飲食店を始めとして、海外にビジネスを展開するということは、もはや少なくない状態になっている。
特に飲食店に関して言うと、タイやシンガポールでは、うまくいけば半年間で初期費用を回収して、あとはどんどん利益を上乗せすることができるということで、日本人の経営者の間でも非常に注目を集めている。
しかも、経済が弱い国に出店するからといって、それだけ売上を下げる必要はなく、むしろ顧客単価は日本と対して変わらないか、8割ぐらいに設定しておいて、人件費やテナント代を抑えることができるので結局手元に残る粗利であるとか、あるいは営業後の利益、税引き後の利益というのも、大きくなりやすい。
そうなってくると、過当競争が行われ、レッドオーシャンになっている日本の市場よりも、新興国の市場の方がはるかに設けを出しやすい状況にあったりする。
とは言っても、すでにシンガポールやバンコクというのは、競争が激しくなっていて、適当な店を出店したところでボロボロに負けて、帰ってくるだけになってしまっている。
ただし、同じタイの中であっても、町によってレベルというのはまちまちで、例えば、アユタヤという町を以前に不動産視察をしたことがあったが、まだまだこの町においてはレベルの高い和食レストランというのは少ない。
そんな中で、タイの某社が提供している、リトルジャパンという町がある。
ここは、アユタヤのウェルネスパークというコンドミニアムに隣接する商業施設で、まだまだこれからテナント付けをしていく段階にある。
そういったこともあって、初期のテナント募集に対して、5店舗だけ最初の1年間は家賃を無料にして、出店できるというキャンペーンのようなものを行っている。
内装代に関していうと、こちらは店舗持ちということになるので、実際に1年間だけ出店をして、そのまま退去すると、結局初期費用が回収できない恐れもあるので、実際には数年計画でやっていくということが前提にはなるものの、最初の1年間だけでも家賃が無料というのは、かなりお得なのではないかという風に感じる。
こちらのコンドミニアムというのが、来年2月に賃貸を始める予定なので、まだまだ今の段階で言うと、入居者の来店というのもそれほど見込める状況ではない。
しかしながら、アユタヤに初めて出店するのであれば、タイでビジネスを行うための許認可の取得であるとか、あるいは人を雇って、更には教育するという時間もかかるので、最初の1年間家賃が無料な状態で、ある程度余裕を持って、従業員教育等を行い、いきなり忙しい状態になるのではなくて、徐々にお客さんを入れていくというのは、初めて海外でビジネスを展開するオーナーにとっては、悪くない方針なのではないかという風に感じる。
タイの場合、失業率が1%未満ということもあって、人材の確保が非常に難しくなっているし、飲食店を始めとした店舗ビジネスにおいては、いかに現地の人に働いてもらうかということが焦点になる。
所詮時給100円ぐらいで雇えるバイトに、任せられる仕事をいくら店長やオーナーが頑張ったところで、それは利益の圧迫にしかつながらない。
本来的にそれは、ビジネスマンとしてやる行為ではなく、単なる独りよがりな自己満足に過ぎないので、しっかりと仕組みを作ってやっていくということで考えれば、現地の人の雇用や教育というのは、必須条件となる。
参考資料:タイの経済動向
そういった意味で、家賃が無料の1年間を上手に使って、アユタヤを足掛かりにして、バンコクに進出していくとか、そういった展開も見込めるのではないかという風に見ている。