海外で暮らしていると、日本ですでにお払い箱になった電車が現地で活躍しているのを見ることがある。
例えばマレーシアにおいてはJR九州のブルートレイン、富士はやぶさが以前と変わらぬ姿でそのまま走っている。
鉄道愛好者の中には電車の撮影のために、わざわざマレーシアまで来る人がいるという話を聞いたことがある。
それ以外でもミャンマーに日本の電車が走っていたり、あるいはジャカルタで走っていたこともある。
私が実際に見たのはジャカルタで日本の車両が使われていて、東陽町行きとはっきり書かれた電車がそのまま使われていた。
どうやら一切塗装をやり直しているわけでもなく、それどころか行き先のプレートすら取り外していない。
そのくらいは費用がかからないので変更してもいいのではないかという気がするが、塗装に関しては、やはりそれなりの時間とコストがかかるので、そのまま使っているということのよう。
そういった車両の転用を日本がビジネスとしてどんどん押し進めていく動きもあって、JRに関してはシンガポールに支社を作って東南アジアをビジネス圏にするという構想もあるらしいが、どうやらジャカルタに関していえば、無料で贈与したということで、あくまでも国際貢献の一環として贈っていただけということ。
ジャカルタの輸送力不足は深刻で、ラッシュの時には電車の屋根の上にもびっしりと人が乗ってしまうほど。
さらにいうと路線数自体もまだまだ少なく、今後も電車の本数が増えることは現地でも期待されている。
すでに道路では慢性的な渋滞が起こっていて、人口密度も高いため、日本の地下鉄のような技術が応用されることになれば現地の人たちの生活の質はずいぶん向上する。
もっとも、そういった利便性よりも、まだまだいかにしてコストを安くして暮らすを重視している人が多い印象があるので、その点をクリアしない限りは現実的にはビジネスとしてやっていくには厳しいのかもしれない。
ジャカルタに関していえばこれからどんどん伸びていく都市だし、インドネシアは東南アジアの中でも最も人口が多く、成長が期待されている国。
色々な形で、インドネシアと今のうちにつながりを持っておくことはいいのではないかと思う。
ちなみにアルゼンチン等の国にも日本の電車は走っていて、アルゼンチンには200両以上の日本の電車がある。
マレーシアの場合は14両、フィリピンに100両以上、ミャンマーも150両以上でタイにも120両以上が輸出されている。
その中でも群を抜いて多いのがインドネシアで530両以上が日本から輸出された。
電車だけではなく、日本のトラックがそのまま使われている例も見かける。
明らかに企業用の車で、さすがに商標等の問題でそのまま使うのは良くないような気もするが、そういったことはあまり気にされることなく元気に新興国で走っている姿を頻繁に海外では目にする。