前回ジャカルタに来た時には、インドネシアの治安は
イメージよりもずいぶん良い印象があった。
バタム島に行った時にも同様。
安全そのものともは到底言えないが、
マレーシアやタイと比べて極端に危険であるとか、
そういった感覚はなかった。
しかしながら、今回改めて訪れたジャカルタでは、
また違った感覚を持つことになった。
日本人街、ブロックMにて
ジャカルタには、ブロックMという日本人街がある。
和食レストランやカラオケが並ぶエリアで、
大通りを挟んだところにはプラザ・ブロックMという
ショッピングモールがある。
ここは外から見るとかなり立派に見えるものの、
中に入って店を見ていくとさびれた感じのするモール。
ショッピングモール内で喫煙者を見かけるという
東南アジアでも珍しい光景が広がる。
そして、この大通りの上にかかる歩道橋が問題で、
いくつもの露天商が通路に並んでいるのだが、
むき出しのナイフを売っている店が2つある。
ケースに入れるとか、
刃の部分を隠すといった配慮もなく、
軍用と思われる危険物をその場に放置。
特に紐などが付いているわけでもないので、
いつでも簡単に手に取れることになる。
肉や魚の料理用のものではなく、
明らかに攻撃用のナイフが。
そんなものが何十本も道端に並んでいるというのは
やはりインドネシアの安全意識の低さを感じたし、
直接的にそれで治安が悪くなるわけではないにしても、
この国の命や安全に対する考え方を垣間見た気がした。
別にそういった店の中に入ったという話でもなく、
普通に歩道橋の上に置かれているというのは
かなり衝撃的な光景だった。
ジャカルタにいても、
特に危険な目に遭ったことはない。
都市伝説のような事件の話は色々聞くものの、
それもどうやら過去の出来事のようで、
最近の治安動向は改善しているのではないかと
前回訪問時には感じていたものの、
まだまだ東南アジアの中でも特殊な部類に入っている感じがする。
食事の安全度にも不安が残る
日本人街ブロックMについて言うと、一週間ほど滞在した段階で激しい腹痛に見舞われた。
ただ胃腸の調子が悪いというだけではなく、
熱っぽくて頭痛もしてきて起き上がれない。
食欲も一切ないどころか内臓が活動を停止している感じで、
結局2日ほど絶食した。
その時期はブロックMの和食レストランと
Ambhara Hotelの朝食以外は口にしていなかった。
そして、症状から見るに何かに当たったようなので、
朝食かブロックMのどこかの日本料理屋で
やられたと推測される。
海外を転々としていても案外お腹は平気だが、
この時はひどかった。
和食レストランでもゴキブリを見かけたり、
衛生面に危険を感じる場面もあったので
納得の行く結果ではあったが・・・。
なお、どの店の料理が当たったのかは不明。
コタ地区の場合
コタ地区の一部については、
歩道でもバイクや車優先で交通法規も何もない。
ただ歩いているだけで危険という状態がある。
ジャカルタのモナスという巨大なモスク周辺においても、
やはり道を渡るだけで一苦労という状況だった。
インドネシアで人の命や安全が優先されていないというのが、
首都の交通事情1つ取ってもかいま見える。
事故が起きたとしても、
相当安い金額で解決するらしい。
生涯収入が少ないので当然と言えば当然だが、
安全を軽視する環境で暮らしていきたいとは思えなかった。
テロが特殊な出来事ではない国
インドネシアは継続的にテロの標的にされている国でもある。
ISの問題を除いても、
ずっとジャカルタやバリでは不定期で、
しかし継続的に爆破事件等が置きてきた。
インドネシアでのテロの標的の中には
外国人がよく利用するクラブ等も含まれるため、
旅行者としても他人事たかをくくる訳にはいかない。
この点も恐ろしいところ。
ジャカルタに住むことを考えると・・・
今回は、将来的なインドネシア移住の可能性も探りに来たが、
治安や利便性の問題を考えると当面はないと感じた。
歩いているだけで神経を使うので、
この環境というのは生活の場としてふさわしくない。
たしかに物価の安さ等のメリットはあるものの、
それはジャカルタである必然性がない。
もっと発展しているバンコクやマニラと比べて、
インドネシアの物価が著しく安いわけでもないので。
しかも英語があまり通じないので、
インドネシアはその点でも困った。
同じ東南アジアのイスラムの国でも
マレーシアの方が英語で返答が返ってくる率が高い。
あとは経済力の問題なのか、
とにかくローカルレストランの割合が妙に高い。
コタ地区においては、
1つの道沿いに50店近くのローカルレストランがあるのに、
それ以外はKFCやA&W、ピザハット、マクドナルドぐらいという
