嵐の海のその向こう側


冒頭の文章は羽海野チカ氏の「3月のライオン」に
登場する一節。

この作品は主人公が高校生プロ棋士(将棋の)の話で、

上記の言葉は史上5人目の中学生プロになったものの、
その後にさらに上を目指す動機がないことに
気付いてしまった主人公が心境を吐き出したもの。


プロの棋士になるために必要な努力が多大であることは
素人ながらに想像がつく。

そして、プロ棋士の中もA級、B級等に分かれているらしく、
主人公はC級に属している。

そこから上を目指すには、
必死で嵐の海に飛び込む覚悟をしなくてはならない。

今のままでもそれなりに収入は入るし、
プロとしての地位も維持できる。


その環境において、
主人公も、時に対戦者も次へ進むことを恐れる。

そして、C級からもずるずる降格しそうになっていった。






彼がその先に進めなかったのは、
不慣れな一歩を踏み出すことを躊躇しがちな
人間のちょっとした心理などではなく、
嵐の向こう側の島へたどり着くまでの
果てしない努力を経験してきたからこその恐れ。

そして、必死の思いが届いて向こう側に着いたとしても、
さらにその先がある。


プロ棋士の世界は才能と努力の両方を兼ね備えた
過酷な競争の世界。

「副業でお金を稼ぎたいです」
と口にする99%以上の人よりもはるかに時間と労力をかけて
ようやくプロ棋士になれる。

その中で上のレベルを目指すのは
並大抵の成長では到底足りない。

だからこそ、
今のままでいいと思ってしまう。

小さな一歩を踏み出すぐらいでは何の意味もないことを、
本当に先に進むには膨大な努力が必要なことを
知っているからこそ戸惑う。




物語が進むにつれて、
主人公は「嵐の向こう側」を知る名人やA級所属者に
聞いてみたくなる。

「嵐の向こう側」の話を。

しかし、その行為が愚かで覚悟のないことに気付く。

「嵐の向こう側」は自分自身で見なければいけないものだから。


そして主人公は再び上を目指すことに・・・。




なぜ急にこんな話をしたかというと、
ビジネスもこれに似ているから。

うまく仕組みを作ることができれば、
わざわざ苦労して新しいことをしなくても
それなりに居心地のいい場所にいられる。

ただ、その心理に支配されるようになってくると、
現状維持すら難しくなる。

それはまさに既得権益に群がるだけの老害そのもので、
あさましく過去にしがみつく亡霊になってしまう。



だからこそ、時にはこれまでの栄光を捨てて
次の一歩を踏み出さなくてはならない。

私にとってフェイスブックはそんな存在だった。

SEO(検索エンジン対策)の力を磨いてきた私にとって、
フェイスブックは畑違いどころか敵視すらしていた存在。

ネットユーザーのフェイスブックの利用時間が長くなるにつれ、
検索エンジンの利用回数が減るというデータも出ていたので、
まさに目の上のこぶだった。


実際のところ、今後もSEOが無効になることはありえない。

SEOだけでもやっていけるだろう。

だから、しがみついた。

すでに身につけた方法に。

居心地のいい場所に。



しかし、フェイスブックという新しい集客法を習得すれば、
さらに上のステージに行けることも知っていた。

知っていながら、心が拒否していた。


そんな時に読んだのが「3月のライオン」だった。

この作品が嵐の中に飛び込まなければいけないと
覚悟を決めたきっかけ。

もっとも、私が飛び込むのは嵐の海というほど壮大ではなく、
せいぜい流れるプールを逆走する程度だったのだが・・・。


結局、試行錯誤で迷走すること2ヶ月。

その後、方法論が確立されてから
500いいねを記録するまでに3ヶ月。


今ではSEOの技術も持ったまま、
フェイスブックという新しい集客経路も確立できた。

今までにも新しい挑戦(実験)は色々してきたし、
これからもやっていくだろう。


嵐の海に飛び込むほどの覚悟を決めることは
私の人生ではないのだろうけど、
ゆるやかな流れのプールを逆走するぐらいなら
いつでもできる心を持っていたい。

それは現状に満足して朽ちていく存在ではなく、
常に成長し、進化していきたいから。



右も左も分からずにネット世界に飛び込んだ時に比べれば、
これから先はそこまでの嵐に巻き込まれることはないはず。

もう多くを知っているから。

そして実際に経験したから。


人生を変えたい気持ちだけで
まるで知らない場所に飛び込んだあの時以上に
先が見えないということはありえない。




3月のライオンの勇者たちが私に勇気をくれた。

自分の腕だけで生きていく、
我々よりもずっと激しい競争を戦う勇者たちが。

それがなければ、
私は今でもフェイスブックからは目をそむけていたのかもしれない。


https://ijuusya.com/facebook.pdf





PS.
この3年ほど、人との出会いに恵まれてきた。

私の人生の中でイレギュラーなほどに。


3月のライオンはそれにも負けないほどに
多くの影響を与えてくれた。

漫画なので架空の話だが、多くの勇気をもらっている。


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