新型コロナでクオータビザの永住権としての価値を再認識

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新型コロナによるフィリピンの入国制限を見ていたら、
永住権とその他のビザの効力の違いが如実に現れていた。

特に象徴的だったのは、
永住権であるクオータビザ保有者は
フィリピンに入国できるようになっても、
リタイアメントビザであるSRRV保有者は
その他のビザ保有者と同様に入国を禁止されていたこと。


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ビザの序列

フィリピンの場合、
リタイアメントビザであるSRRVを
永住権として紹介しているビザ業者もあるが、
実際の性質としてはリタイアメントビザとして
理解するのが妥当だろう。

ちなみに、SRRVは
Special Resident Retirees Visaの略。

名前にもリタイアの文字が入っているのは
こうして正式名称を見るとよく分かる。


通常、ビザの強さは市民権がもっとも強く、
それに永住権が続く。

その下に就労ビザやリタイアメントビザ、学生ビザ等がある。

もっとも、市民権を取得すると通常は国籍が付与されるため、
もはや外国人ではなくなる。

市民権には参政権も付いていることが多い。


一方、永住権はあくまで国籍に影響を及ぼさず、
強力なビザという位置づけにとどまる。

たいていの国においては、
永住権を取得しても参政権は与えられない。


永住権とその他のビザの序列が
新型コロナで入国制限をしたフィリピンでは
明確に示された。

永住権のクオータビザ保有者には
フィリピン国民に近い扱いをする。


リタイアメントビザのSRRV保有者は
たとえフィリピンに住んでいても
あくまでただの外国人扱い。

一度出国すると、
いつフィリピンに戻ってこれるか
分からなくなってしまう。


リタイアメントビザで問題が起きた例

フィリピンからマレーシアに目を移すと、
私も保有しているMM2Hが条件を大幅に改訂し、
現保有者も10年ごとの更新のハードルが
一気に上がった。

たとえば毎年90日以上
マレーシアに滞在しなくてはならなくなり、
単なる保険としてMM2Hを取った私としては
更新する気もなくなった。

リタイアメントビザにはこうしたリスクがある。

何しろビザの条件は常に変更される可能性があり、
特に新興国は突如として
急激に取得のハードルを上げたり、
それに伴って更新が難しくなることがある。

一方、永住権は比較的安定した権利のため、
このような不意の出来事によって
権利が台無しになってしまうリスクが小さい。

私が当初取る予定だったSRRVではなく
クオータビザの取得に切り替えた理由の一端がここにある。


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