ファーストフードしかない状態。
和食レストランどころか、
イタリアン等の店すら存在しない。
もちろんインドネシアでも外国人が多く住むエリアなら
事情は違うとはいえ、
わざわざジャカルタにロングステイする意味は感じなくなった。
前回来た時は短期の滞在だったこともあり、
若干浮かれた気分のところもあったが、
今回は腰を据えて視察を行い、
さらに前提として他の国々もいくつも見てきた。
その上でインドネシアの治安が特別に悪いとは思わないものの、
突っつけば色々問題が出てきそうな感じは受けたし、
生活環境がいいとも感じなかった。
そして、これらが改善された頃には、
物価が安いという数少ないメリットも消えている気がする。
新興国の例に漏れず、
インドネシアも付加価値の高いもの、
たとえばBaskin Robinsのような海外チェーンのアイスクリームとか、
そういうものは先進国と大差ない価格で売っている。
ローカルレストラン等なら200円程度で食事ができても、
生活費全般としての価格メリットはそこまで大きくない。
そして、ジャカルタが住みやすくなるのに10年以上はかかるので、
今とはすっかり価格水準が変わっているはず。
その頃には治安が改善して危険度が下がっているかは分からないが、
それまで待つよりは
他の国を次の移住候補として考えた方が現実的。
今回、インドネシアに滞在する期間は決めていないが、
最大で30日までという制限がある。
これは空港で購入したビザの期限であるため。
すでに半月がたっているが、
どのタイミングで出国するか、
次にどの国に行くかは未定。
またすぐにインドネシアに来ることはなさそうなので、
ひとまずゆっくり滞在していく予定。
治安に不安が残ると言っても、
そこら辺を歩くのにビクビクするとか、
そこまでのレベルではないので
ある程度リラックスして過ごすことができている。
安全とは言えないものの、
そこまで危険ではないという状態なので
的確に言い表すのは少々難しい。
ひとまず、明るい道を歩いている分には
それなりに安心できるというイメージでいいと思う。
バリは安全なのか?
インドネシアの中で、
日本人が訪れる場所としては
ジャカルタとバリで人気を二分する状態。
ジャカルタの治安については上述の通りだが、
バリはどうなのか?
イメージとしてはのどかなビーチリゾートの雰囲気だが、
実際に安全かと聞かれると、そうとも言えない。
実は外国人の多いクタでは
スリや引ったくりが多い傾向にある。
しかも、バリは地方の島出身のプロのスリ集団が
出稼ぎにやってくる場所でもある。
中国人のスリや置き引きの犯人が
マカオに集まってくるのと同じ論理だろう。
地元で腕を磨き、
お金を持っている外国人をターゲットにできる場所で
稼いで帰っていくという構図。
一方、同じバリで人気のエリアでも
ウブドは人口密度も低く、
スリ等の犯罪件数が少なくて比較的治安が良いエリア。
同じバリの中でも、
エリアで大きく危険度が違ってくる。
なお、この島は交通事情が年々悪くなり、
訪問者は増えても道路事情が改善しないので
渋滞がひどくなる一方なことでも知られる。
要因の1つは
十字路にすればスムーズに進めるところを、
地元では十字路が縁起が悪いとされるために
T字路にするために交通の効率が悪いということ。
治安面以外のこんなところにも、
インドネシアの課題は潜んでいる。
バタム島でもトラブルが
インドネシアではバリがリゾートとして有名だが、
シンガポールから船で行ける島として
バタム島やビンタン島もそれなりの知名度がある。
そのバタム島に行った時には、
友人たちとナゴヤヒルズで車をチャーターして移動した。
最後に支払いをしようとした時、
突然当初の7倍ほどの金額を請求された。
どうやらドライバーとしては
店に連れて行ってキックバックを受ける予定が、
私達が店に入らなかったために
収入の当てが外れたらしい。
支払いの金額で押し問答をしていたら、
柄の悪い男が電話で呼ばれてやってきた。
ホテルのフロントでタバコを消すでもなく文句を言い続け、
結局妥協して当初の5倍ほどの金額を支払うことに。
ナゴヤヒルズはバタム島の中では大きなモールだが、
このあたりが彼らの縄張りらしい。
用心棒の男がスムーズに出てくるぐらいなので、
この手のぼったくりは常套手段なのだろう。
これもまた、インドネシアの持つ一面ということになる。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
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