最低賃金の引き上げが労働者の待遇改善に繋がらない理由


インベスターズ・ビジネス・デイリーというところがまとめた統計によると、アメリカにおいて最低賃金を引き上げても結局、労働者が得られる賃金というのは増えなかったという統計がある。

ブッシュ大統領の時に、最低賃金は5ドル15セントから5ドル85セントまで引き上げられた。

この金額を見ると日本円で言うと500円代前半から500円代後半に上がっただけなので、アメリカというのは日本よりも最低賃金の部分では、かなり安かったことになる。

しかしながら、その後もコンスタントにどんどん金額というのは上げられてきて、2008年には6ドル55セント、2009年には7ドル25セントとわずか3年間の間で2ドル10セントも最低賃金が上がったことになる。

これは3年で210円ほど最低賃金が上がったということなので、日本人から見ても非常に大きく金額が上昇したことになる。

ではその結果何が起こったのかというと、最低賃金で仕事をする人が増えたということと、更に言うとその金額を割って働く人も増加してしまったという問題がある。

なぜこのようなことが起こったのかというとアメリカにおいては、この最低賃金というのは例外があって、例えば季節的なビジネスを行っている場合とか、漁業や新聞配達、あるいは年商の規模が5000万円以下の小企業など、一部の適応外とされる事例がある。

こういった会社の場合であれば、当然最低賃金よりも低い金額で人を働かせることもあるし、アメリカも失業率が決して低い国ではないので、労働力というのは余っていて、貧困にあえいでいる人もいる。

そういった人にとってはたとえ安い賃金であっても、とにかくその日の食事の為とか目の前の生活のために仕事をするということがあるので、結果としてセーフティーネットとしては十分に最低賃金の引き上げが機能しなかったということがある。

最低賃金よりも低い金額で仕事をしている人の割合というのは、2006年の段階で約0.9%。

それが2009年になると倍増して1.8%になっている。

2006年から2009年の3年間で2倍になっているので、これはかなり深刻な状況ということが言える。

ちなみにこの数字というのは労働省の労働統計局と言うところが出している。

日本においては地域によって最低労働賃金というものが決まっているが、これもあくまでも雇用契約におけるもの。

例えば最近流行りのクラウドソーシングにおいては請負契約という扱いになるので、この金額の規約というのは適応されない。

その結果として、実質的に時給500円とか300円とか、そういった金額で日本人が働いているという事実もある。

残念ながら労働単価が下がっていくという傾向はこれからも続くことが予想される。

特に単純作業についてはこれ以上金額が上がる理由というのは見当たらないし、付加価値をつけることが出来ない仕事を続けていくことのリスクというのはどんどん上がっていく。

これは非正規雇用やアルバイトばかりでなく、正社員もどんどん最低賃金の方向に引きずられていくということは当然の予測として成り立つ訳なのでほとんどの日本人にとって、他人ごととは言えない状況になっている。


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