
バンコクの日本料理のレベルはすでに高く、いま現在でもかなりの過当競争に入っている。
寿司屋の勲や山里、蕎麦のみつもり、天翠等、レベルの高い店が目白押しの状態。
JETROの調べによると、2019年のタイの日本食レストランは3,637店舗となっている。
確かにバンコクやその周辺の地域には多くの日本人が働いているし、あるいは駐在員の家族等も住んでいる。
とは言え、ランチタイムにプロンポンの日本料理屋を見て回っても、ガラガラの店も多かった。
さらに昨日、アソック駅の近くにある夢路という店も全く人が入っていない状態で、12時を過ぎているのにスタッフすらほとんど店に出ていない状態だった。
その後に数人のお客さんは来たものの、常に店はガラガラで空席が目立っている状態。
今日も別の日本料理店に来ていて、綺麗な店だし日本料理屋というよりはバーのような作りになっているが、こちらも200バーツ程度から、つまり600円程度からランチメニューが食べられるにも関わらず、店内には私のほかに一組のお客さんしかいない。
しかもそのお客さんも、おそらく現地のタイ人の人ではないかと思うが、これだけ閑散としていて時間帯も12時半ということなので、これは飲食店としては厳しい状況だと思う。
実際に現地で不動産業を営む社長とも話をしてきたが、もう既に日本料理屋はバンコクにおいて飽和気味になっていて、とりあえず出店をすればどうにかなるというレベルの状況ではない。
タイにおいてワークパーミッションを保持するためには黒字を出さなければいけないし、最初の一年が赤字であれば翌年のワークパーミッションを更新できないことも多々あるらしいので、そこら辺を考えるとひとまずビザ目的で飲食店を出店するとか、そういったことを出来るレベルではなくなっているとのこと。
常に経済の状態は変わっていくし、チャンスがこれだけ声高に叫ばれれば出店をしようという人も増えていく。
そうなってくるとお客さんの目も肥えていくし、当然舌も日本食の味を覚えていくので、中途半端な店を作ったところでそこが流行るわけがないのは必然。
実際問題としてバンコクで何軒か日本食を食べてみたところ、当たり外れが大きい印象で、老舗のような店構えの日本食レストランであっても、実際に食べてみると不味く、しかもちらし寿司が不味いということで他のメニュー、もっと味付けが繊細であるメニューであれば、より酷いことになっているのではないかと思うようなところもあった。
そういった店は今後淘汰されていくだろうし、特にバンコクにおいては日本人社会もかなりしっかりと形成されているようなので、そういったところでも口コミでダメなところと良いところの噂はそれぞれ広がっていくのだろう。
クアラルンプール等であれば、まだまだいい加減な日本食でも十分にお客さんが入っていたりするが、バンコクは日本食文化が成熟しているらしく、やはりダメな店は集客に困っている印象を受けた。
これは飲食店を営む人にとってはかなり大変だと思う反面で、一顧客としてはかなり嬉しいし、より切磋琢磨して高いレベルの日本食を食べられるようになれば、それは願ったり叶ったり。