アメリカで高まるカナダ移住への関心


日本人とアメリカ人の民族性とか国民性の違いの1つとして、海外に出て生活をすることへの意識というのを挙げることができる。

例えばアメリカにおいては、先日アメリカ大統領選挙においてスーパーチューズデーの後に、カナダに対して移住をするということについて、大きくGoogleの検索結果が伸びたという。


これはスーパーチューズデーの結果として、ドナルド・トランプが候補者への大きな躍進を遂げ、それを嫌った一部のアメリカ国民がカナダに移住するという選択肢について検討するために、検索エンジンを使って方法を調べていたということ。

もちろんこの段階ではあくまでも移住に対する興味があるというだけで、実際にそれを実行するのは極々一部の人だろう。


しかしながら、日本において選挙結果、しかもその途中においてこのような反応を示す人はほとんどいないと思う。

Googleに関しては、検索の傾向をGoogleトレンドで確認することによって知ることができるが、日本であれば海外移住関連のキーワードというのは311の震災後に大きく伸び、そこから徐々に落ち着いている。


私も海外移住関連のブログをやっているので、一時期は多くの問い合わせを受けていたが、最近ではだいぶ落ち着いた印象がある。

震災の場合は単なる自然災害である地震が怖いので、日本から出て別の国で生活をしたいというよりは、やはり原発の問題があり、放射能を恐れて他の国で生活をしたいという人が多かった。


逆に言えば、日本においては普通に地震があるだけであれば、例え建物が倒壊したり、その犠牲になる人が増えても、そこまで海外移住の機運は高まらないということになる。

言語の壁や島国という国土を持っている文化の傾向として、やはり海外に出るハードルというのは非常に高い。


アメリカ人であれば英語が使えるので、世界の中でも多くの国でネイティブの人と話すことができるし、英語圏以外であっても、ある程度教育水準の高い人であれば会話をすることができるわけなので、この点は大きな強み。


逆に日本人が海外に移住しようと思って自国の言葉を使おうと思っても、バンコクや台湾の一部のような、限られたところ以外では当然ながら使えないし、現地の言葉か英語ができないとなかなか厳しいものがある。


バンコクの一部のエリア、つまりプロンポンとかトンローとかそういったエリアであればまだどうにかなるような気もするが、決して低いハードルではないと考えたほうがいいだろう。


そう考えてみるとアメリカ人の置かれている環境というのはなかなかおいしいようにも思うが、考えてみればアメリカ人であるというだけで全世界に対して属人性での税制が適用されるし、必ずしも良いことばかりではない。


しかも日本人であれば強力なパスポートがあるので、非定住生活をするとかビザ無しでホテル暮らしをしながら転々とするとか、そういったPTのような暮らし方もできるわけなので、一概に日本人が不利というわけでもない。


確かに事例が少ないという意味では勇気が必要かもしれないが、決して難しいことではないというのが、フィリピンやマレーシアに住んでみた感想。

しかしながら、選挙結果を受けて住む場所を変えることを検討するという視野の広さは、多くの日本人にとって見習うべき価値が充分にあるのではないかというふうに感じる。


なお、海外移住についての意欲の高さということで言えば、アメリカ人よりもロシア人や中国人のほうが圧倒的に高いというふうに感じる。

彼らは自分の国を信用していないから、あるいはフィリピン人やアイルランド人のように海外に出稼ぎに出て外貨を獲得するということを、伝統的に行っている国もあり、フィリピンで言えば常に人口の10パーセントぐらいは海外で働いていると言われている。


日本の場合、留学生や駐在等を含めて大体1パーセントの人口が海外に出ているだけなので、それを考えるとまだまだ日本が国際化する余地が残されているし、そこには多くのチャンスや活路が取り残されているだろう。



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執筆者、伊田武蔵
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