまう。

そういった意味でいえば、限界効用が大きいうちはどんどん楽しみを享受して、そしてその効用が逓減して来た段階で新しいところに飛び移るのも一つの生き方ではないかと思う。

ただ単に新しい場所に行くとか、同じ場所に留まらないのは、変化をもたらしているようで、実はその行為自体が単なる習慣と化してしまう。

そういった意味でいうと、定住と移動のバランスを取ってみるとか、緩急をつけてマラソンのようにゆっくりと走る部分もあれば猛ダッシュをする部分を取り入れていくことが、脳への刺激としてはいいのではないだろうか。

ジョギングも同じペースでずっと走るよりは、緩急をつけてスピードを速めたり遅めたりしたほうが脳に対しての刺激が強いというが、生き方においてもそれが同じことが言えるのだろう。

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